やりたいことをやるためにフリーランスや起業をするべきという意見への疑問
前回、フリーランスや起業という選択肢が本当に自由な生き方なの?ということを書いてましたが、
やりたいことを見つけてフリーや起業するべきという意見もネットでしばしば見かけるので、それに対して私見を書きます。
まず疑問なのが、
なぜ会社員ではやりたいことができないのでしょうか。
やりたいことが既存の会社でやっていなくて、
かつ会社内の新規事業として立ち上げるより、自分で新しい会社を起こした方がメリットがある場合に起業という方法を取ればよいと私は考えています。
起業自体は手段であって、どんな事業をやるかが一番重要だと考えるからです。
大企業で働くメリットは、大規模な事業に携わることができることだと思います。
起業ではやはり小規模な事業もしくは、大規模な事業のごく一角(下請け)を担うことになると思います。
自分のやりたいことがもし大規模なことがやりたいのなら、それは大企業に入るべきです。
やりたいことを具体化する前から、起業という手段がクローズアップされがちなことに違和感があるのです。
やりたいことって、もっと広く考えてみてもいいんじゃないかなって思うんですよね。
私自身、大規模基幹システムの開発をユーザー企業様直で経験させていただけたのは、大企業だったからです。
確かに、大企業じゃなくても「大規模基幹システム開発を受注」とうたっている企業は多いですが、それらは大企業の二次請けです。
二次請けを事業として否定しているつもりはありませんが、二次請け企業でできることと起業でできることのちがいはそれほど大きくないと思いますね。
大企業の社員であるからこそ、大事業の全体像が見え、大事業を動かしていくことが可能になると思います。
確かに、それは容易ではありません。
大企業ではやらない、もしくはできないということに対して厳しく咎められることは少なく待遇も保証されているのに対して、
やりたいと手をあげるものには厳しく(出る杭は打たれる)、
失敗でもしようものなら袋叩きにあいます。
そのため、チャレンジ精神が育たず、ミスを恐れて受動的な社員が出来上がりやすい傾向があるでしょう。
だからといって、大企業ではチャレンジできないと思わずに、チャレンジしてみたらいいと思います。
起業と天秤にかけるくらいなのだから、
失敗したら辞めればいい。
起業とちがって自分の懐が痛む訳じゃないです。ただ利害関係者が多いので、メンタルは相当痛みますが。(失敗をなじられる)
大企業で社員という立場で大事業に参画しているだけでは、かえって自分のやっていることがその事業のどこにあたるかも分からず、やりがいを見いだすこともできないこともあります。
ですが、大企業で漫然と働いてやりがいを見いだせない人は、起業しても自分の事業をクリアに描くことはできないと思います。
大企業=やりがいがない、チャレンジできない、
起業=やりがいがある、チャレンジできる
という図式ではなく、
あくまでもやりたいことの中身で選ぶべきだと思いますね。