あれはマスでもなく……

羽生結弦氏の私事について……
便乗して「マスコミがぁ」を書いている方がいらしたが。

掲載した所は、そもそも新聞協会にも入っていないし、「マス」と呼ばれる規模でもない。「地域紙」というカテゴリーだ。

地域紙は新聞の古典的な形態で、1市や1郡ぐらいの範囲で刊行される。

県域紙が存在する地方でも、交通網などの事情で町単位のメディアが残存してきた形は、雪深い北国や南の沿岸部などに見られる。

また県域新聞が倒産・消滅して、地域紙が点在する形は、和歌山と山口にある。

地域紙は、協会に入っていない物もあり、報道や記述のルールは独自色が強い。地域外で読まれることを想定していないままネット配信を始めたりしている。
個人経営であったり、タウン誌やフリーペーパーになっていく場合もある。
地域紙は、むしろ新聞から離れていくと生き残り、小範囲で新聞としての体裁を整えていた第2県紙なんかがバタバタ潰れていったわけだな。

あと「タブロイド」はゴシップ紙という意味ではなく、紙のサイズである。
夕刊フジみたいな小さいのをタブロイド版、普通の大きいのをブランケット版という。
都会型のゴシップ紙がタブロイド版を採用するのは電車で読むため。英国なんかにある形態だね。地域紙、広報紙、業界紙にもタブロイドはあるし、高級紙で採用するところもある。

類例じゃないが、過去の事例で近いのは。
2昔前に新潟の長期監禁が発覚した時、現地の地域紙が被害者の実名を載せていた。
元々、発見前に行方不明者として実名で発見を呼びかけていたので、そのまま載せつづけたという正当な理由があったんだが、全国的な非難を浴びて止めたと記憶する。
地域紙単独では、全国的な趨勢に取り残された判断を行うことがあり、それ自体は咎められるものでもないが、ネットを通じて域外でも読まれる場合は注意が必要。

追記
続報で知った。
会員制配信記事だった件。それじゃ地域紙側に落ち度はないわな。



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