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「まなびCafe」開店

子どもたちの休校が続いている。

都内でも、また近隣の市区町村でも、分散登校が始まっているところもある。

私の勤務校および地区はまだ休校中。

今年度は、研究の新たな立ち上げをするということ、全学年を見渡してほしいという校長の配慮もあり、私は専科となった。

そのため、この状況の担任の立場を考えるといたたまれない思いでいる。

4月6日の始業式のほんのわずかな時間以来、子どもと接触をしていないからだ。

研究主任として、何か担任の先生方のためになりたかった。

その切り札となったのが、自由でゆるやかな語りの場、学び合いの場である「まなびCafe」を開くことから始めることとした。

このまなびCafe、他校の取り組みを知り、昨年度から始めたいと思っていた。また、石川 晋先生(NPO法人「授業づくりネットワーク」理事長)との1on1オンライン対話を通して、さらに始めようという気持ちが高まった。

4月から月1で始める予定だったが、新型コロナ騒動で頓挫してしまった。どうにかして開催したい。しかし、在宅勤務が続き全職員に連絡が届きにくい。でもすぐに始めたい。

ひとまずZoomをすぐに活用できそうなメンバーとプレ開催をした。8人の参加を得た。これはありがたい。

まなびCafeでは、テーマを決めて実施していく。

私の中ですでにいくつかのテーマを考えていた。「協同学習」やら「対話的」やら学校が通常運転している際に担任が悩むであろうことばかり。

「こりゃ、今の先生方には必要としているテーマではない。」

ということで、事前に考えていたテーマを全て保留。

「今、子どもたちのためにできること」

というテーマで開催した。

5月2日、土曜日にも関わらず時間通りに参加してくれた。対話はどんどん広がり、深まり、現実問題に真剣に向き合う同僚の姿に嬉しくなった。

ICTについて、予習と復習の課題ばかりへの疑問、今こそ探究を促していきたい、子どもとの心の距離を縮めたいなどなど、さまざまなことが話し合われた。私はたまにコメントするくらいでほとんど話さなくても進んでいく。そんな対話の雰囲気にも、これからの本校の職員の可能性というか、まだまだ変化を起こせると感じた。

参加メンバーの1人が「ま〜、ここで色々話したことは実現しないでしょうけど。」と。

すかさず私が、

「このまなびCafeはもちろん管理職知ってるし、ここでの話し合いの様子を俺なりにまとめて報告するつもりだよ。実現させることも大切だよね。でも、こうやって話していると、自分が考えていたことを広げられるでしょう。◯◯さんはさ、じっと聞いているけど、すごく視野が広がらない?」

と話した。ずっと頷いたりして聞いているだけの1人は、

「いや〜、本当に勉強になります。皆さんのお話を聞いてるだけでも、考えというか、発想が変わりますね。」

と。対話のよさはそこにある。話しまくってる人がすごいんじゃない。聞いている人だって、自己の考えと重ねたり、比べたり、反対側になってみたりと、自己の中で思考をぐいぐいと広げている。そういった人を大切にできる場こそ、より良い対話の場なのだと改めて感じさせてもらった。

1時間の予定だったが、白熱して15分オーバーに。

参加メンバーはまだまだ話し足りない感じがあったくらいだ。

まなびCafeの振り返りを各自に送ってもらった。さらに、その振り返りを参加メンバー全員で共有した。これもまた大切なことだと感じた。人の振り返りからさらに視点を広げていけたとの声が私に届いた。

校長にまなびCafeのまとめを送り、私から「先生方が子どもを中心に考えた切実な思いで生まれた提案ばかりです。1つでも2つでも実現できることを、私からもお願いをさせていただきます。」

その翌週、私たちのまなびCafeで出た提案が、校長なりに形を変えてではあったが、いくつか実現した。

校長へ「先生方は、『子どもとの距離をとにかく縮めたい』という声が多く、むしろ全員共通の思いでした』との報告も少しでも形にしてくださった事に、大変感謝している。

まなびCafeは、陳情をするような場ではないし、そんなつもりで始めたわけではない。しかし、こういった形にもなるのだなと、感じることができた。

始めたばかりだが、同僚の聞こえない、見えない言葉がゆるやかに発信できる対話の場をつくれたような気がしている。

次回は明後日19日(火)。

全職員に通知しているため、また新たな対話の場が生まれ、そこから成果や課題を私なりに見つけていき、より良い学びの場、語り合いの場をゆるやかに続けていこう。

次回のテーマは同僚の希望により「今だからこそ考えたい!新しい取り組み」となった。

同僚たちは、もう休校の先、これを機に少しでも学校に変革を起こしたいという思いが高まってきているようだ。

明後日が楽しみだ。


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