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【フィールドワーク記録(10)】ナゾの「三日月」~月神社、三日月神社(岡山県笠岡市)

 今回もフィールドワークとなります。
 本編である「陰陽道閑話」のほうも、ちょうど今年はNHK大河ドラマ「光る君へ」でユースケ・サンタマリアさんが怪演し、また今春中に公開される映画「陰陽師0」とも重なった事から、大河と映画とで対照的な晴明像が展開されていく、いわば「令和の晴明説話」について考えてみたいと思っています(※予定は未定、話題は違うものになるかもしれませんのであしからず)。

 さて。「月」・・・その神秘性は太古より人々を魅了してやみません。また、単に神秘的だというだけではなく我々の生活に不可欠な存在でもあります。無論、科学が発展している今では月の地球にもたらす影響、そして人間にもたらす影響については論理的な説明が出来ますが、そうした説明が出来なかった時代は、そうした「説明は出来ないが我々に影響を与えるもの」に対して”神性”を見出します。つまり、「神」がそこに生まれるのです。
 例えば。潮の干満、これは月の引力によって起きています。海が絶えず押しては引くを繰り返すのも月の引力によるもの・・・それは現代の科学では「解り切った話(当たり前の話)」なのですが、そのシステムが解らなかった時代では、潮の干満や打ち寄せては引く波の猛々しさに神秘性を見出し、そこに人智を超えた”見えざる力”・・・その源として「神」を見出すのです。ゆえに古来から月の神は「夜を司る神」であると同時に「海の神」としても崇められます。

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