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機能不全おじさんジャーナル

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おじさんのフィールドワークの記録と事件簿
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#人生哲学

やまゆり園事件 空っぽの器と自己救済

 よく宇宙の壮大さに比べれば個人の問題なんてちっぽけなものだ、という慰めの言葉をよく聞く。確かに物質的な比較をすればちっぽけなものだし、宇宙と比べれば吹けば飛ぶ程に些細なものだ。そして何より、それらは大体において時間の経過と共に風化していく。
 しかし、その事実があったとしても今目の前にある問題というのは確固として存在しており、簡単に吹き飛ばせるようなものではない。だからこそ人は打ちのめされるのだ

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焼酎の聖水割りとMくんの思い出 彼から学んだ事

 私が以前勤めていた職場にMくんという私よりも3つか4つ程年上の男性が居た。
 彼は職場では結構めちゃくちゃなキャラクターで、忘年会の場で「無礼講」と聞くやいなや職制のスピーチに対し「黙れハゲ!」とやじを飛ばしたり、会社でバイクのマフラーを交換しようと休憩中に職場の工具を用いて交換したかと思えば購入していたのはただのマフラーカバーで、実質直管のサウンドを工場に響かせてみたり、ある日の昼休憩には職場

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やっさんとの思い出

 高校を卒業して18歳で社会に出た。両親の教育方針もあり、そのまま家も追い出され一人で生きていかなければならなくなった。
 高校在学中にバイトもしていたのでその延長線であろう、とたかをくくっていたが想像していたよりも社会は子供じみていて気が抜けると同時に、どうしようもない袋小路に追い込まれた気になった。

 就職して私が配属されたのは営業課であった。営業とはいうものの主な業務は生産管理で一般的に思

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