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またかよ入院日記 9

パッとしない術後2日目までの記録はこちら。


術後3日目:いろいろ取れる

途切れ途切れでしたがなんとか朝まで眠りました。そして相変わらず窓から燦々と降りそそぐ太陽のもと、朝ごはんの前に体温計を脇にはさんでみました。

あ、熱がない\(^o^)/

この日も暑くて汗をかきそうな陽気ですが、昨日の熱はすっかり下がったようです。

硬膜外麻酔がもうないのに腹の痛みはあまり感じません。おお、すばらしい!
痛くないわけではないのです。起き上がろうと身体を起こしたりすると腹筋近辺に力が入るのでやはり痛い。でも痛さのレベルが低くて十分我慢できます。それに寝ていれば何も痛くないのです。寝返りを打っても痛くないです。

治っていくものなんだなあ……

さらに!
導尿カテーテルが遂に取れました。
血尿はまだうっすら残っているものの、
「真っ赤になったらすぐ教えてくださいね」
ということで放免です。
やったぜ!!

点滴もついに終わったということで外されました。
きゃっほーきゃっほー!
管がないよ。点滴針だけは万一に備えてまだ入れたままですが、身体からにょろりんと伸びた導尿カテーテルと点滴管がなくなり、点滴スタンドもなくなるというのは自由が10倍増しくらいになった感覚で清々しいです。

ということでシャワーも許可!!!

やった、やっとシャワーだぞ。この臭いから解放されたいぞ。
とにかく香ばしくにおってるんですよ自分が。ベッドに寝ているとアルコールが何日も閉じ込められて発酵したような(アルコールってそもそも発酵してるんだっけ?)においがします。苦苦苦。何度も汗だくになっては乾いたパジャマもイヤだ。

さっそくシャワー室に出向きました。個室なのでトイレの隣にシャワーは付いてるんですけど、なんとなく面積広めの共用シャワーブースに行ってみたくて。

おなかの創とは初めて対面しました。
へそ下から真一文字に12センチほど切れていて、その真一文字に垂直に、細いテープが隙間無くまるでレンガを縦に並べるように貼ってありました。こんな風に綴じるんだなあ。
こすってはいけないけどテープの上から泡で優しく洗い流していいですよとのアドバイスに、おっかなびっくり、ちょろちょろとシャワーをかけてみました。痛くありません。
それからシャンプー。ああ気持ち良い。パジャマも着替えてスッキリです。
 

面会は15分

午後になるとオット氏が見舞いに来ました。
この病院は面会が平日午後の2時間ほどの間に15分だけ許されるのです。個室だし、他の人には迷惑かけないし、多少延びても平気だよね~~と思っていたら、ジャスト15分で看護師さんが現れてにこやかに「15分たちました」と言われました。
時間測ってたんかい!

にらまれても困るのでオット氏はそそくさと帰っていきました。行き帰りの時間の方がよほど長いよ。ごくろうさま。

15分だと、顔見て「どう?」って言って、「シャワーに入った」くらい会話して終わりです。素っ気ないと言えば素っ気ない。コロナ以降は面会を厳格に制限する病院ばかりになりました。コロナが5類になって道行く人が皆マスクを外しても病院の中は変わりません。ちょっと前にオットが入った整形外科は面会一切禁止で一度も会えませんでした。

だけど入院していると結構忙しいです。
特に午前中は、血圧や体温を測ったり、時には採血などの処置もあったり。ごはんも来るし、あまり長々と家族や見舞客がいるのはかえってよくないのかもしれません。おしゃべりな見舞客が来たらずいぶんと鬱陶しいし気を遣って身体にも障りそう。してみると今の状況がベストでなくてもベターなのかな、なんて思いました。

面会はこの後も毎日必ず15分で追い出されました。いろんな人がまちまちな時に面会に来て、それを全部、時間を測ってるのも大変ですよね。
 

読書記録

熱が出ている時に読み始めた中島京子の本がべらぼうに面白くて、発熱中もずっと読んでいました。主人公が偶然に出会った喜和子さんという初老の女性の人生と、明治時代から続く「帝国図書館」の歴史が交錯する物語です。最初は分厚くて読めるかなと思ったのですが全然余裕でした。ページを繰る手が止まらず38度の熱も忘れて読んでいました。

帝国図書館は実在の図書館であり、現在この建物は上野の「国際子ども図書館」になっています。知らなかった。図書館フリークとしては一度行ってみたい場所です。

中島京子を読んじゃったので、次は岸田奈美「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」を手に取りました。

こちらはnoteでも拝読していたもの。赤べことかブラジャーとか櫻井翔とか一度読んだことがある章もたくさんなのですけれど、二度目でも(なんなら三度目でも)めちゃおもしろい!
面白くて笑っちゃった所で腹が

イテテテテ……

笑うと腹筋を使うんです。
そうすると痛い。まだ痛い。やはり腹を切ったんだなと改めて自覚させられました。
「ぷっ」と吹き出すだけで痛いのです。吹きだし厳禁。
今後手術予定のある皆様に心からアドバイスです。腹の手術の後は岸田奈美を読んじゃいけません。健康になってから読みましょう。


続きはこちら。


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