スランプという妄想
よく「最近仕事どう?」なんて聞いたときに「いまスランプなんだよね~」という言葉を耳にすることがあるけど、ちょっと言いたい。
スランプって、ただの思い込みじゃないだろうか。
普段はこれくらいできるはずなのにできない、ということは誰にだってあるけど、そこで「スランプだ」と言ってしまうことで自分を納得させて片づけてしまっていないか。
ある種、自己嫌悪に陥らないための予防線でもあるのかもしれないけれど、「スランプだー」という言葉で片づけるのはどうしても軽率な気がしてくる。
スランプの正体とはつまり、自己分析ができていない状態のことだ。
普段ならこれくらい簡単に終わる。だけどいまは終わらない。そんな状況に陥ったときに考えなければいけないのは、「いまスランプに陥っているのかどうか」ではなく、「なぜいまできないのか?」の問いだ。そこに向き合わなければ一向に抜け出せない。
時間が経って抜け出すことができたとしても、また “スランプ” に陥ったときに時間が経つのを待つ以外に対処法がなくなってしまう。時間は刻々と過ぎていく。締め切りも過ぎていく。。。
調子が上がらないときに「スランプ」という言葉が浮かんだら、一度止まって自分を見つめてみたい。最近のスケジュール感はどうか? 生活リズムに無理はないか? 何かメンタルを圧迫されるような過度なストレスがかかったことはなかったか? 仕事が多すぎではないか?......
そんな自己分析を繰り返していくうちに、だんだんと霧が晴れていく。そこでようやく “スランプ” の温床を見破ることができるのではないか。
風邪や病気と違って、うまくいかないことには人それぞれに理由が違うから対処法も違う。自分で自分を見つめなおしてみるほかに、的確な対処法はないんじゃないかと思う。そこで思いもよらなかった自分の一面が見つかるかもしれない。
コトがうまく進行しない。だけど理由がわからないからどうしようもないこの状況を納得させたい。そんなときの呪文が「スランプ!!」なのだ。
実は僕も最近そんな状況に陥っていた。仕事が逼迫しており、いろいろなスケジュールを断りつつ仕事を進めていることで人と接しなくなっている。それで結局、心に不安が大きくなり焦りが生じ、書くこと自体に、ある種の恐怖心を抱えてしまっていた。それも自己内省をしてなんとかやっとわかってきたことだった。
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自己分析の仕方はただ一人で悶々と沈思することだけじゃない。人と話してハッとする、外に吐き出してわかることもある。ここでは結局、どんな方法を取ろうが「何が自分を追いつめているのか」を把握することが大切。
台風や大雨大風の続くこの季節、鬱屈としてしまう気持ちをどうにかポジティブに能動的に突破していきたい。(......と、イイことを言っているフリをしながら季節や天候のせいにしていたりする)
環境がどうあれ、どこまでも攻めの姿勢で停滞を打破していきましょう、というお話でした。
ライター 金藤良秀(かねふじ よしひで)
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