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機能不全おじさんジャーナル

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おじさんのフィールドワークの記録と事件簿
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2024年12月の記事一覧

脅迫と色仕掛けで始まるリレーションシップ

 日曜日、いつもの居酒屋で一人でちびちび飲んでいると店の女将が言った。

「たしか結婚してなかったよね?恋人とかいないの?」
 
 残念ながらいない旨私が言うと女将は続けた。
「お客さんのお孫さんが二人いるんだけどね。上の子は活発で彼氏もいるんだけど下の子は大人しい子でね。よかったらどうかなって」
 どうかな、とは。そして孫を紹介するのはどうなのだ。祖父母からいきなり変な男を紹介される孫の気持ちを

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初対面の女性に「今晩泊めてくれませんか」と言われた日

 前職の自動車部品工場の営業をしていた頃、私は昼食を職場近くの公園で食べていた。職場の食堂には嫌に重苦しい空気が漂っており刑務所の方がよほど雰囲気がいいのではと思えるほどであった。よくあんなにも食事を不味そうに、そしてギスギスとした雰囲気で毎日食べられるものである。とはいえ、会社で注文する弁当は確かにお世辞にも美味しいとは言えないものだったのでもしかするとあの雰囲気はそれが原因かもしれない。
 

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焼酎の聖水割りとMくんの思い出 彼から学んだ事

 私が以前勤めていた職場にMくんという私よりも3つか4つ程年上の男性が居た。
 彼は職場では結構めちゃくちゃなキャラクターで、忘年会の場で「無礼講」と聞くやいなや職制のスピーチに対し「黙れハゲ!」とやじを飛ばしたり、会社でバイクのマフラーを交換しようと休憩中に職場の工具を用いて交換したかと思えば購入していたのはただのマフラーカバーで、実質直管のサウンドを工場に響かせてみたり、ある日の昼休憩には職場

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