10棟〜集会所〜
ある日の真夜中、作曲に奮闘する私の部屋に妹が来て「心からやりたい音楽が出来てるのか」「私のことを気にしすぎて結局楽しめてないのではないか」というようなことを言ってきました。とても悲しそうに言うので一瞬「そんなことない」系のことを言いそうになったけど、実際はそんなことあるので、正直に「うん」と言いました。もちろん「無言の花」や「てっててて」は気に入ってるし、これからもセットリストに入る方々なのは間違いないです。
でも、この夜にちゃんと話が出来てなかったら、今はもう活動を続けてないかもしれない。
妹に「難しく考えすぎてドツボにハマって抜け出せなくなっている感じ」を指摘された私は、自分本位でしかないであろう、懐かしさで泣きそうになるコードとメロディをその場で妹に聴かせました。その瞬間、妹がちょっと泣いてて嬉しかった。「それがいい」と言われて、私も「これがいい」と思えたのは初めてだった気がします。苦しまず自然に作曲が出来るようになったのも、この曲が始まりでした。
後日「10棟〜集会所〜」として妹が書いてくれた歌詞には、「ひねもす赤白」という言葉があって、懐かしくて死にそうになった。
自転車、キックボード、たかおに、けいどろ、赤い自販機、階段、曲がり。
妹が話してくれたおかげで名前を決めたときの気持ちを思い出して、団地ノ宮らしさがどういうことなのか、言葉で表すことが不可能な域までお互いが理解したような気がしました。こういう時の妹は本当にかっこいい。今でもそう。
次は、同じ日にメロディが生まれた「カァミン」について。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?