傲慢さと謙虚さを行き来しながら
文章の発信は、少なからず人の目を気にしてしまうものだと思う。
自分の言葉に「こんな意見がくるかもしれない」と、批判や反論の的にならないか気にしてしまい、書いたまま一発で、思ったままとはいかない人が多いのではないだろうか。
とはいえ、どのような意見・考えにも、批判や反論はつきものとして、寧ろ批判的な世間と戦う、また同時に学ぶ姿勢でいるほうがいい。
思いや意見を「どうだ、来い」と頑とした堂々たる姿勢で発信しつつも、人の目を気にしてこそ、読みやすく推敲し、反論を想像し、一歩引いて他人の目になる。そうする思索と考察が入る。それが寧ろ、醍醐味ともいえるのではないかとも思う。
醍醐味を楽しみながら、人の目線を無視した傲慢さと、自意識を引かせて他人目線を尊重した謙虚さを行き来することが、人に読まれる文章を書くうえでの最低限のマナーでもある気がする。
ライター 金藤 良秀(かねふじ よしひで)
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