【Aviutl】粒状化スクリプトに関する考察と分析
皆さん、Aviutlで創作してますか?
こんにちは、絹松です。
最近の映像的マイブームの1つに「粒状化スクリプト」があります。
ティムさんの「色調調整セットver6」というスクリプトの詰め合わせの中の1つでしかなかったこのスクリプトに私は大いなる可能性を見出しました。
↓スクリプトの解説&DL動画はこちらから↓
実際他の解説記事や動画でもこの粒状化スクリプトをかけることで映像の質感が向上すると話題になっています。
今回はこの粒状化スクリプトを自分なりに解剖、活用していきたいと思いこの記事を書きます。
そのため、どちらかというと解説よりかは独りよがりな内容になるかと思われるので、良い情報があったら勝手に持っていこう的なマインドで見ていってください。
スクリプトの概要
粒状化スクリプトの内容はこんな感じ。
「量」は画像にかかるノイズの量を調節するところ。
「コントラスト」は元素材が合成されるコントラストを調節するところ。
「シード」はノイズをランダムに変化させるところ。
「処理法」はノイズの種類を変化させるところ。3つあります。
「時間変動」にチェックを入れることで時間ごとにノイズがランダムに変化します。
今日はこのスクリプトの肝となる処理法パラメータについて細かく分析していきます。
「処理法」について
使用する画像素材はこちら。
僕が制作したとある作品のワンシーンです。
これにスクリプトを「処理法」のみを弄って適用させたものを比較します。
「処理法」1
画像の輝度(明るさの度合い)によって白黒のノイズをかけてます。
「処理法」2
画像全体に色付きのノイズをかけてます。
「処理法」3
細かい白いノイズが全体にかかってます。
デジタルカメラとの共通点
特に注目したいのは1と2。
こちらのノイズはカメラの専門的分野ではかなり有名なものになっているらしく、処理法1のノイズは難しい言葉で「輝度ノイズ」。処理法2のノイズは「カラーノイズ」と呼ばれています。
この輝度ノイズとカラーノイズはデジタルカメラのISO感度(デジタルカメラが光をとらえる能力)を高くすることで生じる症状らしく、画像加工ソフトではこのノイズを低減する機能を搭載しているものもあります。
つまり、この粒状化スクリプトでかけられるノイズは本来デジタル写真においてその名の通り「ノイズ」となるものなのです。
ノイズ軽減とリバイバルブーム
昨今のカメラ業界では、撮影時に生じる上記のデジタルノイズをどれだけ軽減できるかが技術レースの指針となっていると思われます。つまり時代が新しくなるにつれてデジタルノイズは過去の産物となっていくと考えられます。
ではなぜ、今になって映像をあえてザラザラしたノイズで加工するのが流行っているのか。
答えは平成後期~令和になって起こったリバイバルブームと関係していると思います。
前回(https://note.com/kinumatsu_5525/n/nb98c45ddab65)紹介したVHSエフェクトにはじまり、技術革新の流れに逆行して現代にあえて昔の技術を取り入れて創作しようとするリバイバルブームがデジタルノイズにも適用されるのです。
実際『PicsArt』、『VSCO』など若者に人気の画像加工アプリにはあえてノイズや粒子をかけてザラザラにする加工があるらしく若者がデジタルノイズに対してレトロやかわいいなどのポジティブな感情を抱いてることが分かります。
少し前まで美麗な写真の邪魔になるからと省かれていたデジタルノイズが、時が経ちノスタルジーを感じる対象と昇華したということなのでしょう。
個人的おすすめ設定
話が脱線しすぎてしまったので、私が「これはエモいな」と思った設定を伝えて終わりにしたいと思います。
まずは処理法1(輝度ノイズ)の設定
ポイントは設定パラメータの「色1」を白よりの灰色にすること。
そうすることでほどよい主張のノイズになります。
続いて処理法2(カラーノイズ)の設定
処理法1は「輝度」、処理法2は「色差」でそれぞれ合成することで自然な質感になると思います。
2つのフレームバッファを同時に合成することでより自然がレトロ感を醸し出すことができます。
最後に
いかがでしたか?
自分で書いてるうちに完全に独りよがりになってしまいましたが、楽しめたり参考になったなら嬉しいです。
個人的に粒状化スクリプトはとても高いポテンシャルを秘めていると思うので、他のクリエイターの方々もぜひ活用していただきたいです。
最後に今回の記事を書くにあたり参考にしたサイトを。
それでは、良い粒状化ライフを!
僕を気に入っていただけた人は是非サポートよろしくお願いします!頂いたサポートはよりエモい物を作るための投資に充てさせていただきます。