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顔の立体感が描けるようになる!長いマズルの捉え方【イラスト添削:ガッツリプラン】

今回はトゥトゥルムさんのお悩み
「立体的な顔がうまく描けないんです!」
にお応えして、添削と練習方法のアドバイスを約一ヶ月かけてミッチリ行いました。


▼相談者
トゥトゥルム=マ・トゥインクルさん
X(Twitter):https://twitter.com/toeEzqMyX1hH0YW

添削前:

光と奥行きの表現がとても魅力的なイラストです!
しかし「顔の立体感が描けない」というお悩みどおり、龍族の長いマズル(鼻先から口)の構造がぼんやりしているのが分かります

アドバイス後:

龍族らしい長いマズルの立体感しっかりと描けるようになりましたね!!
キャラクターの存在感が、リアルに伝わってくる良いイラストです!

アドバイス内容:

【はじめに】

今回の添削&アドバイスは、約1か月かけてじっくり深掘りして行いました!

お絵かきブートキャンプでは、
人それぞれのレベルに合わせた指南指導をしています。


【お悩みの内容】

今回のトゥトゥルムさんのお悩みは
「公式絵を参考にしてキャラの顔を描こうとしてもうまく描けなくて、イケメンにならない!><」というものでした。

イケメンを描くためには、顔のパーツの比率を覚えるとか、キメ顔の角度を練習するとか色んなコツがあるのですが、今回彼女が描こうとしているのは、一般的な人間キャラよりも立体的な顔をした「龍族のキャラクター」だったので、もう少し根本的な所からじっくり改善していくことに決めました。

キャラクターの顔をイケメンに見せるためには「顔の立体感をきちんと描く」のが重要になってきます。

顔面を立体的に捉えて、顔のパーツを破綻なく描けるようになると、どんな角度を向かせても「イケメン」に見えるようになります。

なぜ顔を立体的に描くとイケメンに見えるのかというと、「バランスの整った顔」に見えるからです。

現実世界でも、バランスの崩れた顔は(一般的に)不細工であり、バランスの整った顔がイケメンとされることが多いですよね。
イラストの世界でもこれは同じで、顔のバランスが崩れている "ように見える" と、不細工に見えてしまうのです。

ではバランスが崩れてみえる・整って見えるって、いったいどういう事なんでしょう。
それは、物体の「立体感」が、破綻なく成立しているかどうかで決まります。

プロが作ったフィギュアの顔って、綺麗ですよね。
一方で、素人がつくったへにゃへにゃの粘土細工は…不細工に見えますよね。
この違いは「立体が破綻してないかどうか」で決まってくるわけです。

イラストは2次元で描く平面的な表現ですが、いろんなコツを掴むことで、画面の中で立体が成立しているように見せることができます。
これができればもうどんな角度で描いてもイケメンが描けます!

というわけで早速、練習に入っていきましょう!

①顔をいろんな方向で描いてみよう

まずは、トゥトゥルムさんの今の画力を確認するために、色んな方向を向いた立方体をベースにして、色んな向きの顔を描いてもらいました。

トゥトゥルムさんの提出してくれた画像

キャラクターがどっちを向いているのか分かるように描けているし、眼鏡や耳などを方向に合わせて描き分けられる力があることは伝わってきますね。
でもイケメンかというと…惜しい感じがします。
「立体感を出すコツ」がまだインストールされていない感じですね。

そこで、トゥトゥルムさんには、補助線の入った練習用ドリルを渡しました。

同じような悩みを持っている方は、
一緒になぞり書きしてみてくださいね。
↑この画像のみ、トレスフリーです。(再配布不可)

ドリルの中には、顔面の正中線や、曲面が切り替わる部分が補助線として描き込んであるので、顔の立体感が分かりやすく伝わるかなと思います。
これをまずはなぞり書きすることで、トゥトゥルムさんがまだ描いたことの無かった「顔の立体感の捉え方」に気付けるようになるはずです。

コラム:模写とトレース(なぞり書き)について
トレースを嫌がる絵師さんは多いです。権利的な問題があるのはその通りですが、「練習するとき、なぞり書きじゃうまくならないよ!」とおっしゃる方も居ます。
でも私は、絵師が成長する過程の中では、模写ではなく、トレースをした方がいい時期もあると思っています。
(もちろん、トレースした画像をネット上にアップして公開するのは駄目ですけどね。あくまで練習としての個人的なトレースに限ります。)

なぜトレースが必要なのかというと、「お手本と自分の絵のどこが違っているのかが分からない」状態というのは、自分の目で間違い探しができない状態だからです。
間違い探しができない状態でやみくもに模写をすると、自分の苦手な部分を見逃したまま得意な事ばかり手癖で描いてしまって、お手本に似ない事が多いのです。これではせっかく勉強したつもりになっても、自分の苦手な部分をカバーすることができません。
一方トレースをしてみると、上手い人の絵の中には、自分では描いたことの無かったような線や、パーツの配置・バランスが使われている事に気付けます。
自分の中に無かったものを知るためには、トレースが役に立つのです。

なぞり書き用ドリルの、ペン入れ例も一緒に渡しましたよ。

④練習結果を添削

なぞり書きドリルを使って、トゥトゥルムさんが描いた絵を送ってくれました。
かなり立体感が出て、イケメン感がでてきましたね!

トゥトゥルムさんがドリルになぞり書きしたもの

しかし、
白紙で1から描こうとすると、
 やっぱりうまく立体感が出せない。
という新たな相談を受けました。

トゥトゥルムさんが白紙に1から描いてみたもの
最初よりは上手くなってますが、まだもう一歩という感じ…!

この画像、よくよく見てみると、顔面の立体感はわりと出せるようになっているんですよね。
でも、後頭部がぺたんこになってたり歪んでたりして、頭部全体のバランスを崩してしまっていることに気付きました。
そこで、「後頭部の奥行も意識するように」添削を行いました。

顔の立体感を出すためには、
頭部全体をバランス良く描く必要があります。

続いて
★正面顔と斜め顔がイケメンにならない
という相談も受けました。

トゥトゥルムさんの場合、表情を寄り目っぽく描いてしまいがちだったり、まぶたの描き方に手癖が強く出ていたので、その辺りを改善するようにアドバイスと添削を行いました。

トゥトゥルムさんの手癖の改善ポイントと、
横顔を描くときの瞳の描き方をアドバイスしました。


また、顔のパーツのバランスを保ったまま、立体的に顔の角度を変えて描くには、ちょっとしたコツが要るので、そちらも説明画像を作ってみました。

パーツ間の距離と角度を保つのが、立体感を損なわないコツです。
実際の写真で確認してみると、3次元の物体を2次元で見たときの歪み方が分かりますね。手元にポーズ人形などを用意して、どんどん観察していきましょう。

⑤練習結果の見直し

ここまでの練習指摘を踏まえて、3回目にトゥトゥルムさんが提出してくれたのが以下の画像です。

トゥトゥルムさんが白紙に1から描いたもの~3回目~
どの方向を向いても、かなり顔が良くなりました!
練習前(1回目)
練習後(3回目)
よくがんばりましたね!!!この努力はすごい!!

最初と較べると大きな進歩をしていることが分かります!
特に鼻先の立体感と、口やあごの向きを描くのが本当に上手になりましたね。

ここから先は、好きなイラストを描いて実践あるのみ!
練習してるだけだと、つまんないですからね!どんどん描きましょう!

⑥練習結果を踏まえた本気イラスト

添削と練習の数週間後、トゥトゥルムさんが見せてくれたイラストです。

すごい!!!!!!!!!!!!
顔の立体感がめちゃくちゃ出ている!!!!!!!

トゥトゥルムさんがもともと得意だった、
「美しい光と、陰影表現」に顔の立体感がバッチリはまって
とても魅力的なイラストに仕上がっています!!

トゥトゥルムさん、本当によくがんばりましたね。
こんなに上手になるなんて、びっくりしました!!!

またイラストに行き詰ったときには、
ぜひいつでも、お絵かきブートキャンプに来てくださいね。

あなたのお絵かき生活が、楽しくて有意義なものになりますように!

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