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【DM小話】作品を見てから決める

お久しぶりです。
今回もDM制作についてお話ししようと思います。
DMに関するお話については、タイトルに【DM小話】ってタグ代わりに頭につけようと思います。

今回はDMのデザインを考える順番の“入り”についてお話しします。
きのねの展示DMは、ポストカードに限らず、A5やB5サイズ、A4折り・正方形、さらにはオリジナルの変形サイズなど多様なメディアを制作してきました。そのDMの有り様はどこから考えついたのか、というお話しです。

タイトルですでに答えを書きましたが、きのねでは基本的に作家さんに自由にキービジュアルをご用意いただき、いただいた作品(画像)をベースにDMを考えます。
考え方としては、「そのビジュアルをいかに魅力的に魅せるか」でサイズやレイアウトを考えます。DM、特にキービジュアルを掲載する面はさほど情報を入れ込む必要もないため、ビジュアルを良く魅せることに特化して考えていいと思っています(情報は別面に掲載すればいいわけですし)。

その例として前回記事を1本アップしております。

作品が横構図か縦構図か、線や色など純粋に見て情報量が多いか少ないか、主役はいるのか、余白と捉えられる空間はどれほどか、どこにあるのか、など考えられる要素は1点の作品の中にたくさんあります。
それらを頭の中で要素別に抽出し、作品のいわゆる「見どころ」を探り、そこを文字やトリミングで潰してしまわぬように、もっと言えばパッとみてそこを見てもらえるように、と考えて組んでいきます。
こればかりは、日々どれだけの作品を、グラフィックデザインと言われる産物を見ているかでセンスを磨いていく他ないと思っていますので、何事も経験です。

『1DAY』のDM
一つ例として、ここ4年ほど毎年開催している企画展『1DAY』を例に上げてみます。

2021年
2022年
2023年
2024年

2021年から2024年までの4年分の「morning」セクションをあげました。
上から順にポストカード/ヨコ、スクエア、ポストカード/タテ、変形(ポラロイドサイズ)になります。
どのDMも予めサイズを決めて制作したものはなく、全て作品情報が届いてから制作したものです。
例えば、2021年のむすびさんのビジュアルは映像のワンシーンのようにみせるため、上下に黒のラインを。スクリーンに投影したような印象にしたかったため当然横構図で。2022年竹田明日香さんの作品はスクエア作品であったため、それに準じたデザインを施しました。
2024年のミズカミエリカさんの作品、実は横構図の作品でしたが日常風景をスナップのように撮影した印象を受ける作品と感じたため、作品のレトロ感にも合わせるイメージで、ポラロイド写真の規格でDMを制作しました。

あくまで1例ですが、このようにきのねのDMは前提として作品がまず先にあり、それに合わせるようにDMデザインを検討しています。大切なのは作品を拝見した後に「この作品にはこうだな」という演出やフォーマットの引き出し、そして「こうした方が絶対にいいだろう」という“浪漫”をどれだけ保ちわせているか、だと思っています。

かっこいいDM制作は一朝一夕にあらず。
これからもたくさんの浪漫を吸収し、精進してまいります。

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