「たとえあなたを忘れても」批判

朝日放送でやってるドラマ。
記憶喪失の女性と心療内科医の交流、とか言ってる。

「心療内科」とは、心的原因による身体症状を診る科です。ストレスで胃が痛いとか。

いま世間で使われている「精神科じゃない、もうちょいマイルドなの」は誤用です。

「ワタシは心の問題に詳しい」と称する人が「精神病院じゃなく、心療内科とかメンタルクリニックとか行ったら、強い薬も出さないし」と受診を勧めるの、本当に有害です。

むしろ「心療内科やメンタルクリニック」の方が、強い薬を乱用して、慢性化させやすい件、知っといた方が良い。

マイルドな精神科として「心療内科」を勧める人は、精神保健福祉の正しい知識がなく、興味本位で介入したがる。
むしろ、地雷オバサンの目印として使える単語ですね。受診したら言いふらされるぞw

なんで、こういうことになっってるのか?
医師免許さえ持っていれば、何科を標榜するかは医師の自由です。
産業医や内科医が、メンタルブームに乗って参入するのに「心療内科」を掲げたんですな。

最近の精神薬には、1つの薬で、元気な時は大人しくして、落ち込んでる時は元気にする、って両面待ちの便利な物もある。
医師免許があれば精神なんて簡単、と安易に参入する先生もおられるんですな。

精神病未満のストレス症状に、安易な処方を行い、発達障害を発見するとか、処方薬の依存症にするとか、コジらせて手に負えなくなると………
「ウチはキチガイの来る所ではない、出入り禁止だ、通報するぞ」
未病は精神病にして、精神病は診ない、というのが「心療内科」を標榜する所なんですな。

精神病院の先生で、内心は心療内科にキレてる方もおられますが、同業者の診断にとやかく言わない、って不文律もあるんで。

「心療内科はマイルドな精神科」
最近は精神科医でも、誤用を追認し「心療内科」を標榜して開業する先生が出てますなぁ………

とりあえず、「心療内科」を勧める人はシッタカ、「心療内科」を標榜するメンクリはニワカかつ薬漬け、と思った方がいい。

本題に戻って。
「心療内科」という語は、上記の問題を抱えているので、「精神科」の美称・言い換え語としてドラマに使うのは、とても有害だと考えます。

ただし、脚本家を責める気はない。
たとえ、脚本家がプロとして必要なリサーチを行っていたとしても現状、精神科界隈はバブル崩壊後の混乱状態にあって「心療内科はマイルドな精神科だ」と答えるタコばかりだったでしょう。

それと、ドラマ視たけど、可愛い姉ちゃんが内省してばかりの今日の標準的形態。
精神業界の詐欺的誤用を後押しするだけの、ヒット作にはならないんじゃないかなぁ。

追記
「心療内科」の害。
障害年金の書類をなかなか書いてくれない場合「精神保健指定医」の資格が無いんじゃないかな?

フグをさばくには調理師免許に加えてフグ免許が要りますね?
医師免許さえあれば、勝手に精神科医を名乗れますが、強制入院させたり年金書類を書くには「精神保健指定医」資格が要ります。

心療内科とかメンクリとか、コメントやタレントを本業とする精神科医とか、「精神保健指定医」資格を持ってない場合があるので要注意です。

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