取っ手が取れたもの
急須やマグカップ等の取っ手のお直しには、2種類のパターンがあります。
①接着後、漆を塗り重ね、割れ目に金や銀を入れる場合。
②接着後、麻布や和紙を巻きつけて補強してから、漆を塗り重ねて、補強部分全体に金や銀を入れる場合。
①は割れ目に金や銀を入れる通常の「割れ」のお直しと同じ仕上がりになります。
ただ、取っ手は持ち手なので、負担がかかりやすい部分です。
漆は丈夫な素材とはいえ、使っているうちにまた壊れないという保証ができません。そのため、取っ手に負担のかからないように注意する必要があります。
②は接着後の取っ手に麻布や和紙を巻きつけ、漆で固めて補強するので、気にせずに取っ手を持ち手として使うことができます。ただ、補強部分に漆が入るので「割れ目に細く金を入れたい」等のご希望には添えられません。また、料金も通常の「割れ」のお直しより3〜5割増のお値段になります。
それぞれにメリット、デメリットがありますが、わたしは基本的に取っ手が取れた方には②をおすすめしています。特に接着面の小さな細い取っ手や、取っ手が複数に割れてしまっている場合は、補強しないとちょっとしたことでまた壊れてしまう可能性もあります。
①の方法でお直しして、観賞用にするというのもアリですが、「直したい!」と思えるくらい大切なもの。
通常よりもお金がかかりますが、直した後もぜひお使いいただきたいです。
ご理解の程、よろしくお願いいたします。