37歳俳優のリアルな悩み
俳優として悩んでいることがあります。
あまり共感を得られない悩みかもしれません。
でも、わたしがリアルに抱えている悩みです。
別に積極的に誰かアドバイスをくれぃとか思っているわけじゃないです。
わたしのnoteなので打ち明けてみます。
「何者かになりつつあるわたし」と「まだ何者でもないわたし」の間で悩んでいます。
前回、わたしなりに自分の略歴を振り返ってみました。自分の主観は置いておいて、ある人から見れば、
「キャラメルボックスで主演をやるなんて凄いね」
とか
「自分で企画公演とか独り芝居やるなんて凄いね」
とか、そもそも
「東京で役者をやり続けてお金をもらえるなんて凄いね」
とか、思う人は思ってくれると思うんです。
東京で17年間プロとして役者をやってきて、近くにいた方、見続けてくれている方は、わたしのなにがしかを評価してくれていると思うのです。
評価と実績は、自信に繋がります。
そんな自信が、良くも悪くもわたしを形作っていきます。
そして、仕事の考え方や受け方を、考えるようになるのです。
一方で、
「キャラメルボックス?聞いたことないな」
とか
「多田直人?知らない。テレビにでたことある?」
とか
わたしより収入が上の同世代なんて山ほどいるぞ
とか思ったりして、自分の実績や評価なんて、まだまだであることも分かっているつもりです。
うん。
30代後半になって、仕事はある程度選ぶべきという考えがむくむくと湧いてきました。それは自分が幸せになるための手段としての演劇であるという考え方からです。
それから、なんでもかんでも受けていると、
「え、多田さんがこんなお芝居に出ちゃうの」
って、評価してくれた人をガッカリさせてしまうパターンがあります。
あまりにも安いギャラや、小劇場ばかりだと、俳優としてのスケールがそこに留まってしまう、という考えもあります。
それとは裏腹に、てめぇの実績や考え方なんて知らねんだよ、なに偉そうに仕事選んでんだよ、なんでもいいからとにかく出まくれ、という考えもあるのです。
37歳、17年間のキャリアで得たものは、正直まだ深く根を張るほどのものではなく、いまだにぐらつき、わたしを迷わせ、悩ませるのです。
今までの経験に深く感謝しつつも、実に中途半端なところに居ると、自分で思っているのです。
少なくとも何も知らない、実績も評価も無い20代の頃はこんなことで悩みませんでした。
要するに、信念の持ちどころと捨てどころが分からずにいるのです。
この迷いは一生続くのかもしれません。
またはあるとき、どこかで吹っ切れるのかもしれません。
だけど、大河ドラマの主役をやることができれば、解決しそうな悩みです。
読者の方には共感しにくい悩みだと思います。
この悩みに付き合いながら、いちいち考え方を変えながら、これからも役者を続けていくと思います。