おっさんずラブリターンズに救われた話


※BL、本編、シナリオブック、ファンブックのネタバレを含みます。
※ほぼ自分の話と公安の話です。




2024年1月、ベッドから出られなくなった。食事も取る気にならないし起き上がることすら面倒くさい。必要最低限だけ動く。スマホの万歩計の記録を見返すと1日に100歩も歩いていない。完全に引きこもりと化していた。例年、父の命日である1月は心が疲れやすい。それにしても今年は酷く、コロナ禍の時よりも疲弊していた。疲れる原因は他にもいくつか思いついたけれど、ここまで落ち込む理由とも思えない。わからない。ぐるぐる考える。面倒くさい。疲れた。寝よう。繰り返し。今思えば、常に生きづらく抱えていたぼんやりとした希死念慮がはじめてくっきりと輪郭をもった自殺念慮に変わりかけていた。

ベッドで横になりながらできることといえば、ゲームやドラマを観ることくらいだ。でも心が疲れている時に人と話すのはかなり労力を使う。しんどい。人とのゲームも自然と避けるようになる。「眠るための暇つぶしに観れるドラマや映画ないかな〜」とTELASAだったかアマプラだったかを開いていたときすぐにトップに出てきた「おっさんずラブリターンズ」が目に止まった。
 
小学生の時に某魔法学校の映画を見てから腐の感情に目覚めた。ネット依存症のBL愛好歴15?20年近い人間がおっさんずラブを知らないわけがない。当然、評判は沢山目にしてきた。当時の盛り上がりがすごかったのも覚えている。ただ、私はおじさん受けが好きすぎて変にこだわりが強くビジュアルだけを見て「おっさんにしては若すぎるな…」とスルーしていたのだった。ただの食わず嫌いでしかない。

いつもの精神状態だったらスルーしていたかもしれないが、その時はなぜかタップした。「良くTwitterに流れてきた二人だな〜」なんて思いながら観はじめた。当時「◯◯じゃダメですか?」のシャワーシーンと吉田鋼太郎さんがタクシーで手をにぎにぎしている切り抜きが流れてきたのをみたくらいしか知識がない。「えっ結婚までしてるんだ?!」「海外にいってたんだ?!」「すれ違いすぎでは?!」「画が綺麗!」「あれ?部長さん退職してるの?!」なんてミリしら状態で驚きながら進む。緊急取調室の遺影を見て仲村トオルさんとちょっと似てる!誰だろう?かっこいい!と思い検索してお名前を知った眞島秀和さんもでていた。仕事中にマチアプしてるんですけど?!!なんて笑った直後に紹介され登場したのが"中途採用の和泉くん"だった。

ぶ、部下?!!!!?年上の部下だ!!!!!えっ井浦新さんじゃん!!!そういえば最愛の加瀬さんめちゃくちゃ良かったな…………。出てるの知らなかった!!新キャラなのかな?!!?最初から挙動不審だけど何!?!!なんていう目で見つめてるの??!「過去に戻るにはどうすれば…」え、なに!?!!全て意味深に話すの何?!?!!?「人生もコントロールZできたらいいのに…」えっなにこのひと?!初対面の人相手に思う存分闇を見せつけてくるの何?!!?井浦さんの目って光がないのがめちゃくちゃいいな……。

はい、ブッ刺さりました。一瞬で釘付け。元々暗い話が大好き、おじさんが大好きな私のレーダーが反応した。これは絶対に闇が深いという確信。

その後も仕事ができそうな顔してるのになんで?!ということ多発。ずっとかわいい。かわいいのオンパレード。ポスティングもおっっっそい。心なしか喋るスピードもすごく遅く感じる。某戦場カメラマンさんより少し早いくらいでは?!!なんて思ったり。はるたん見て共同不審になるのなに〜〜〜〜〜?!なにがあったの?!!?!「明日も……よろしくお願いします」のシーンの夕陽の差し込み方綺麗だなあ。どういう感情?!!?(ここのシーンについては是非公式ブックをお買い上げください。井浦さんの役への解像度本当に凄くて感動しました。)

はるたんの手をドラッグする(掴む)和泉。切ない切羽詰まったような顔して逃げ出す。えっなに?!?!?はるたんと会ったことあるの?!??忘れられてる系?!?!?えっなに!?!!?疑問符しか浮かばない。和泉さん何者???なんかわからないけど苦しんでる………かわいい…………。この時点でもう脳内を和泉に支配されていた。

それにしてもパワハラ疑惑立てられるはるたんかわいそう。勤務時間にマチアプしてる部長に注意されてるよ、なんて不条理!

そして謎のイケメンおむすび屋さんの菊様登場。すっっごい爽やかなのに目バキバキなの何?!?!!?!!こわい!!!!!イケメンのバキバキの目こわい!!!!!何この人?!?!ス◯バ風のおむすび屋さんなに?!?ぜっっったいやばい人だコレ。無料より怖いものないよ…。この人バキバキの目で女殴ってそうだな(ど偏見)なんて思っていた。それとも牧のこと狙ってる感じ?

はるたんと牧くんケンカしながらなんやかんやハッピーに。あたたかいな……いいところでスキマスイッチの曲が入る〜〜!幸せですね〜〜〜!なんてにっこりしていたら衝撃のラスト。

血だらけので倒れてる和泉さん?!?!!なにごと?!!?!家の中から出てきたの、バキバキの目のおむすび屋さん〜〜〜?!!えっ一緒に住んでるの?!!???どういうご関係?!?!!?!!「あららら〜」じゃないよ!!え???なんか口止めして姫抱きして消えていったんだけど?!?!!?!は??????え???!!??

ここで浅はかなわたしは確信したのだ。DVだ、と。はるたんは忘れているけど、和泉さんは何かではるたんに助けてもらった過去とかあるんでしょ!!そして今回もDVから救われたくてはるたんにささやかながらアピールしてるんだ!!!!!そうだよね!!!言えないもんね!!!!目バキバキだったのも、これで全部繋がった!!!



…………………………。



菊様ほんとうにごめんなさい。大好きです。本当に本当に浅はかでした。ごめんなさい。菊の初登場シーンは謎の多さを演出するために意図的に目力を入れていたらしい。すごい!そのバキバキの目を見て私たち視聴者は本当に何か裏があると思わされたのだ。役者さんってすごい。話が進むにつれてわんちゃんの目にしか見えなくなった。すごいとしかいえない。語彙力の欠如。

続きが気になって気になって仕方ない。たしかその時点で配信されていたのは2話までだった。そこから毎週のたのしみができて、見届けるまで生きなきゃ!という気持ちになった。生きようと思う理由って些細だったりする。でも、大きい。文字通り、私はおっさんずラブリターンズに救われたのだ。

菊と和泉に関してはまたいつかどこかで書きたい。ファンブックに書かれていたので、公安ずラブをまたどこかで観られたら、と期待してしまう。何卒よろしくお願い致します。

あと、もう一つ思ったこと。ドラマの世界の裏側のことはわからないが、シナリオブックを読むと意外と詳細なことは書かれていないことに驚いた。それに独自で解釈を深めて色々と相談して肉をつけて命を吹き込んだ俳優さんの凄さを改めて感じた。素敵な方々が演じてくれて良かった。

終わってからロスになっていたが、その後の供給も手厚くてありがたい。プロデューサーさんや番組関係者の方々に感謝。

明日おっさんずラブリターンズ展に行く前にふと思い出して書いてみた。生きる気力をありがとう、おっさんずラブリターンズ。最後に私の万歩計を添えて……笑



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