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ミュージアムロードを行く(その2) Day 24

トップ画像の牛たちは、泊まったホテル「木ニセコ」の玄関にいたもの。なんで牛なのか? 全然わかりませんが楽しいです。いろんな色の牛がいました。あ、ここのホテルもたいそう結構でしたがレストラン杏ダイニングが有名。宿泊客は備え付けの作務衣とスリッパでレストラン入館OKなのでそのつもりで行ったら、周囲はドレスアップして外から来たお客が多くてちょっとビビりました。
宿泊客であっても普通に服を着て行った方が良さそうです。フレンチだし。

杏ダイニングの前菜


さて、北海道の後志地方には「しりべしミュージアムロード」という知ってる人しか知らない美術館などを結んだコースがあります。この夏にそのあたりに行ってきたのでご紹介。その1はひとつ前のエントリーにあります ↓

共和町の西村計雄記念美術館を出て国道5号線をずーっと南下していくと倶知安くっちゃんという町に出ます。共和町もそうですけれどここも屈指の農業地帯。それからスイスのサンモリッツ市と姉妹提携しているそうで、冬には雪がたくさん降るリゾート地でもあります。
でも倶知安自体は町なんですよね。スキー場は車で少し行ったところにいろいろあります。

余談ですけど、このあたりは豪雪で雪質も良いのでオーストラリアなどからのスキー客でものすごくにぎわいます。「えっ、ここ日本?」くらい賑わうそうです。南半球はちょうど夏なんですよね。で、夏に冬スキーをしにニセコにやってくるというわけ。わたしはもうスキーは難しいので(もともと下手だし、筋力が衰えちゃってスキーをコントロールできない)夏場にしか来たことがありません。


小川原脩記念美術館

この美術館を紹介している倶知安町のページをここに貼ろうとしたんだけど、URLを貼り付けると何故かものすごく文字化けしてしまうのでリンクだけ貼っておきますね。美術館のFacebookはこちら。とってもかっこいい建物です。

小川原脩記念美術館のエントランス(2017年)

小川原脩はこの倶知安の出身。作品は油彩です。最初はシュルレアリズムの方向に行っていたようですが、第二次大戦時に表現活動への規制が厳しくなって断念。戦後はずっとこの故郷で絵を描き続けたそうです。
1970~80年代に旅をして描き始めたチベットや中国、インドの絵が注目されたようです。

ここも、静かで美しくとってもステキな美術館なんですけど、来館者は多くなくて穴場。絵を鑑賞しながら静かに瞑想にふけることだってできます。魂の洗濯にどうでしょうか。それから係の方(学芸員さん?)がとても親切。何でも教えて下さいます。

この美術館を出たところは公園になっていて、向かい(隣?)の倶知安風土館まで続いています。ここも散策したり佇んだりするのにステキな場所。豪雪地帯なので冬場は埋まっちゃいますから、夏に行くのが吉です。
そうそう、下の画像は2017年のものなので、今は少し違っているかも。木が大きくなっていたり。

美術館と風土館の間の公園(2017年)

倶知安風土館

小川原脩記念美術館を出て公園をまっすぐ突っ切ると倶知安風土館があります。美術館との共通チケットがあったはず。
どうも倶知安町のHPとnoteの相性が悪いようなので(文字化け化けになる)リンクだけ貼っておきます。

関心の無い人だと通り過ぎてしまいそうな……もったいない!(2017年)

ここがね、ここが、「しりべしミュージアムロード」には入ってないんだけど、超穴場!! ここは行くといいよ。すごく面白い博物館です。

全体は自然・環境と歴史に別れていて、多彩な展示があります。本当にこの値段で、これ全部見て触っていいんですか、ってくらい。
近隣の小中学生だけに見せておくのはもったいない。観光客も行くべし。

なんというか、見ていて、学芸員さんの努力というか熱意が感じられるんです。がんばってるな~という。理系も文系もみんな楽しいよ。この地域の動植物についてもわかるし、気候や地形もたくさんの展示があります。
歴史の領域では、ちょっと見、普通の日本の昔のようで、でも寒くて雪の多い北国ならではのいろいろがわかって「ほほう」と思います。

倶知安風土館の中の資料室。これから展示に向けて整理されるのか、すごい量の昔の道具たち。(これは2024年の画像)

有島記念館

倶知安からさらに5号線を南に下っていくと、有島記念館があります。有島武郎の記念館です。建物が夢のようにステキ。

2017年の画像
これも2017年
これは2024年

ニセコ町の公式サイトが今ひとつ更新されてないようなのですが、
公式インスタはちゃんとアップデートされています。

有島武郎はご存じの(だって国語で出てくるからね。試験にも出るし)白樺派の小説家ですが、理想の社会を求めて地主であったこのあたりの土地を小作人に無償開放したことでも知られています。ここの地名、「有島」っていうんですよ、今でも。ご本人は東京生まれでヨーロッパに留学したりもした都会人のようですが。

で、この記念館は有島の功績だとか生涯などについていろいろな展示があるのですが、それ以外にも様々な企画展をやっていたり、面白いものを売っていたり、コンサートが開かれたり、多様な活動があるんです。

で、森野が北海道で一番好きなカフェのひとつがここにあります。
ブックカフェ 有島記念館×高野珈琲店

森野きのこのnoteトップページがこの画像。佐藤雅彦(の本)と初めて出会った場所。

有島記念館のアートホールという、一階奥の広い部屋の片隅にあります。記念館の料金を払わず展示を見ないで、ここだけ利用することもできます(入口で入るときにそう言って入れてもらう)。ブックカフェなので、有島記念館所蔵のたくさんの本(本棚に並んでいる)を読みながら珈琲をいただくことができます。

だけど展示会や展覧会などで使われているとブックカフェがお休みになってしまう(テイクアウトはできる)のですね。今回行ったときはちょうど他の展覧会にぶつかってしまい、残念ながらここでまったりできませんでした。
前回(2023年)は16時でカフェは閉店なのを知らず、16時に飛び込んでダメでした。営業時間も記念館とは違うのでよくチェックしましょう。


北海道のニセコ近辺というとスキーしか連想されないことも多いと思います。が、こんな面白い場所もあるのです。夏も来ていただけると避暑にもなり、道民としてはうれしいです。



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