⑵ 新規ビジネス立ち上げ 第三の創造力が必要です FAX2
① 新規ビジネス立ち上げには、第三の創造力、マーケッティングが不可欠です。 新規ビジネス立ち上げには、第三の創造力、マーケッティングが不可欠です。
30年以上前に読んだ本を思いだしました。石原慎太郎氏と共著で発刊されたことだけ覚えていました。
『「NO」といえる日本』という本の名前にたどりつきました。
早速アマゾンで探すと中古品の在庫にたどり着きました。すぐに購入し読み返しました。その内容を紹介します。
『インダストリーというのは、三種類の創造力を持たないとできない。その第一番目は、技術的な発明とか発見とか、その根本的な、そのクリエイティビティ、創造力ですが、しかし、それだけではビジネスにならない。
また、産業力にはならないわけです。
第二番目の創造力ですが、それは、新しい技術をどういうものに使うか、そして、それをどのようにして大量に、本当に使いやすいものにするかという、英語で言えばプロダクト・プランニングとプロダクションの創造力が必要なわけです。
第三番目の創造力がいるのはマーケティングです。物を売るということです。本当にいい物を作っても、それをどう使ったら、われわれの生活のためになるかというマーケティングをしなければビジネスになりません。』
この部分は共著の盛田昭夫氏((株)ソニー創始者)が書かれています。 開発されたデジタルファクシミリは先端技術のかたまりでした。その最先端技術、ドットで読むスキャナ、データ圧縮技術、電話回線を信号を通す変復調装置、それらすべてをコントロールするシステム設計、これらは米国の先端企業で開発されたものでした。
世界初のデジタルファクシミリは、第一番目と第二番目の創造力はほぼ達成できていたと考えています。
ただ、今から考えると第三番目の創造力が充分に発揮されていなかったのかと思います。 ②新規ビジネス立ち上げに必要な要件 マーケティングの教科書によると、新規ビジネスの立ち上げの要件としては、市場(顕在市場、潜在市場)、競合、新技術、価格設定、新規販路、営業教育、サービス教育などです。
筆者の43年間の実務と営業経験から、その新規ビジネスが実現できることと、納得できる価格設定なのかが最重要項目と考えています。
人間の能力の中で、機能と価格のバランスを自然と備えていると考えています。
どんなに素晴らしい新技術でも、そのバランス価格が取れていないと、全く売れないと事実が証明しました。 ③ 新規ビジネス立ち上げには、購入価格と機械ができることのバランスが一番大事な要素 部長が交代し、新しいコンサルの方が来られるようになりました。その先生は購入価格と機能、機械ができることのマーケッティング理論をお持ちでした。
当時の資料は何も残っていません。
国会図書館で調べてみました。
コトラー著作の「マーケティング・マネイジメント」の価格設定の3つの考慮事項にたどり着きました。 1) コスト 2) 競合他社 3) 消費者によって決まる 顧客が製品固有の特性をどのくらいの価格で評価するかが価格の上限値になる
コンサルの先生が出された結論だけ、なぜか覚えています。ファクシミリができるA4の原稿一枚を60秒で送る価値観は、確か130万円前後の購入価格との記憶があります。
それからしばらくして、新しい方式のファクシミリが新発売され、確か150万円ぐらいの価格設定だと記憶しています。実に新製品は、月販1000台を超えることができました。
【 新規ビジネス立ち上げのポイント 】
価格設定のコアとなる重要事項
消費者によって決まる 顧客が製品固有の特性をどのくらいの価格で評価するかが価格の上限値になる
参考文献 マーケティング・マネイジメント 原書16版 コトラー&ケラー&チェルフネ著 監訳者 恩藏直人 「NO」と言える日本 石原慎太郎 盛田昭夫 共著