メルカリCEO山田進太郎氏が語るグローバルの軌跡 at B Dash Camp
2023年春開催のB Dash CampのメルカリCEO山田進太郎氏の語った内容から当時セッションをメモしていたFacebook投稿から編集しました。
山田進太郎がメルカリの成長ストーリーを語る場はかなり珍しく貴重な機会でした。
2013年創業からグローバル化へ舵を切ったタイミングとそのときのインサイト
・2017/6 Facebook出身のジョンラーゲリンがメルカリへCBOとして参加し、USマーケットでの成長を目指した
当時のメルカリはそこまでUSが軌道に乗っていたという状況では無かったが、会社を変えて行くと決断し、FacebookやGoogleのUSでの経営経験のあるジョンラーゲリン氏をメルカリのグローバル展開を担う幹部として登用した。
・グローバルワンプロダクトで展開するのでなく、日本とUSでプロダクトを分けた
軌道に乗っている日本のプロダクトをベースにグローバル展開をするパターンもあるが、メルカリとしては日本とUSのプロダクトの開発を分ける意思決定に。メルカリのようなCtoCマーケットプレイスはローカル性(地域による差異)があるプロダクトであり、USと日本のデザインやプロダクトも変えていった。それぞれの国やエリアの法律も異なっているのも大きく、ローカルなニーズに対応する方針とした。
・2018/6 メルカリは日本でIPOを実施し約600億円を資金調達し、USの成長を目指した
このとき本当はUSが軌道に乗ってから上場したかったという思いがメルカリの経営としてはあった。他方で、当時の日本のスタートアップ環境では未上場で100億円以上集めるのが難しく、大型資金調達を行い大胆にIPOするしか選択肢が無かった。結果、IPO時には約600億円の資金調達を行った。
この資金でUSを軌道に乗せるというプランを上場時の機関投資家に説明を行った。その後、結果的に資金調達額の半分はメルペイに使い、日本マーケットに資金投下することになった。
・2018-2020年のメルカリUSは想定より成長がゆるやかだったが、コロナでUSの成長角度が変わる
IPO後の資金をもとにPDCAを回すも想定していた形での成長は達成しなかったが、(2020年頭ごろから)コロナが起きた。ここからの経済や自社のビジネスが最初はどうなるのか?と思ったが、結果的にコロナ以降にUSの成長のきっかけとなった。月間GMV(Gross Merchandise Value=流通取引総額)は$100Mオーバーを達成する。
・現時点(202305)はメルカリは年間GMV日本1兆円、US0.2兆円ペース。ebayは日本のオークションの5倍規模のレベルであり、大きな市場がある。
メルカリUSを5兆円規模まで持っていくには結局はプロダクトのもっと進化の方向性があると考えている。現在USは200人ほど。ほぼ日本人おらず現地化し運営している。
ここから次の10年を成長させるには、大胆な変化をしていく必要性がある。日本でも海外でもカテゴリを特化して行くなどはもっとやっていこうとしている。メルカリのバリューにGo Boldと言うのがあるがまだまだ大胆さが欠けていた。
・テック企業としてのグローバル展開を本気で目指して行く
これを本気で目指し、日本からやってることも大事にしたい。日本の文化的側面の良いところはあり、それを残しつつグローバルでの拡大を目指して行く。
・事業は やってみないとわからないことが多い。ただ同じ失敗をする必要は無く学び合っていくべき
若い起業家へのメッセージがあるとすると、事業は やってみないとわからないことが多い、多くのアクションをやってみるべき。ただ同じ失敗をする必要は無いので聞いてくれたら答えられることはある、学び合ってやれると良い。
若手でDAY1からグローバルを目指すスタートアップもあり、先を越されるかもしれないと思っているが高め合って行きたい。
・10年後にグローバルに勝って行くなら自分よりもっと良い人がいる
10年後は自分はメルカリにいないと思う。僕らがグローバルにてもっと勝って行くなら自分よりもっと良い人がいると思っている。
自分は自分でやりたいことがある旅行もしたい、仕事だけが人生でない。他方で凄いポテンシャルあるものを見つけてまたスタートアップしてるかもしれない。