LEGENDSアルセウス考察 古代の「シンオウさま」とは?

レジェンズアルセウスには様々な考察要素が登場したが、その中でも一際目を引くのが「ふるいポエム」だ。

古代のヒスイ地方については、「ふるいポエム」を見なければ分からないことが多い。

そこで、「ふるいポエム」の中でも古代のヒスイに関するものを抜粋して解説したいと思う。まず取り上げるのが「ふるいポエム3」


ふるいポエム3

爪も牙も持たぬ
人はあまりにも弱く
ポケモンに勝てなかった
ある日いかづちはポケモンをうった
その数は10となった
いかづちにうたれたポケモンたちは
弱き人の力となった
いかづちはシンオウさまのやさしき思いであろうか


ストーリー中もそうだが、古代の頃も人はポケモンより弱い存在だった。

そこに、いかづちにうたれた10のポケモンが弱き人の力となった。

この10匹のポケモンはキング・クイーンやライドポケモンの先祖だ。



ふるいポエム4

古代の英雄に付き従った
10のポケモン
子々孫々 その役目を受け継ぐ
ポケモンの労に報いるため
人 戦場に器を用意し
採れたての好物
きれいな水をそなえ
おおいに感謝したという


古代の英雄はストーリー中も何回か話が出てきたが、10のポケモンを付き従えていたことが分かる。

他に古代の英雄が登場するポエムを見てみよう。


ふるいポエム20

それは太陽であった
太陽はお隠れになり
みなは嘆き悲しんだ
多くの者が太陽を追い求め
この地を去った
この地に暮らすのは
ポケモンだけとなった


太陽が古代の英雄のことを指している。

高貴な身分の人がお亡くりになることの隠語なので、古代の英雄が亡くなったことで人々がヒスイから去っていったことが分かる。

ヒスイから去った人々については次のポエムに記されている。


ふるいポエム1

ふたりのものがいた
ひとりは流れる時をみた
ひとりは広がる世界をみた
ふたりはさらなる未来
そして世界の果てを求め
それぞれの道を往くことにした
シンオウさまと共に


流れる時と広がる世界とは時間と空間、つまりディアルガとパルキアを「シンオウさま」として信仰する二人がヒスイから旅立つ場面が描かれている。

この二人が開祖として創った組織がコンゴウ団とシンジュ団だ。


ふるいポエム5

昔も昔 カミナギという町があった
いつしか人は消え 町の名も消えた
時がたち シンオウさまをあがめ
海を渡ってくるものがいた
それぞれ異なった
シンオウさまをあがめていた
いさかいが起きた
争いも起こった
おのれの正当性を示すため
どちらもカミナギの民と称した
町の名はよみがえった
だがあのときの心はよみがえらない

コンゴウ団とシンジュ団がヒスイ地方に帰って来てからのことが記されている。

カミナギの民は初めて出てくる言葉だが、天冠の山麓にカミナギの地名が残っているので、その周辺に住んでいた「シンオウさま」を信仰する集団がカミナギの民と考えていいだろう。

コンゴウ団とシンジュ団は、どちらのシンオウさまが真のシンオウさまかを巡って争っていたので、古代に「シンオウさま」を信仰していたカミナギの民を自称したことが分かる。

ここで、コンゴウ団とシンジュ団、それぞれのテントに飾られている肖像画を見て欲しい。

コンゴウ

シンジュ

左の人物が共通することが分かる。

カミナギの民を自称しているからにはこの人物も「シンオウさま」と関わりがある人物のはずだ。

ここで思い出して欲しいのだが、ふるいポエム3では、いかづちを「シンオウさま」のやさしさと呼んでいた。

とすれば、いかづちにうたれた10のポケモンを従えていた古代の英雄も「シンオウさま」の加護を得た人物であり、肖像画は古代の英雄のものと考えられる。

また、この人物はBWのチャンピオンであるアデクと容姿が似ているため、アデクの先祖と考えられる。

アデクの切り札であるウルガモスは太陽の化身と考えられていて、「ふるいポエム20」で古代の英雄が太陽と呼ばれていた点も一致する。

また、その右の肖像画は「ふるいポエム5」に出てくる開祖の人物だろうが、アオギリとマツブサに似ている。

コンゴウ団とシンジュ団のように、マツブサ率いるマグマ団とアオギリ率いるアクア団も対立していたので、マツブサとアオギリの先祖がコンゴウ団とシンジュ団の開祖なのだろう。


ここまで古代のヒスイの歴史を見てきたが、一つ疑問がある。

それは、古代の「シンオウさま」とは何だろうか?

「シンオウさま」という呼び方からは、一見アルセウスを指していているように思える。

だが、「ふるいポエム3」で古代の「シンオウさま」はいかづちを落とした。

LEGENDSアルセウスではプレートにも文章が追加されたが、その中でも「もののけプレート」と「いかずちプレート」の文章を見て欲しい。

もののけプレート
そのものの あらぶる ぶんしん せかいの うらがわを あたえられる

いかずちプレート
あらぶる ぶんしん いかりの かみなりを はなつ

ギラティナは「あらぶるぶんしん」であり「やぶれたせかい」を与えられたこと、「あらぶるぶんしん」であるギラティナが「いかりのかみなり」を放ったことが分かる。

つまり、いかづちはギラティナによるもので、古代の「シンオウさま」はギラティナということになる。

また、次のポエムを見て欲しい。

ふるいポエム10

英雄と呼ばれるものがいた
10のポケモンを従え
深奥に挑んだ
それは人の強さを示す
戦いであった
深奥は人の強さを認め
どこでもない世界に戻られた

これは古代の英雄の話だが、主人公がギラティナを退け、ギラティナが「やぶれたせかい」に帰っていった場面に似ているように思える。

となると、古代の英雄が挑んだ深奥というのも実はギラティナなのではないだろうか?


だが、そうなると別の疑問が思い浮かぶ。

古代にいかづちにうたれたポケモンは弱い人を守ったのに、ストーリー中でいかづちにうたれたキング・クイーンは何故暴走したんだろうか?

これについては、ウォロがギラティナからプレートを渡されたことを思い出して欲しい。

ストーリーではキング・クイーンやライドポケモンは主人公を認めてプレートを渡していた。

となると、ギラティナは古代シンオウ人の子孫であるウォロを認めてプレートを渡し、ウォロに付き従っていると予想できる。

古代の英雄もギラティナに認められていたはずだが、ギラティナだけでなく、いかづちにうたれた10のポケモンも古代の英雄に付き従っていた。

つまり、いかづちにうたれたポケモンはギラティナに認められた人物、ストーリーで言うとウォロに従っていることになる。

古代の英雄が人を守ろうとしたのに対して、ウォロはアルセウスをおびき寄せるためにキング・クイーンを暴走させた。

このような違いがあったため、いかづちにうたれたポケモンの行動にも差が生まれたのだろう。


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