焚火の匂い
この頃僕は映画を見るのにハマっている、
高校生の頃はそんな柄じゃなかったのに
大学生になり家にいる時間が増え、
追い討ちをかけるようにコロナの時期がやってきたので、
何かしていないと死んでしまう僕は必然的に
よく映画を見るようになった。
今日もいつものように夕方ごろから二本の映画をみた。
僕は映画を見るとき、パソコンを机の上に置き、部屋を暗くして、イヤホンをして、音量を少しうるさいくらいにして(これくらいだと臨場感が味わえる)見る
小さい頃に教えられたテレビの正しい見方は、もう跡形もない。
映画のエンディングロールの曲が終わり、
イヤホンを取るといつも予想以上に静かだ
そしてここのところはいつも鈴虫の鳴き声が聞こえる
それに加えていつも少しだけ焚火の匂いがする。
ん?
こんな時間にさいたまの住宅街の真ん中でこんな火の匂いするの、おかしくない?
ってなった
僕は大学生の頭をフル回転させて考えてみたが、焚火をしてそうな場所なんてひとつもおもいつか、、、
一つだけ思いついた。
家から300メートルほど歩いたところに、住宅街には似つかない30メートル四方くらいの田んぼがあり、そこの隅に何か燃やすための塀?みたいなのがあった気がする、、、
いてもたってもいられなくなり僕は、
早速歩いてそこに行ってみることに
その途中で、やることがないのでこのノートを書き始めました。
歩きながら他に焚き火をしてそうな場所がないか、この焚火の匂いはどこからきたのかを考えてみたが、
うちから半径1キロ圏内に範囲を伸ばしてみると、意外に焚火をしてそうな場所はたくさんあることに気づいた。
僕が向かってる先で焚き火をやってる確率は僕の中でぐーんと下がった、そして先ほどから全然焚き火の匂いがしない、あの場所では焚火はしてないんだろうなと思いながらも歩を進めた。
予想通り火はなかった。
田んぼについた僕は一呼吸もすることなく
家の方にくるっと向きを変え、家に帰った、
帰り道、おじさんと、すれ違った、
おじさんは自転車に乗っていて、すれ違ったのはほんの一瞬なのに、もう9月中旬なのに、
ものすごい汗臭い匂いがした。
すごく嫌な気持ちになった
いつか絶対焚き火のアジトをつきとめてやる。