Happy Halloween Day 31
Happy Halloween! って実際に英語圏で使われている挨拶なのかな?
英語圏で暮らしている皆さんにぜひうかがいたい(コメント欄で教えて下さい)。
わたしは半世紀以上前にアメリカに住んでいた。しかし Happy Halloween と言った記憶があまりない。幼かったせいで挨拶言葉を知らなかったのか、それとも当時はそういう挨拶の仕方をあまりしなかったのか。
経験した1960年代のアメリカ東海岸の住宅街のハロウィンは、それなりに賑やかだけど町内会のイベントみたいな素朴なお祭りだったように記憶している。仮装するのは子どもたち。大人は何もしていなかったようだ。時代や場所のせいかな。今はするのかな。
ハロウィンって何かも知らない幼児だったので、言われるままにあっち向いたりこっち向いたりしていた。英語も、しゃべっていた割にはホニャララで、何がどうなっていたのか未だによくわからない。
通っていたキンダー(幼稚園の年長クラスみたいな、小1の前に行くところ)からは何か連絡があったのだと思う。母はスーパーマーケットで子ども用の仮装服を買ってきた。そういうのも売っていたのだ。
それは「アルプスの少女ハイジ」の仮装だった。
他にもいろいろあったらしいが、金額と母の趣味(価値観?)に合ったのがそれだったのだと今になって思う。魔女でも何でもなくていいのかと思うが、スーパーでハロウィン用に売られていたのだからいいんだろう。
青いスカートに白いエプロンが付いていて、日本でアニメのハイジが作られる以前からハイジというのは世界的にそういうイメージだったのだと思われる。
しかしハロウィンの仮装なので、服だけでなくヴェネツイアの仮面舞踏会みたいな仮面(メガネのとんでもなく尖ってて大きい奴)がついていた。
当日は服を着て、その仮面を持って登園したようだ。
時間が来ると担任の先生が「さあ皆さん行きますよ」と言って、仮装した幼児の群れを連れてぞろぞろと上階に上がっていった。わたしもハイジのまま、でかい仮面メガネを付けて後に続いた。
ちょっと説明すると、通っていたキンダーは6階建てくらいのビルのベースメント(半地下部分)にあった。上の方は小学校で、1階に1年生、2階に2年生みたいに上級生たちの教室が位置していた。きょうだいが上階にいるクラスメートも多くて、兄や姉に会うと双方ではしゃいで楽しそうだった。それをいいなあと横目で見ながらわたしたちは次々に小学校のクラスを訪問していった。
上にきょうだいもいないし、だいたいひとりだけ超レアな東洋人で(当時日本人はとても少なかった)、知り合いもなくぼーっと前の子のあとをついていったら、4年生の教室で急に袖を引っ張られた。
「わーきのこちゃんかわいい! すごいファンシー!」
(と英語で彼女は言っていたのだけれど、どういう言葉だったかは記憶の彼方。意味だけ覚えている)
それは隣の家のアマンダだった。アマンダは4年生で、普段から仲良くしてくれた数少ない近所の友だちである。彼女は5人きょうだいの末っ子なので、自分より年下のわたしが引っ越してきてたいそう喜び、学校ごっこで先生役をやってはわたしのモゴモゴ英語の矯正をしていた。自分のきょうだいの中にいると末っ子の彼女は決して先生役をやらせてもらえなかったからね。
そんなわけでわたしにもひとりだけ、姉みたいな人が上の階にいて、仮装して来たことを喜んでくれたのだった。幼児だし英語はモゴモゴなので
「Really?」くらい返事してニソニソ笑っていたのだと思う。
夜になるとTrick&Treatがあった。実は近所の子どもたちと一緒に家々を回らないかと誘われていたのだが、親は「まだ小さいから」と断ったらしい。昭和中期である。ほとんどの日本人はハロウィンなんて言葉も知らなかった。異国に来て、初めて聞く異国の夜のイベントに、就学前の幼児をひとりで参加させるほど親は無謀ではなかったのだと思う。残念だったけど。
暗くなった頃、近所の子どもたち数名がやってきたので、親は用意したお菓子をみんなに配った。その時に撮った写真が残っている。仮装した5人くらいの子どもたちと仮装してない普通の服を着た小さいわたしが一緒に写っている。なんかなーわたしもみんなと一緒にお菓子もらいに行きたかったなーという顔をしている。
ハロウィンって、「お化けがたくさん出る夜」なのだから、日本のお盆みたいなものと思っていた。ご先祖というイメージはハロウィンには無いし、もっと人間を怖がらせるようなお化けばかりだけど。
本当のところはどうなのかな。
自分の中には素朴な田舎のお祭りみたいな印象しか残っていない。日本の盆踊り的な。
本来はそういうものだったのかもしれない。
10月は毎日更新をめざし、遂にこれにて完走いたしました!
お読み下さりありがとうございました。
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?