Notアイドルなオススメ韓国アーティスト<HIPHOP・R&B編>

今回のテーマは「アイドル以外のイチオシ韓国アーティスト」。

職業上「オススメの韓国アーティストは?」というのをよく聞かれるものの、仕事となるとつい会話の文脈を読んでK-POPアイドルを挙げることが多くなる。しかし!今は冬休み、完全仕事モードオフ。個人的かつ純粋に好きでPUSHしたいアーティストを「HIPHOP・R&B系」と「ロック系」の2回に分けて取り上げてみようと思う。

前編は「HIPHOP・R&B系」。ここ2年ぐらい日本でも「韓国のHIPHOPアツいね」という言葉を聞くようになった。しかも大半はK-POPとか興味ない男性たち、かつ音楽好きな方から。アイドルとは別ルートでじわじわと浸透して来ているのかな?と勢いを感じつつ「SHOW ME THE MONEY」(日本でいうフリースタイルダンジョン的な番組)を流し見していた私。どちらかというとメロディアスな歌モノ好きなんだよな〜ってことで、若干R&Bに偏ってますがご勘弁いただきたい。ペコっ。

①Coogie <クギ 쿠기>
コレ聞く人におすすめ→Drake、チャンス・ザ・ラッパー、KOHH、KREVA

「ついこの前まで就活をしていた平凡な大学生だった」というキャリア1年半の超新人ラッパー。喋ると初々しいのにマイクを持つと堂々として声もオトナの渋みアリ。「SHOW ME THE MONEY 777」で注目を浴びたシンデレラボーイ、クギ(日本語だとクーギーなのか!?)の新曲が、かなり心地よくて中毒リピート中。ただし曲名はなぜか「Justin Bieber」。あのジャスティン・ビーバーですよ、タトゥー面積拡大中な彼。歌詞にはほぼ出てこないけれど”ポップスターの象徴”として歌われていおり(本人談)思わず二度見するタイトルだけれど、クギ君の太いのに甘い声と、歌うようなラップがクセになる。そして特筆すべきはMVの2:35、音源だと2:20から入るゲストボーカル!ずるいぞ、こんな最終兵器仕込むなんてさ…ぐぅ。

「Justin Bieber」 (Feat. Jay Park)

ね、ヤバくないですか。昇天しませんか。Jay Parkの声。ゴリゴリHIPHOPが苦手な人にもお勧めしたい1曲。

ディグる用ワード(歌手名+コピペ)→EMO#1、빌어먹을 인연、SHOW ME THE MONEY 777

②Jay Park<ジェイ・パーク、パク・ジェボム 박재범 >
コレ聞く人におすすめ→ブルーノ・マーズ、クレイグ・デイヴィッド、マイケル・ジャクソン、清水翔太、三浦大知

この流れで次に来るのは必然的にJay Park。アメリカで生まれ育ち、韓国名はパク・ジェボム。ルックスはどことなくKOHH似。ダンスも歌唱力もラップも曲を書くセンスもズバ抜けていて、G-DRAGONぐらい大々的に評価されても良いのになって思ったりする才能の塊。幼少期から肌で吸収して来たアメリカ本場のHIPHOPやR&Bを「真似」ではなく「自分のもの」として表現できちゃう天才。歌詞も英語と韓国語するっと混ぜ込むの上手すぎかよ!ってなる(デビュー時の宇多田ヒカルに感じた感動に近い)。

ってここまで御託を並べておきながら、彼の最大の武器はどこまでも伸びる甘美な声に尽きる。しかも何歌わせてもウマいしムードつくっちゃうのも見事。「困った時のfeat.Jay Park」っていうぐらいあらゆるアーティストに引っ張りだこなのもホント納得。

「All I Wanna Do 」(feat. Hoody & Loco)

「Joah」5年前のヒット曲。雰囲気はかつての清水翔太っぽさあり

実は遥か昔、2PMの元リーダーだった(諸問題で脱退)というのも興味深い経歴。彼がもしグループに残っていたら2PMはBTSより先にアメリカ進出してただろうな、K-POPアイドルの勢力図も変わっていたのかな…と思いつつ、やっぱりジェボムは独自路線で爆発してくれてよかったのだ。←ぐるぐる考えてここに落ち着く。

ディグる用ワード→feat.Jay Park、Million、Count On Me 、Nothin’ On You

③Zion.T(ザイオンティー 자이언티)
コレ聞く人におすすめ→USHER、クレイグ・デイヴィッド、Nulbarich

今年のサマソニで来日した時の謳い文句は”韓国のUSHER”(え、初耳)。アイドルではないのにオーバーグラウンドでちゃんと売れている、ポップスターとして大舞台に出られているというのは韓国においてはすごいこと。彼もJay Parkに続き、近年の韓国HIPHOP・R&Bを語る上で外せない人物であることは間違いない。大きな違いがあるとするとアメリカ直輸入の王道を突っ走るJay Parkに対しZion.Tは日本のNulbarich、D.A.Nのようなアジアの新世代ミクスチャー寄り。そして声もZion.Tのほうが個性的。ゆえに好き嫌いもあるでしょう、きっと。好みにハマりさえすればクセになって抜け出せない系。何より他アーティストとのコラボものがいつも当たる不思議。韓国のHIPHOPの原点を作ったとも言えるDynamic Duo、ヒットメーカーPrimary、人気アイドルに至るまで見事な融合術で”科学反応”起こしている。

「楊花大橋」2014〜15年のロングヒット曲。意外にも家族愛の歌。

「No make up」大先輩Dynamic Duoゲコとのコラボソングも色っぽくて◎

大御所アーティストからラブコールを受けるのも、きっと個性あふれる声ゆえ。ちょっと気になるのは大手事務所に移籍してから少し勢いが落ち着…ゲフンゲフン!!2019年の活躍に期待。

ディグる用ワード→Hello Tutorial、물음표、SNOW feat.이문세、Babay

④Crush<クラッシュ 크러쉬>
コレ聞く人におすすめ→THE WEEKND、ジャスティン・ティンバーレイク、清水翔太

Zion.Tとのコラボ曲「Just」でブレイクした1992年生まれのR&Bシンガー。最近ずっとコンスタントに新曲リリースしていて「良い波に乗ってる」状態。誰もが聴きやすいであろう、シンプル無添加の美声。ブラックミュージックが大好きな父親の影響でスティービー・ワンダーやマイケル・ジャクソンを聴いて育ったらしいけれど、良い意味でちゃんとK-POPの枠にも右足つっこんでるからこそ売れてるんだろうという感想。曲は全体的にちょっとセンチメンタルでロマンチックで、時に年相応のやんちゃさも感じられる。

「Outside」冒頭に出てくる愛犬「豆乳くん」が可愛いし、夏が恋しくなる

「Sofa」少し前のヒット曲。韓国ならではの湿度高めバラード。

なお、Crushが気になった方は同世代で一緒に曲も出している好敵手DEAN(ディーン)もおすすめ。あ、DEENじゃないのでご注意を。←特に30歳以上のオトナたち

ディグる用ワード→Cereal、그냥、Bittersweet


独断と偏見でこの4名をピックアップ。きっと詳しい人が見たら「ベテランも良いのに」「もっとラッパーいるやろ」とのご指摘いただきそうですが…かっこいい人多すぎるんよ無理(汗)というわけで選考基準は「単に私の好み」「大衆ウケ要素あり」「アラサー以下の若手」といったところ。

よく韓国人は「東洋のイタリア人(情熱的)」と言われるものの、音楽でいうと「東洋のアフリカン」だと勝手に思っている。身体能力とリズム感と歌唱力…持って生まれた何かがあるわ、多分。



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