漫才 台本 「コンビからトリオへ」

a おねがいします!
僕をお笑いコンビ○○に入れてください!

b いや、ですから、なんども言ってますけどむりですって!

a なんでですか!やる気はあります!

b いや、やる気の問題じゃなくて。

a 僕が入れば今より5倍は笑いが増えるんですよ!

b どこから来るんだよその自信は!
だいたい、あなたおいくつなんですか?

a 今年で50 になります!

b 50!
おそすぎません?お笑い始めるの。
僕たちコンビ20 代ですよ?

a 20差!ちょーどいい!

b 何がちょーどいいの!

a 身長差!

b 年齢の話だよ!

a (一人芝居)
⚪︎⚪︎君身長何センチ?175センチだよ。
えー!私155センチ!20センチ差がちょーどいいんだって。
え?何にいいの?
えーないしょ!
なんだよ言えよ!何にちょうどいいんだよー!
えーーーじゃーもーーおしえてあげる。
なんだよ?おしえろよ
キスする時の、し・ん・ちょ・う・差!

b 50のおっさんが一人でなにやってんだよ!!

b だいたいあなた、なんで今頃お笑い始めよーと思ったんですか?

a 私先日まで会社員してまして、同僚とよく飲みに行ってたんですけど、
そしたらみんな言うんですよ。aさんおもしろいねー、そんなにおもしろいの勿体無い!芸人になればいいのに!って。

b それで芸人になったの?

a はい!

b 会社やめて?!

aはい!

b 素直すぎるだろ!離島出身者か!

a でも!あのめったに笑わないスナックの和子ママにもいわれましたよ。
あの和子にも!

b あのってだれだよ!しらねぇよ!

a 御年 85歳

b 死にかけのばばぁじゃねぇかよ!
素人の人たちに面白いって言われてもだめなんですよ!

a 和子ママにも?

b 和子ママも素人だろーが!

a れっきとしたプロですよ!

b なんの!?

a 水割りの。

b お笑い関係ねーじゃねーか!
水割りのプロなんかあんのかよ。
作るプロか?

a 水割りのうんちく語るプロ

b いらねぇわ!アジアで一番しょーもないプロだよ!。
じゃー何かネタとかできるんですか?

a あーできます!できます!スナック小話!

b ターゲットせまっ。まーいいですよ、いちおー聞かせてください。

a わかりました
えーこの前スナックに飲みに行った帰りにラーメン屋によりましてねー

b もースナック出ちゃった!
スナック小話なのに。

a カウンターに座ろーと思ったら、空いてる席の隣にクマみたいに大きい男が座ってたんですけど

b クマみたいに大きい男。

a 私が座る時にカバンにつけてる鈴がテーブルに当たってチリンチリンって鳴ったんですよ
そしたら隣のクマみたいな男が『うわ!!』ってびっくりしましてね!
お前クマだからやっぱ鈴苦手なのかーって!あははは!

b ....................

a えっと.............その後!
そのクマみたいな男!あらまきジャケラーメンを注文して!
前足で
ザッ!ザッ!ってシャケとるみたいに食べだして

b おまえ嘘だろ!しかも下手な部類の!
あらまきジャケラーメンってなんだよ!そのクソ不味そうなラーメンは!前足って!前足あったらもーそれは本物のクマだろそれ!

a じゃー 一旦、合格ということで。

b なんでだよ!どこに合格の要素があったんだよ!

a おねがいします!!
お試しだけでも!

b 無理ですよー!

a なんでですか!ウケたら入れてくれるって言ったじゃないですか!

b いってねーし!うけてもいねーよ!
あのねー、僕たちずーーっと二人でやってきたんですよ、
もー形もできあがっちゃってるんですよ!

a もーマンネリ化してるでしょ。

b 失礼!
ちょいちょい失礼なこというよね!

a じゃーこれでどうですか?

b なんですか!もー何言われても無理ですよ!

a すごい巨乳の女の子紹介します。

b なんですかそれ!そんなので入れるわけないじゃないでしょ!

a ほんとすごいんですよ!

b いいですよそんなの!

a いや!ほんとに!(耳もとで囁く)が

b いや、もーなんですか!

a (耳もとで囁く)しちゃったり

b え!

a(耳もとで囁く)とか

b ははは、えー!

a(耳もとで囁く)なんです

 a どうですか?

b .........................................

b じゃー

a ありがとーございます!

b 早いな!!まだなんもいってねーだろ!

a 合格かなーと。

b まー、今回は君の熱意に負けたと言うか、そこまでいうなら、
一回くらい......お試しくらいなら......

a ほんとですか!ありがとーございます!

b お試しだよ!ほんとお試し!

a はい!ありがとーございます!

b じゃーまーついでなんだけど、ほんとあんまり興味ないんだけど
さっき言ってたあのー......なんだっけ.......きょ、きょ

a 巨乳の!

b あーなんかそんなだったかな。まーそっちも、
一応約束してしちゃったんだし

はい!すぐに手配します!

b あーそぉ?なんかそれで入れたみたいになっちゃったなー
ちがうになー

a (電話する。) あ、もしもし和子ママ いますぐきてくれる?

b そいつ85のばばぁじゃねーかよ!!
( おわり)

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