みらいよちミュウツーグラードン【PJCS2019使用構築 TOP32】
こんにちは、キヌガワです。今回は6/8、9に行われたポケモンジャパンチャンピオンシップス(PJCS)2019 ゲーム部門マスターカテゴリで使用した構築を紹介します。
https://pokepast.es/634e5c9a7039f00c
こちらが今回使用した構築になります。結果は、決勝トーナメントへ進出しベスト32という形で終わりました。同じ構築を使った友達も同じくベスト32という少し惜しい結果が重なりましたが、個人的にはこの構築に対する納得度はかなり高くなっています。
1.構築経緯
5月中旬まで、僕は全国大会に向けて日食ネクロズマやソルガレオなどのトリックルーム構築を調整していました。4月のインターネット大会の結果からみて全国大会ではゼルネアスレックウザが流行ることが予想できたので、当時はそのゼルネアスレックウザに強いトリル構築を使おうと長い間調整していました。
しかし色々なトリル構築を試してみましたが、ガオガエンとグラカイの存在がきつくどれも微妙な構築ばかりでした。納得のいく構築はできなかったもののトリル構築を使って気付いたことがあります。
それは、逆に遅いガオガエンとグラードンを使えばトリル構築はなんとかなるということです。ガオガエンの猫騙しでトリルターンを簡単に稼げたり、そもそもガオガエンの技が相手のトリル要因に刺さったりと相当時間稼ぎできます。グラードンも1発で倒されることはほぼなく、トリルが切れたあとに相手を一掃できるパワーもあります。この気づきは後々大きく構築へ影響します。
⚫︎強そうなグラードン構築を発見
トリル構築を諦めかけつつ適当にレート対戦をしていたところ、強そうな構築にマッチングしました。その構築とは、
ウルトラネクロズマ(月食)
ゲンシグラードン
メガボーマンダ
スカーフカプ・テテフ
ガオガエン
ツンデツンデ の6体でした。
とりあえず速攻で6体をパクって回してみることに。
月食ネクロズマ@ウルトラネクロズマ
フォトンゲイザー/シャドーレイ/龍の波動/守る
グラードン@べにいろのたま
ボーマンダ@ボーマンダナイト
カプ・テテフ@こだわりスカーフ
サイコショック/ムーンフォース/マジカルシャイン/マジックルーム
ガオガエン@半分回復きのみ
ツンデツンデ@シュカのみ
使ってみた結果、ありえないほど勝てました。この構築から得たものは、
①マジックルームテテフとウルトラネクロズマZが想像以上に強い
②思っていたとおり、遅いガオガエンとグラードンがいれば対トリルはなんとかなる
③ネクロズマに大地の力は必須ではない
④ツンデツンデは変えても良い
⑤ボーマンダは出さない
①は大きな気付きでした。スカーフマジックルームテテフが流行りのレックゼルネ、オーガレック、グラゼルネ全てに対して強く、HDレヒレでさえも一撃のサイコフィールドウルトラネクロズマZはやはり強かったです。
②はトリル構築を使っていたときに感じていたグラガエンの対処のしずらさを、逆に使う側の立場になって確かめられました。
③も良い発見でした。普通であればガオガエンに打点のある大地の力を採用するところですが、なくても問題ないということがわかりました。むしろ無理にガオガエンを狙いにいくよりも、隣のポケモンを倒しにいってガオガエンを放置しておくほうが強いと感じました。サイコフィールドのおかげでガオガエンを回されても猫騙しの脅威はなく、仮にネクロズマを倒しにきても後発のグラードンで切り返すことができます。
④に関して、とりあえず構築をパクって適当に採用していたツンデツンデですが、最初はゼルネアス対策として機能すると考えていました。しかし実際に回してみるとテテフネクログラの3体でゼルネアスは大体解決できていたのでツンデツンデの枠は変えても良いと感じました。出せばある程度活躍はしてくれるという感じでした。
⑤に関しても同じく適当に採用していたボーマンダですが、このポケモンには全く役割がありませんでした。見た目が良くなる。以上。
⚫︎構築の改善
強い点が多い一方で問題点もいくつかありました。
①一番パワーのある選出テテフネクログラガエンに素早さ操作がない
②光の壁レヒレが多い
③対ルナアーラが怪しい
④対イベルタルが無理
⑤対グラードンが怪しい
⑥対月食ネクロが同速勝負
今の時点で構築の決定している部分をまとめると、
月食ネクロズマ@ウルトラネクロズマZ
フォトンゲイザー/シャドーレイ/守る
グラードン@べにいろのたま
断崖のつるぎ/守る
カプ・テテフ@こだわりスカーフ
マジックルーム
ガオガエン 遅い
猫騙し/とんぼがえり
残りの2体は決まっていない状態で、技構成は色々変える余地があります。グラードンが物理な理由はガオガエンを1発で倒せるかどうかで判断しました。
今更ながら日食ネクロズマではなく月食である理由を説明すると、シャドーレイの強さにあります。ゼルネアスレックウザが多いと予想される全国大会に日食ネクロズマ構築を持ってくる人が何人かいると考えていたので、そこに刺さるシャドーレイは環境の一歩先を行っていて強さを感じました。先述した大地の力が必須ではないというのも、シャドーレイがあるおかげでもあります。(鋼タイプにはシャドーレイで打点がある)
ここから問題点を解決していきます。
①に関して、原型の構築ではボーマンダとツンデツンデに素早さ操作技がありましたが、個人的には他4体の選出のほうが基本的には強くて安定性があると感じていました。その結果一番強いと思う選出に素早さ操作がなくなってしまいました。一応対トリルはグラガエン、それ以外はウルネクとスカーフテテフで上から攻撃できるので問題ないといえばないですが、できればなんとかしたいと考えていました。
②は一番の課題でした。ウルトラネクロズマが増え始めていたこともあって光の壁を入れたカプ・レヒレも同時に増え始めていました。2ターン目以降にしかZ技を使えないので初手に壁を張られて、その後凍える風を連打されると厳しい展開になります。カプ・レヒレはどのパーティにも入っているポケモンなのでこの問題は基本選出の中で解決する必要があります。そこで思いついたのがガオガエンのよこどりです。
よこどり
相手が使おうとした、能力ランクを変化させる技や回復系の技の効果を奪い、自分にかける。(優先度+4)
よこどりは光の壁を盗むことができます。初手のガオガエンカプ・レヒレに対してウルネクになりながら守る+よこどりでほとんど裏目はありません。優先度+4なので遅いガオガエンでも相手の猫騙しより早く技を使うことができます。
さらによこどりは追い風を盗むこともできます。①の基本選出に素早さ操作がない問題点もよこどりの採用によって同時に解決することができました。
③④⑤⑥のルナアーラ、イベルタル、グラードン、月食ネクロズマが重い問題ですが、これは残りの2体で解決していくことにしました。
この中で一番解決しやすいのは⑤対グラードン問題です。単純に地面の一貫が厳しかったので浮いてるポケモンで構築に噛み合うポケモンを探しました。そこで見つけたのがメガリザードンYです。
最速リザードン@リザードナイトY
ねっぷう/オーバーヒート/追い風/守る
リザードンであればグラードンゼルネアスに圧倒的に強く、熱風で相手をゴリゴリに削っていくことができます。さらにルナアーラに対してもリザードンガオガエンの初手で熱風横取りから入ることでだいぶ有利に立ち回ることができます。
リザードンはかなり構築に噛み合うポケモンではありましたが、解決できる問題が2つしかなかったので他のポケモンを引き続き探すことにしました。そこで見つけたのがメガプテラです。
プテラ@プテラナイト
岩雪崩/噛み砕く/追い風/ワイドガード
噛み砕くプテラであればリザードンと同じようにルナアーラに出すことができて、さらにイベルタルにも打点があります。ワイドガードによってグラードンミラーへの強さが増し、若干重かった凍える風も防ぐことができます。対月食ネクロミラーとしても役割があり、③④⑤⑥全ての問題を解決してくれました。
こうして5体が決まりました。
月食ネクロズマ@ウルトラネクロズマZ
フォトンゲイザー/シャドーレイ/守る
グラードン@べにいろのたま
断崖のつるぎ/守る
カプ・テテフ@こだわりスカーフ
マジックルーム
ガオガエン 遅い
猫騙し/とんぼがえり/よこどり
プテラ@プテラナイト
岩雪崩/噛み砕く/ワイドガード/追い風
⚫︎6体目の模索
すでに決まっている5体で全てを解決できたわけではなく、まだ問題点は残っていました。
①イベルタルゲンガーオーガにネクロズマを出しにいく
②相手のテテフの処理が難しい
③ミラーへの対策が不十分
イベルタル対策としてプテラを入れましたが、イベルタルの周りのポケモンまで考慮するとまだ構築相性は不利でした。その原因はネクロズマが全然動けないことにありました。イベルタルゲンガーから常に縛られているせいで活躍できる場面がほぼありませんでした。ここで思いついた対策はネクロズマを出さない選出を考えることです。
ネクロズマを出さない場合、グラードンを活かせる選出にしなければなりません。そうなるとグラードンと一番噛み合っているのはトリックルームと考えました。トリックルームを覚えて、イベルタルゲンガーから倒されないポケモンで探すとツンデツンデが見つかりました。
ツンデツンデ@シュカのみ
ジャイロボール/トリックルーム
原型の構築にも入っていたツンデツンデですが、その時はゼルネアス対策としてのツンデツンデだと考えていたのであまり必要性を感じていませんでした。しかし今回はネクロズマを出さないときの別選出の駒として考えるととても納得がいきました。加えて、ツンデツンデはテテフ絡みの構築にも強くて、シュカのみを持たせることでウルネクからも1発で倒されることがなく②③の問題もある程度解決してくれました。全国大会の決勝トーナメントがBO3であることを考えても別選出があることはとても噛み合っています。こうして6体が決定しました。
月食ネクロズマ@ウルトラネクロズマZ
フォトンゲイザー/シャドーレイ/守る
グラードン@べにいろのたま
断崖のつるぎ/守る
カプ・テテフ@こだわりスカーフ
マジックルーム
ガオガエン 遅い
猫騙し/とんぼがえり/よこどり
プテラ@プテラナイト
岩雪崩/噛み砕く/ワイドガード/追い風
ツンデツンデ@シュカのみ
ジャイロボール/トリックルーム
⚫︎バイバイウルネク
後は微調整を加えていくだけと思っていましたが、やはり月食ネクロミラーが同速勝負になってしまう部分がありました。おそらく本番で当たることはほぼないのでこのままでも良かったのですが一応考えてみることにしました。
解決策が全く思いつかなかったのでとりあえず種族値順にポケモンを見ていくことに。780族のメガミュウツーがまず最初に目に入りました。「名探偵ピカチュウ おもろかったな〜」と思いつつ次のポケモンに移ろうとしましたが、
「え、待て待て待て。」
「冷静に考えてミュウツー最強やん!」
「ウルネク意味ないや〜ん。」となってしまいました。
ミュウツー@エスパーZ
サイコブレイク(Z技:威力180)/シャドーボール/まもる
・素早さ130族で問題のウルネクミラーを解決できる
・1ターン目からサイコブレイクZで相手を破壊できる(レヒレに壁を張られない)
・メガミュウツーYの可能性もあり、特性ふみん偽装ができる(催眠技は無対策だったので地味に嬉しい)
一生ニヤけながらダメージ計算をしてみた結果、HDに厚く振ったレヒレへのダメージが超怪しいラインであることが発覚しました。
ミュウツー意味ないやんとキレながら最後の希望を託し、サイコブレイクを上回る技を探しました。
みらいよち 威力120(Z技:威力190)
2ターン後に攻撃する。交代した場合は同じ位置にいるポケモンに攻撃する。タイプ相性の影響を受ける。守る貫通。
見つけてしまいました。最強の技を。
みらいよちZであればHDに超厚いレヒレでもかなり良い確率で倒すことができます。
少し関係ない話ですが、みらいよちは去年の勝気ゴチルゼルに入れようか悩んでたことがあるくらい僕の中では信用可能な技でした。Z技として使うだけでなく、守る貫通のみらいよちは残しておくだけで強い場面が多いです。当時はゲンガーブルルジャラランガを破壊するためにみらいよちの採用を検討していました。
こうして突然伝説の変更が発生しました。
ミュウツー@エスパーZ
サイコブレイク/みらいよち/シャドーボール/守る
グラードン@べにいろのたま
断崖のつるぎ/守る
カプ・テテフ@こだわりスカーフ
マジックルーム
ガオガエン 遅い
猫騙し/とんぼがえり/よこどり
プテラ@プテラナイト
岩雪崩/噛み砕く/ワイドガード/追い風
ツンデツンデ@シュカのみ
ジャイロボール/トリックルーム
後は技と持ち物、配分を決めて完成です。
2.個別解説
ミュウツー@エスパーZ
サイコブレイク/みらいよち/シャドーボール/守る
182(4)-×-110-206(252)-110-200(252)
ウルトラネクロズマと使い勝手は大体同じなので、ガオガエンへの打点は気にせずはどうだんではなくシャドーボールを採用。
グラードン@べにいろのたま
断崖の剣/炎のパンチ/吠える/守る
195(156)-221(4)-181(4)-×-141(244)-123(100) ゲンシカイキ
炎のパンチと吠えるの枠は最後まで悩みましたが、一番勝率が上がりそうな技を選択しました。炎のパンチは命中安定を取りたいときにやはり必要で、あれば役に立ちます。吠えるはゼルネアス対策をより厚くでき、トリックルーム対策にもなります。一応水浸しヌケニン対策でもあります。地団駄か大地の力がないと相手のワイドガード+グラードンが厳しく見えますが、ガオガエンの横取りでワイドガードをパクることができます。Sは追い風下でスカーフルナアーラ抜き。H-Dは適当。
カプ・テテフ@こだわりスカーフ
サイコキネシス/ムーンフォース/マジカルシャイン/マジックルーム
157(92)-×-117(172)-176(76)-136(4)-136(164)
サイコショックかサイコキネシスの選択については、ミュウツーのサイコブレイクでは相手のグラードンに対して不安があったのでサイコキネシスを選択。ムーンフォースは対レックウザにおいてほしい場面が多いので採用。マジカルシャインはルナアーラのファントムガードやドーブルのタスキなどを削るときに単体技で集中するのはリスクを伴うので採用。H-BはA232のガリョウテンセイ耐え。
ガオガエン@イアのみ
フレアドライブ/蜻蛉返り/横取り/猫騙し
202(252)-135-111(4)-×-156(252)-71
蜻蛉帰りは天候の取り合いにおいて切れない技なので迷わず採用。フレアドライブと悪技の選択については、イベルタルとゼルネアスを意識してフレアドライブを選択。テテフのムンフォ+ウルネクの大地を気合いで耐えてもらうためにHD全振り。Sは最遅ドーブル-1。
プテラ@プテラナイト
岩雪崩/噛み砕く/ワイドガード/追い風
161(44)-165(196)-86(4)-×-97(12)-182(252) メガ前
161-198-106-×-117-202 メガ後
配分はなんか耐えるやろう読みのHPちょい振り。マジで忘れました。確かガオガエンの猫+テテフの攻撃を耐える調整やった気もします。
ツンデツンデ@シュカのみ
ジャイロボール/スキルスワップ/ワイドガード/トリックルーム
168(252)-167(4)-231-×-153(252)-16
ツンデツンデはイベルタルゲンガーオーガに出す想定だったので、スキルスワップが必要でした。天候を取るだけでなく、ビーストブーストをグラードンに渡すだけで十分強かったです。ジャイロボールがあれば岩技はそこまで必要に感じなかったので残りの一枠はワイドガードを選択。配分は適当。
3.最後に
今回の構築は色々遠回りをしてできました。みらいよちを採用する勇気があったのも去年にみらいよちの考察していたからだと思っています。構築作りは知識の積み重ねだと前から思っていたので、今回はそれを改めて実感しました。次も世界大会に向けてカスみたいな構築を量産して、最終的には強い構築ができたらいいなと思っています。
選出や立ち回りについては今回触れていませんが、対戦動画をYouTubeに投稿していく予定なのでそこで見てもらえたらなと思います。最後まで読んで頂きありがとうございました。