ep10. カンパイ!エンジニア職と非エンジニア職 (ゲスト: @jollyjoester)
※この記事は2019/10/15収録の「カンパイ!エンジニア職と非エンジニア職」の文字書き起こしです。一部、編集を入れています。
オープニング(00:00〜)
treby:きのこるエフエムは技術分野、キャリア属性の異なる私たちパーソナリティーがこの先生き残る上でのキャリア戦略を共有したり議論することで、シニアなソフトウェアエンジニアのみなさんのキャリア、人生設計に貢献することを目的にしたPodcastです。番組はマネジメントに攻めるRubyistのtrebyと、
banjun:スペシャリストになりたいiOSデベロッパー、banjunがお送りします。
treby&banjun:よろしくお願いします。
まずはカンパイ!(00:32〜)
jollyjoester:みなさん飲み物は持ちましたか?
treby&banjun:はーい!
jollyjoester:それではカンパーイ!
treby&banjun:カンパーイ!
jollyjoester:改めまして、「七つ」の「島」と書いて七島と申します。インターネット上のIDは全部「@jollyjoester(ジョリージョースター)」というIDでやってます。
今メルカリで働いていてエンジニアリングオフィスというエンジニア組織を強くするためのあれこれをする仕事をしてますと。趣味はコミュニティとか勉強会を盛り上げるのが好きで、Swift愛好会とかKotlin愛好会とかっていう勉強会を毎月1回ずつ開催してるんですけども、それを4年ぐらい続けたりとか。try!SwiftTokyoとかKotlinFestとかがあって、カンファレンスの運営とかをいろいろとやったりしてます。今日はよろしくお願いしまーす!
treby:お願いしまーす。
banjun:よろしくお願いしまーす。
treby:すごい!完全に話を振らずとも勝手にもう自己紹介までいていただいた(笑)
banjun:ね。素晴らしいね。
jollyjoester:完璧だった?
treby:完璧でございますね!完璧すぎてもう。ありがとうございまーすって感じですね(笑)
jollyjoester:はい。よろしくお願いします。
treby:一応jollyjoesterさん来ていただいてますけども。私はもともと同じ会社だったんですよね。
jollyjoester:そうですね、僕前職の同僚のつながりでtrebyさんに呼んでいただいたっていう感じですね。
treby:banjunさんはjollyjoesterさん、ジョリーさんのことはご存知ですか?
banjun:もちろん知ってます。知ってますけど、特に面と向かって話したみたいなことはないですかね。
jollyjoester:面と向かって(笑)まあそうですね。僕がもともと、もともと?今もって言いたいんですけど、iOSとかAndroidのアプリ開発とかを主にやっていたので、同じ界隈にいるってことですかね。
banjun:そうですね。僕もそのiOSの勉強会みたいなところの界隈に顔を出すようになって。そうするとどうやらこの界隈には「世界的カンパイヤー」という方がいるらしいと、そこからですよね。
そこからSwift愛好会のオーガナイザーをやってらっしゃって、その辺で存在は知っているし、たまに話したりしてるのを見かけることはあるという、そういう感じですね。
jollyjoester:話してるのを見かけることがある (笑)
banjun:そういう感じですね。
treby:じゃあbanjunさんはジョリーさんのこと一方的に見かけてた、と?
banjun:そう。どっちかというとそう。一方的にって感じですね。
jollyjoester:ありがとうございます。
treby:ジョリーさんはbanjunさんを知ってましたか?
jollyjoester:Twitter上とかでお見かけしたことあるなっていう感じですかね。
banjun:おお、あ、そうですか。
treby:すごい。話したことなくても両思いみたいな(笑)
banjun:いやいや、言い過ぎだわ(笑)
jollyjoester:すごいな、両思いの人がいっぱいいそう(笑)Twitter上に(笑)
treby:言い過ぎですか、すいませんでした(笑)。
ということで、jollyjoesterさんに今日来ていただいたいんですけども、ぜひここまでのエンジニアのキャリア、どういう流れがあってエンジニアになったのか。
で、今どういうことを考えてお仕事をされてるのかっていう話を聞きたいなって思ってます。っていうのもReproにいたときのjollyjoesterさんの動きっていうのを私そばで見てたんですけども。
最初iOSデベロッパー、正確にはSDKを作るデベロッパーで入ってきてて、途中からテクニカルサポート、今CREと呼ばれているところの立ち上げをやられて。
さらにそこからメルカリ社に、今やられてるエンジニアの組織を強くする側、つまり直接プロダクトのコードを書くってところとはまた違う感じでの絡み方をしてるのかなっていう認識なので、私が見てる範囲内ではそこなんですけどもその前にもあるはずで。その経緯みたいなのを聞いていけたらと思います。
新卒入社した会社でのプログラミングとの出会い(4:09〜)
treby:jollyjoesterさんの今までの経歴みたいなところから聞いていきたいなと思うんですけども、お願いしてもいいですか?
jollyjoester:仕事に近い話からっていうと、多分まずは大学でやってたことからかなとか思うんですけども。
大学時代はソフトウェアとか全然関係なくて、高分子合成の研究ですね。化学の世界で高分子合成、プラスチックとかゲルとか、そういうのを合成して新しい素材を作るぞみたいな研究をしてましたと。
なので、全然パソコンとかも詳しくなくて。よく化学者ってフラスコを振ってるみたいなイメージあると思うんですけど、まさにああいう感じで物質を合成してみたいなことをずっとやってましたと。
そのあと修士まで行ったんですけども、アカデミックな世界でいくと助教とか准教授、教授とかになっていくと多分何十年単位で頑張っていかなきゃいけないというか、ずっと研究しなきゃいけないみたいな感じがあって。ちょっとそのイメージが全然なかったんですね。
もっと個人がガッと頑張ればガッと成果が出せるような業界に行きたいなという短絡的な思考を持って就活をしたときに、当たったのがコンサル業界でした。
コンサルだと実力次第では若くてもすぐ認められるみたいなイメージがあったのでそっちの会社を受けてみて。ちょうどアクセンチュア出身の人たちが立てた小さな会社があって、そこの会社に入ることになって、生産管理コンサルタントとか。関連してITコンサルタントみたいなことをやっている会社ですね。
確か当時50人ぐらいの、中くらいの会社だったと思うんですけども、そこに新卒として入りました。
treby:そのときはエンジニアみたいなキャリアを考えて入ったんですか?それともコンサルだから入った?
jollyjoester:コンサルのほうですね。(その会社は)ITコンサルと生産管理を両方やってるっていう会社だったんですけど、PC触るのも苦手というか、入ってすぐ「お前、ブラインドタッチできねえのか」みたいな。
「ブラインドタッチできるようになれ」みたいな感じで言われるぐらいPC触んのが音痴だったんで、どっちかというと生産管理コンサルのほうっていうのを志望して、最初のキャリアとか研修とかは受けてました。
では生産管理コンサルは何やるかっていうと工場とかの歩留まりとかを上げるみたいな話とかに関与したりするもので。トヨタとか、そういう大きな会社の工場で、ラインの効率化に携わっていました。
例えばこの部品を組み立てるのを5秒から3秒にすることでシュッと速く組み立てられるようにして、みたいなところをアドバイスするんですね。
あとそれをサポートするようなシステムを組んだりするみたいなところっていうのがメインのお仕事で。当然新卒なんで先輩社員にくっついてそれのお仕事のサポートをするみたいなことをやってました。
ただそこが今につながるプログラミングとかとの出会いで。(会社での役割が)生産管理コンサルだとしても、新卒研修でC言語とPHPの基礎かな、っていうのを必ず受けさせられるんですね。
逆にプログラマー志望の人でも生産管理とかのビジネス側の研修も受けていたんですけど、その(ビジネス面と技術面の)両方を知ってることが価値になるみたいなことを謳ってる会社でした。
そんな経緯で、たまたま(プログラミングとの)最初の出会いがありました。
treby:会社の方針で、もう否が応でもエンジニアの知識を最初に学ぶことができたんですね。
jollyjoester:そうですね。すごい基礎的な、C言語の教科書みたいな話のやつをちょっとやって。コマンドライン上の書籍管理システムみたいな、単純にメモリ上に記憶してるだけの図書管理システムみたいなのをちょろっと作って、「あ、よかったね」みたいな、動いたみたいな感じのをやりました。
treby:大学の講義みたいですね。
banjun:どれぐらいやるんですか?それは1ヶ月とか?
jollyjoester:2週間でしたね。
banjun:ほぉ。
jollyjoester:1週間でC言語のそのシステムを、1冊本読んで作れって言われて、もう1週間でPHPで簡単なウェブシステムを作って。
POSTとは何かとかGETとは何かが知らない状態で、とりあえず最低これを覚えろみたいな感じで作らされたっていう感じですかね。
それ以外はもう1ヶ月ぐらいが研修で、半分そのプログラミングの研修やりながら生産管理のほうの、BOMとか部品表みたいな話とか。工場のラインの話とか。
あともう完全に忘れちゃってるんですけど工場の経費とか、何やる間接費とかで何が原価になるのかとかっていう、そういう減価計算の話とか、なんかそんな話をちまちま勉強した覚えがありますね。
treby:工場といえばbanjunさんの一番最初のキャリアも工場から始まってるわけですけど(笑)
banjun:いやいやいや。たまに応援しに行っただけですよ。
もともとメーカーにいたんで、そのときに工場にたまに行かされてっていう表現がいいんですけど、ちょっと手伝いをしてっていう日がたまにあったなっていう感じですね。
jollyjoester:お手伝いっていうのは工場のラインとかに行ったっていう話ですか?
banjun:ラインはラインなんだけけども、いわゆる通常稼働しているラインではなくて一時的に人が足りなくなったので仮設でラインが組まれてそこを手伝うみたいな、そういう類いのやつですね。
treby:メーカーのITで入ってるんですけども工場も持ってるからそれのお手伝いに行くっていう感じですね。
banjun:どうしても人手が足りない時期っていうのがあって。そこで入ったりするっていう。
jollyjoester:おお、めずらしく近いところにいた可能性がある人に出会った気がします(笑)
treby:ちょっと脱線しましたけど。研修でC言語とかPHPとか触ったときに、jollyjoesterさんは楽しかったですか?
jollyjoester:それは楽しかったですね。楽しかったですけど、その当時の志望は生産管理とかのほうになるぞって思ってたんで。
なんかゲームを楽しむみたいで、こうやってプログラム組んだらこう動くのねみたいな、面白れーみたいなぐらいでしたね。
treby:最初はそんな感じだけども、出会いではあるという話なんですね。
jollyjoester:そうですね。
treby:その生産管理のコンサルタントはどれぐらいやられてたんですか?
jollyjoester:その会社自体にいたのが5年半ぐらいですかね。途中までが生産管理っぽいところの先輩についていろいろやってたんですけど、その会社の中でかなりソフトウェア開発に近いところというか。
めちゃくちゃでっかいSIの一次請け、プロジェクト担当として入るチームに5年半の間ぐらいで配属されてたんですね。
SIのプロジェクトマネージャー、プロパーの人が要件をある程度固めて持って来て、一次請けの僕らがその要件の整理、基本設計って呼んでるものですね、大まかな設計とかをして。
さらに僕らの会社で請けてる、二次請けの人たちにベテランのプログラマーの方がいて、その人にこういう設計でこういうプログラム組んでくださいとか、テストやってくださいみたいなポジションのところに配属をされて。その役割を2年ちょいぐらいやっていましたと。
treby:プロパーっていうのは正社員のこと?
jollyjoester:そうですね。SIの大手の会社の正社員。
treby:一番上流の意味合い?jollyjoesterさんはプロパーじゃないの?とかちょっと思ったんですけど。
jollyjoester:プロパーじゃないです。一次請けで雇われてる側として入った。僕はコンサル会社の正社員なんですけど、そこに契約でSIに常駐する人として。多重請負構造っていうやつですか。
treby:多重請負構造の中のプロジェクトチームの中では請ける側で、プロパーじゃないよっていう話なんですね。
jollyjoester:そうですね。一番最初に仕事発注する側がいて、それを僕らは1個目で受注する側ですと。僕らは僕らのチームの中にもさらにそこからプログラマーとかをほかの会社から雇っていて、みたいな感じがプロジェクトの構造ですかね。
一応発注する人が一番偉いので、SIとかだと上流は発注する側が押さえて、下流工程というか、用件から来て設計とかが来て実装とかっていうふうにだんだんだんだん役割分担をしてるっていうのが当時は普通だったというか、僕がいたところはそういう形でやっていました。そして僕はその中間ぐらいの役割をやっていました。
treby:ありがとうございます。ようやく言葉のニュアンスを自分の中で吸収できました。
jollyjoester:多分僕らが今いるとこはWeb系って呼ばれるところで、そのカウンターにSIの業界があるんですね。(プロパーとか一次請けとかは)当時のSI業界での言葉の使い方ですね。
treby:じゃあSIの方面に行くと当たり前のことなんですね。
jollyjoester:多分SIにいたことがある人はなんか分かると思います。
treby:勉強になります。じゃあjollyjoesterさんは間にいるポジションみたいな?
jollyjoester:そうですね。なので、プログラムができない若いやつがいきなりこの基本設計とかをする役に入ったんで、当時のことを考えると二次請けのベテランのエンジニアからすると相当うざかっただろうなとか思いつつ。
そこで実際のソフトウェアエンジニア開発をするベテランのおじさんたちと一緒にコミュニケーションをしてるうちに、「あれ?これなんかプログラミング面白そうだな」っていうふうになって。
ちょいちょいちょいちょい惹かれていったのと、あとは設計とかの仕事をするのに実装の話とかが分かんないとそもそも仕事になんねえよなみたいな話をだんだんだんだん気付いてきて。
それで自分も学ぶようになってきたって感じですかね。
iPhoneアプリに可能性を感じフリーランスエンジニアに (14:05〜)
treby:生産管理のコンサルっていってもそれはそれで尊い仕事だと思うんですけども。いざ飛び出そうっていうふうになったのは何かきっかけがあったんですか?
jollyjoester:そうですね。最初「生産管理コンサルタントになる」って言っていた割りには、SIの現場になってからはだんだんそのことも忘れて、ソフトウェア開発の現場のことが面白くなってきて。
ただそこに興味が湧いてもうちょっと知りたいなって思えば思うほど仕事での役割に限界を感じたんです。SIの中のプロジェクトマネージャーみたいな役割をしていく中で、なんかこれ実装するほうに回んないと駄目だなみたいな感覚がちょっとずつ出てきたって感じなんですよね。
そのモヤモヤがたまった頃にiPhoneが日本で発売されて、何か作りたい欲があった。iPhoneアプリ最初のほう結構バズってて、個人でもアプリを作ることができるみたいなことがあって。
僕がそれまで経験してたソフトウェア開発って大規模のものしかなかったんでチームとか会社じゃないと作れないと思ったんですね。だけどiPhoneアプリだったら一人で作れんじゃんって思って。
仕事をやりながら終電で帰って2時間ぐらい毎日iPhoneアプリの開発を勉強して、1個アプリを作ったぐらいのときに、これいけんじゃねって思って会社辞めてiPhoneアプリのフリーランスを勝手に名乗り始めたっていう感じの流れでエンジニアデビューをしました。
treby:すごいガッツですね。
banjun:いや、すごいですね。
treby:そのフリーランスになった段階で仕事のあてはあったんですか?
jollyjoester:ほぼないも同然でしたね。当時クラウドワークスとかが出始めてたんでそこで8000円ぐらいの仕事を1回受けたんですよ、仕事しながら。
treby:納品ベースで?
jollyjoester:そうそうそう。じゃんけんアプリみたいなめちゃくちゃ簡単なやつが8000円ぐらいであって、試しにやってみよっかなと思ってやったら、たかが8000円ですけど一応自分で仕事を受けて納品してお金を稼ぐって体験をそこで初めてして。
若かったからか、あ、これで俺イケんじゃねとか思っちゃったんでしょうね。それでそのまま行きましたって感じですね。
treby:その当時っていうのは、26、7ぐらいですかね?
jollyjoester:いや、31かなんかですね。僕高校中退していて、大学に入ったのが二十歳なんですね。そのまま修士まで行ったんで新卒が26歳。そっから5年ちょいとかなんで31とかですね。
treby:今から数えると5年、6年前ということですか?
jollyjoester:そうですね。今が37なんで、もう6年前ですね。
treby:6年前?
jollyjoester:はい。なので、エンジニア歴6年です。
banjun:iPhoneから数えて6年ってことですかね。
jollyjoester:そうですね。最初に日本で発売されたのがiPhoneの3Gかな。
banjun:3Gですね。
jollyjoester:3Gのときは完全にスルーしていて、先輩が持ってるのを見ながら面白いなとか思いつつ全然手が出せなかったって感じですね。3GSのときに買ってドハマりして、4のときに初めて自分のアプリを確か出したみたいな、ぐらいのタイムラインとかですね。
banjun:プロジェクトマネージャーからソフトウェア開発に入って手を動かさなきゃって下に降りていく、それがiPhoneだったっていう。
jollyjoester:そうですね。単独でサーバーとか立てるのも、当時だとそんなにクラウドみたいなのもなかったと思うんで。サーバー自分で買うなりとかして試すみたいな感じで、当時の僕には結構ハードルが高く感じて。
それがiPhoneだとMacを買わなきゃいけないっていうハードルはめちゃくちゃハードルなんですけど物が手元で動くっていうのがすごく魅力的に感じて。今でもだからモバイルが好きなのかな、みたいな。
センサーがあって手のひらに収まるサイズの中にすべての機能が収まるみたいな話が面白くて、ずっとやってんのかなと思いますね。
フリーランスエンジニアになってから (18:06〜)
treby:フリーランスを名乗り始めたタイミングが31ぐらいの頃にあると思うんですけども、そこから何が起こったかっていう話をちょっとお聞かせいただけますか?
jollyjoester:はい。実はフリーランスの時期ってそんな長くなくて、1年ぐらいだったんですね。最初はアプリじゃなくて、Javaを使う案件、SIでやってたプロジェクトで使っていたんですけど、それで高単価なのが2ヶ月連続で入ったんですよね。
月額80万円ぐらいのやつを2ヶ月連続でゲットして、「何だこれ?ウハウハじゃん」みたいな感じで思って。短期だったんですけどやりました。ところが僕がほしいのはモバイルアプリのお仕事で、あんまりなくて。3ヶ月目にモバイルアプリの仕事ばっかり探してたら月収が8万しかなくて。
treby:急に10分の1になりましたね。
jollyjoester:そうですね。ショボーンってなって。これやべーな。もうそのとき第一子が生まれたばっかりとかだったんで、子どもがいるのにこの月収やべえなとか思いつつ模索をしていましたって感じですね。
その中で技術的にはとにかくいろいろモバイルの案件がほしかったんで、最初はCordovaっていうやつですね。Cordovaっていうクラスプラットフォームのウェブベースの技術でiOSとかAndroid両方作れるよみたいなものから始めて。
やっぱりカジュアルゲームが結構人気だったんで、Cocos2d-xでC++でまたiPhoneとAndroidのゲームアプリを両方作るみたいなことに手を出し、結局両方つらいってことでネイティブに戻ってきてみたいな感じだったんですね。
banjun:つらかったんですね(笑)
jollyjoester:はい。Objective-Cをどうしても学びたくなかったんですけど、頑張って学んで。ネイティブも作れるようになってきたんですけどそんなに仕事も安定していませんでした。
その頃にちょっとずつフリーランスの仲間が増えてったのですが、当時iPhoneだけしかできないっていう人が結構多くて。でもお客さんからiPhone、Androidの両方ほしいみたいな要望が多かったんです。
そうするとフリーランス仲間は仕事取ってくるんですけど、iOSしかやる気がないんで、「ちょっと分けてあげるよ」みたいな感じで「Androidやんない?」って言われることがたくさんありました。
もともとJavaをやってたこともあって、じゃあ僕Android担当でやりますみたいな感じで仕事を受けたりしていく中でAndroidも学んでみたいな感じで。
ということでiOSのネイティブとかAndroidのネイティブとかクロスプラットフォームとかをいろいろうろうろしながらお仕事をゲットしてたみたいなのがフリーランス1年目ですね。
あとは、それだけだとなかなか出会いや学びがなかったので、アプリ開発の講師みたいなこともやっていました。当時、RainbowAppsっていうスクールが盛り上がっていて、僕も最初はそこで学んでそこから独学でさらに広げてった感じだったんですね。
そうしたら「そこの講師をしないか?」みたいなことをお声がけいただいて。最初は湘南校の助手だったのが横浜校の助手に呼ばれて、それから横浜校で講義を持つようになって、そのあと代々木の本校に講師として呼ばれてみたいな感じで、スクールの中ではどんどん中心の学校とかに呼ばれるようになったみたいな感じで、教えるほうも楽しくやってましたと。
treby:教える方面でキャリアアップしたんですね。
banjun:フリーランスになってから幅も広がるし、先生になるし、スピード感がすごいですね。
jollyjoester:ちなみにそこの学校の仲良かったというか、一緒にやってた先生4人で一番最初の商業誌を共著で出していて。それが『世界一受けたいiPhoneアプリ開発の授業』だったかな。
その本の著者になるっていう経験もそこのスクールをやってたっていう経験から広がったみたいな話があったりとかして。その頃から急に人生が面白くなったというか、予想しないことに出会える数がやたらと増えました。
treby:ああ、そのタイミングであの本を執筆されたんですね。
jollyjoester:そうですね。実際に出版されたのはもうちょっとあと、Repro入ってからぐらいかもしれないですけど、でも種はフリーランスの頃にまかれていました。
banjun:Swift対応って書いてある。
jollyjoester:そうそうそう。一番最初の初版が出たのがSwift1.1のときだったんですよ。1年経たずに改訂版を出すことになったんですけど、そのときはもうSwift2.3だったっていう(笑)
treby:そっちのスピード感も半端ないですね。
banjun:いや、半端ないですね。本にしたらすぐ変わるから、本として出すことは難しかったと思いますね。
jollyjoester:その改訂版を急いだのも、バージョンがやっぱり古い状態で本屋さんに置いてあると、「そのまま書いたらエラーになる」みたいなクレームが来るからというのが大きかったです。
通常から考えたら1年もないのに改訂版出すっていうのは早めのタイミングだったんですけど、ある程度勢いに乗って売れてる段階のときに早くいっちゃいましょうみたいな。
treby:なんかフリーランスになってからの1年のほうが生産管理の5年半よりも濃密な気がしたんですが。
jollyjoester:いや、圧倒的濃密でしたね。今から考えるとその5年半俺は何をやってたんだってぐらい、自分としてはすごくいろいろ勉強したりとかしてたんですよ。例えばIPAの基本情報試験があるじゃないですか?
あれを当時常駐してたSIの人のプロパーは1年目で取る。3年目ぐらいまでに応用(応用情報技術者試験)を取る。それ以降、毎年専門の、ネスペ(ネットワークスペシャリスト試験)とか、そういうのを取るとかみたいな感じで聞いてたんで。
うちの会社は別にそういうことは推奨も何もしてないというか、好きにすればって感じだったんですけど。プロパーに負けたくねえっていう思いが若干あって。
そこのプロパーの若い人と同じ試験を狙っていったんでそれなりにこういう資格試験の勉強とかをしてたりとか。あとはベテランのプログラマーについていくために設計とか、デザインパターンとかその当時一生懸命よく分かんないけど勉強したりとか。あとテスト、ユニットテストとかどうすんのかみたいな話はある程度座学で勉強はしてたんですよね。
Reproとの出会い (24:30〜)
treby:そろそろRepro社来るのかなっていう気がするんですが。
jollyjoester:来ますね、はい。
treby:では、その出会いからお聞かせいただけますか?
jollyjoester:フリーランスをやって1年ぐらい経った頃に、なんかいろんな出会いとかがあって。講師とかをするし、いろんな仕事をして自分の成長も感じてきて、フリーランスとしても、やってけそうな気分になってきたんですね。
そうするとフリーランスの限界というのをふと感じ始めてしまって。例えば小さなアプリだと1、2ヶ月とか、でかくても半年以内ぐらいなんですけど、そのくらいの仕事を取ってきても自分一人だとこなせる量に限界があるじゃないですか。
そのときにフリーランスをずっと続けてもなんかつらいだけだなみたいな感じっていうのがあったのと、当時スタートアップとかがだんだん盛り上がってきたところなんで、そういった環境でチームでやりたいな、みたいな。
しかも、まさに今のスタートアップがやっているように、SIみたいな階層があるチームではなくて同じ目的のことを、それぞれのファンクションが違う人たちが同じ方向を向いて何か一つのことを成功させるみたいなことっていうのを憧れ始めて、それを探すことになるんですね。
当時はWantedlyが始まったばっかりぐらいのときだったかな、ちょっとそれでいろんな会社聞きに行ってみようっていうことで片っ端から面白そうなところに「話を聞きにいきたい」ボタンを押して、話を聞きに行ったんです。
当時モバイルエンジニアもそんなに多くなかったんで、「アプリ開発できます」というと、ちょっと手伝いませんかとかっていう、案件獲得もしながら面白そうな会社ないかなみたいなのを探す、みたいなことをいろいろとやってました。
実はReproとの出会いはそれとは全然関係ないんですけど、あるIT企業が「肉おごるからエンジニア集まれて」っていうイベントをやっていて。僕は意地汚くそこにですね、タダ肉に集まったわけですよ。
そしたらですね、なんと三木さん(Reproの共同創業者)という方がですね、タダ肉のところにいて隣かなんかだったんですよね、たまたま。
banjun:(三木さんも)食べに来てたんですか?
jollyjoester:三木さんもタダ肉目的で食べに来てて(笑)
この会社さんは自社のエンジニア採用のためにお金を出してるんですけども、三木さんはその当時すでにReproを始めてたんで、多分他社の金でエンジニア採用をするぞっていう、その狙いで来てたんです。あくまでも推測なんですが。
そこで三木さんと会ったんですが、これはあくまで三木さんとの出会いだけでした。Reproを知ったのは別件で、Reproじゃない他のスタートアップの人に誘われてオフィスに話を聞きに行ったんです。
そのオフィスがKDDIの∞Laboというところで、当時三木さんたち、Reproのメンバーも∞Laboにいて。
そうしたら、話が終わったあとに三木さんたちが来て、「ちょっとうちの話も聞いてくださいよ」っていう感じでReproの紹介をしたっていうのが、多分Reproのことをちゃんと知った初めてのタイミングですね。
treby:じゃあReproで誘われて行ったというよりは、ほかのところに行ったらそこにReproがいて話を聞いたみたいな。
jollyjoester:そうですね。そんな感じです。もともとの呼ばれたところの話も面白かったんですけど、確かちょっと僕では太刀打ちできそうにないなみたいな感じでその場では何にもなくて、一方Reproのほうはちょっとお手伝いできるかもというのがあったんです。
っていうのもアプリを作っていて、Reproは当時もう三木さんがiOS向けのSDKを作っていましたってことなんで、じゃあそのSDKを試すことだったら自分にできるなと思って。
面白そうだったので、最初は仕事というよりかはちょっと手伝わしてくださいみたいな感じで入ったと記憶しております。
treby:好奇心ベースでやってるんですね。
jollyjoester:はい。(Reproと労働の)契約とかはしてないんですけど試してもらうためにReproの使い方とかを教えてもらって。
三木さんは(SDKが)iOSのネイティブで動くことは確認してるんだけど、クロスプラットフォームでやったら対象のアプリが増えるじゃないですか。でも、Cocos2d-xとかでReproのSDKが使えないかみたいなところが試したくて。
一方、僕はフリーランスのときにCocos2d-xとかでゲームを作ってたんですよね。だから最初は「それなんかできるかもしれません」みたいな感じで、お手伝いしていました。
仕事ではなくやらせてくださいみたいな感じでなんかいろいろ試しにやってみたら、細かいところは対応が必要なんですけどどうも動きそうみたいな話になって。そんな、クロスプラットフォーム対応に寄与したっていうのが確か一番最初のReproでの貢献だった気がします。
treby:まずは手が足りとらんわけですからね。
jollyjoester:そうですね。こっち側の意図としても面白そうなスタートアップにちょっとでも関われる機会があるんだったら別に仕事じゃなくてもいいから関わっていると面白いので、ちょっと手伝いたい、っていうか関わりたいなみたいな感じだったんですね。
banjun:(アプリからSDKだと)結構急に低レイヤーに行ったというか、それまでアプリの案件を受けて開発するみたいな仕事してたと思うんですけど。
SDKみたいなものを作っていてみたいな話に対して、「それならできるかも」って思うには結構方向転換があるのかなと思うんですけれども。SDKの話を聞いてそのReproと出会って、面白そうって思うポイントって何だったんですか?
jollyjoester:まさにその低レイヤーに対する憧れというか。
アプリは何となくできるようになった、でもSDKはなんかよく分からない。そもそもSDKが何なのかも当時よく分かってなかったんですね。でも、そんなものを開発している人がいるらしいっていうことで面白くて。
SDKは導入するだけなら簡単じゃないですか。ドラッグ&ドロップして使う設定をしてみたいな感じだったんで。
なんか低レイヤーでやべえことをやってるやつがいる、面白そうだからちょっとでも関わりたいぐらいの感じだったんですね。
当時そのSDK作りをどうやって作ればいいのか全然分かってなくて、単純にそれをやってる人が面白そうだったんです。
Reproに入社するまで (31:24〜)
treby:じゃあそこからReproにジョインするまではどんなことがあったんですか?
jollyjoester:何年かは忘れましたけど。初めて∞Laboに遊びに行ったのが7月下旬か8月ぐらいだったんですよね。そこからはまだしばらくはフリーランスで別のことをやりつつ、新しいバージョンのSDKが出たらCocos2d-xでその動作確認をするとかっていうちょっとしたお手伝いをしていました。
あとほかのやつですよね。当時RubyMotionとかがあったんでRubyMotionとかでも動くのかどうかみたいな話を確認したりとかっていうぐらいの薄いお手伝いをしながら、ちょいちょいオフィスに遊びに行ったりしてReproのメンバーと交流を深めてったっていう感じが3ヶ月ぐらい続きましたかね。
treby:7月から3ヶ月ですか?
jollyjoester:そうですね。確か11月くらいからは、いつまでもずっとお手伝いだけじゃあれなんで普通の契約というか、ちょっとしたお金が発生する関係になって、ちょっとずつまたReproに入り込んでいって。
ずっと3ヶ月とかReproの平田さんとか三木さんとか林さんとか鍋島さんとか、そういう初期メンバーと交流するにつれて、全然フリーランスで会える人たちと違うというのがわかってきて。
レベル感も違うし、熱量も違って、何だこいつら面白そうみたいなことを徐々に徐々に浸透させてったみたいな感じで。
これはフリーランスとかやってるよりかはReproに入りたい。Reproにジョインしたいみたいな感じがどんどんどんどんつのってきましたって感じですね。
12月の中旬ぐらいに、「Reproにジョインさせてほしいっす」みたいなことを言うタイミングがあるんですけども、最初のタイミングはそのあとずっと一緒に仕事をやっていく林さんっていう超絶エンジニアに、「いや、レベルが足りないから無理」みたいな感じで速攻で断られまして(笑)
banjun:厳しい。
jollyjoester:でもすげえ分かるんですよ。にわかのiOSエンジニアで、いつ死ぬか分からないスタートアップにそんなやつ雇っても正直ね……っていうのは今分かるんですけど、一応アタックしてみました。
で、フラれたんですけど、そのあとその場で、「1ヶ月修行するんで1ヶ月後の状態かなんかで判断してください」みたいな感じで食らいついて。そこからほぼオフィス住み込みでひたすらでReproの仕事をするような感じになりました。
treby:それが年明けか明けないかぐらいの話ですか?
jollyjoester:そうですね。当時Reproは上野のボロいビルの一室を借りてたんですけど、そこにほぼ住み込みで年末から、年末年始もReproのメンバーと過ごしてって感じでしたね。
treby:隙間風が入ってきたりトイレが流れなかったりと伝説は聞いておりますが。
jollyjoester:そうそうそう。冬じゃないですか。
そのオフィス窓ガラスが割れていて隙間風がすごく寒かったんですよね。その中に毛布1枚とかでくるまって寝たりとか。
あとトイレがですね、そのままじゃ流れなくて。バケツかなんかにお水を入れてジャバーって流すと同時にそのお水と一緒に流さないと流れてくれないみたいな。
banjun:壮絶ですね。
jollyjoester:そういうところで1ヶ月頑張りまして、みたいな感じですね。
banjun:そこに文字通り住み込んでいたわけですか?
jollyjoester:そうですね。当時僕が住んでた家が茅ヶ崎にあったんですけど。茅ヶ崎から上野までって結構かかるじゃないですか。
そりゃ毎日通勤してたらつらいので、1回上野のオフィスまで行って、そのままずっと働き続けて1周して、2日目の夜とかに帰れば通勤時間半分になるわけじゃないですか。
banjun:はい。確かにね、ロジックは。
jollyjoester:最初はそのサイクルでやっていたんですが、「あれ?これはいいぞ」みたいな感じで、だんだん通勤する塊が長くなって、気づけばひたすらオフィスにいるみたいな感じになってました。
treby:当然ね。
jollyjoester:当時すでに結婚して子どもも一人いたんで、当然妻に頭を下げてReproってすごいメンバーがいる会社を見つけてしまったからこれちょっと賭けるしかないから子育てできないんだけど、この会社に集中させてくれみたいな感じで言って。
とりあえず1か月本当に集中させてくれってつって住み込みみたいな形でやりましたみたいな感じですね。
treby:嫁ブロックなんて関係ないみたいな。
jollyjoester:嫁ブロックはされなくて良かったですね。で、1ヶ月して僕誕生日が1月18日なんですけど、そのときに三木さんたちが憎い演出で誕生日ケーキに、Reproに僕の名前が入った名刺を添えて出してくれて。
banjun:へえー。
jollyjoester:あ、俺この会社の一員として認められたんだみたいな感じでReproにジョインさせてもらったっていうのはめっちゃ覚えてます。
treby:ついに。
banjun:それはいいね。いい話。
treby:超熱いね。
jollyjoester:あれはね、今思ってもめちゃくちゃ泣きそうになるくらい熱かった。自分の名刺が誕生日ケーキの上に乗っかってて、それ理解するの一瞬時間かかるじゃないですか。
あ、誕生日祝ってくれるんだみたいな、ん?なんか乗ってるみたいな。え、俺の名前載ってる名刺なんだけど、みたいな。いや、まあ憎いなーとか思いながら。
treby:当時のReproに憎い演出をする余裕があったんですね、当時はそれこそ刺すか刺されるかの世界観だと思ってたんで。
jollyjoester:いや、もちろんすげえ真剣で、全部の時間使ってるんですけど。みんな生活と仕事が完全にガッチャンコしてるみたいな感じだったんで、ゴリゴリ仕事やるときもあるし、みんなでワイワイするときもあった。
それこそ当時ご飯を三木さんとかが作ってみんなで食べてたみたいな和気あいあい感があったんでその延長上ですかね。
あとこれ豆知識なんですけど。僕ここんとこずっと坊主なんですよ。坊主、ヒゲ、メガネが多分トレードマークでみんなそれで認識してると思うんですけど。なんと僕ですね、初坊主にしたのがReproに入って2週間後ぐらいのときなんですね。Reproに入るまでは坊主じゃなかったんですよ。
treby:へー。想像できない(笑)
jollyjoester:そう。そうでしょ?クソ寒いベランダでバリカンで自分で刈るっていう経験を初めてして。やたらと興奮したというか。
「やべえ俺自分で今自分の髪刈ってるんだけど」みたいな。坊主デビューはReproです。ちなみにほぼ同時期にエドワード・フォックスが入って、そのフォックスも同じタイミングで坊主にしました。
なんか当時三木さんも坊主だったし、林さんも坊主だったしで、できるエンジニアは坊主にしなきゃいけないんじゃないかみたいな(笑)
banjun:そんな話聞いたことないな(笑)
jollyjoester:はい、んなことはないですけど(笑)
でもなんかみんな坊主。坊主でフード被ってるんですよ。で、結局ね、坊主が4人に増えてみんなフード被りながらカタカタカタカタコーディングしてるみたいな、そういう時代で。
そっから坊主が便利すぎて手放せなくなって、いまだにずっと坊主は続けてるっていう。当時からずっと6ミリです!
活躍できない苦境の日々と役割の転向 (39:14〜)
jollyjoester:そこからですね、1年ぐらいですね、なんにもバリュー出せない時期が続きましたねー。
treby:マジですか?
jollyjoester:はい。当初頑張ってたそのクロスプラットフォーム対応、これも多分それぐらいしか仕事ができないだろうと思われててあてがってもらってたんですけども。
そこからちゃんとしたSDK開発の担当になるはずなんですが、当時はまだまだ僕のレベルが全然足りていなくて、いろいろと思いやっていただいたと思うんですけどもなかなか、なかなかつらい日が続きましたね。
せっかく認めてもらったのに何の役にも立てねえみたいな。圧倒的にレベルが高すぎて。当時林さんっていう人とずっと一緒にやってたんですけど、もう本当に何やってるかも分かんないし、話せば話すたびに、「え、そんなことも知らないの?」みたいな感じのことがずっとあって。
僕はそこですごく大量のインプットをさせてもらってましたけど、(林さんは)よくキレなかったなみたいな。
技術的にはすごく足りなかったんで、一生懸命仕様側のほうとか、ドキュメントとかでお客さん側の見え方をできるだけ良くしたりとか。
今仕様はこういうふうになってるけどこっちのほうが分かりやすいんじゃないかみたいな話っていうほうで何とか自分で役に立ってる方法っていうのをいろいろトライはしていたような気がします。
treby:じゃあ1年、そのつらい時期が続いてたということなんですけども、1年経ったぐらい何かあったのでしょうか?
jollyjoester:そうですね。Reproが伸び始めてきてカスタマーサポートっていうのが必要だみたいな、っていうところで転機が来ました。
もともとReproはエンジニアが持ち回りでカスタマーサポートやってたんですね。大体、(問い合わせをしてくる)対象はSDKを組もうとしているモバイルのエンジニアか、もしくはダッシュボードとかを触るPMだったんです。
いずれにしろ専門職の人がお客様なので、その人に対して導入するときにエラーが出たとか、この画面で変なことになったみたいになったらそれの原因を調査して返すみたいなことを持ち回りでやっていました。
が、だんだん量が増えてきて開発に集中するにはなかなかつらかったですし、どうしても持ち回りでやってるとサポートの品質とかがばらつくので、そこで専属を置くべきだみたいな感じの議論になったんだと想像してます。
そのとき林さんが「カスタマーサポートっていうのを責任持ってやらないか?」みたいな感じで声をかけてもらって。
開発ではなかなか役に立てなかったんですけども一生懸命仕様とかを考えたりとか、Reproを使うエンジニア目線でいろいろやってたことっていうのが役に立ってというのか。
そこからカスタマーサポートをしているといろいろそのあとバリューを出せた気がする感じでしたね。当時チャットのサポートをやってたんですね。
ReproってアナリティクスとかマーケティングのSaaSサービスで、アプリにSDKを入れて、(収集した)データとか(マーケティング施策の)結果をダッシュボードで見るみたいな感じなんですけど。
そこのダッシュボード上でいつでもチャットでサポートしますっていうのをIntercomっていうサービスを使ってやっていて。
そこを基本僕が担当するようになっていましたと。基本的にはエンジニアからの質問なんで、こういうエラーが出て動きませんとか、そういう問い合わせに対して、チャット上の文字列の情報だけからおそらくお客さんの状態はこういう状態になっていて、きっとこれをすれば解決するみたいな。
とにかく想像力を働かせながら、プラスお客さんとのコミュニケーションでできるだけ情報をもらって解決するみたいなことを本当に毎日ずっとやっていく日々がそのあと続きました。
アプリの開発の講師とかをやっていて、人と話すとかっていうのが全然慣れてたので、コミュニケーションが良かったとか。良かったのかな?
treby:良かったと思いますよ。
jollyjoester:そんなんでいろいろ、サポートもするし、営業と同行してReproっていうのはこうやって使いますよみたいなのをエンジニアの人に説明するとか。技術面のことを説明したりとかのところに行ったりとか。
あとは障害が起きたときの謝りに技術担当として同行して、今回の障害はこれこれこういう理由でこうで、こういうふうにして再発防止しますみたいな話とかを説明したりみたいないろんな役割をやることになったって感じですかね。
treby:ある点では今私がやってるソリューションアーキテクトの一部の仕事もやってたっていうことですね。プリセールスというか、お客さんとコミュニケーション取ってどうしていきましょうかみたいな話をするとことか。まずは話を聞きに行くみたいなとことかですよね。
jollyjoester:そうですね当時結構何でもやってたので、技術が強そうなお客様のとこには営業の担当の人に、「ちょっとこの日来れる?」みたいな感じで呼ばれて一緒に行くみたいな、そんなことしてました。
treby:(こういう役割で)意外なのは技術担当って、いるだけで効果があることっていうのは結構あって。相手方にとっても技術のことが分からない人だけじゃなくてちゃんと技術者っぽいのがいるぞっていうのが安心感につながるっていうのがあるんですよ。
banjun:ありそうですよね、それは。
jollyjoester:そうですね。実際には会議の中で本当に一つの質問に答えるだけでもそれがすんなり答えられることで信頼につながるみたいなことがあったりとか。
すごく分かりやすいのが、そこで同行してカスタマーサービスも充実してますみたいな、ここのチャットからいつでも回答しますみたいな感じで紹介するんです。そこで「実は担当者私です」みたいな話をするとお客さん側との親しみと信頼が得られて。
実際に当時頑張って、やめたほうが良かったんですけど365日24時間サポートするみたいな感じだったんで、夜中の質問とかにも即返してたりとか謎の頑張りを示していて。とかやりながら初期のお客さんの信頼は多少得られたんじゃないかなと思っています。
treby:そうですよね。使ってる側としてはすごい安心感ありますよね。とりあえず分かんなくても、一次回答が来て本当に頑張ってくれてるんだっていうのは使ってる側としては安心感ありますよね。
jollyjoester:そうですね。そこは僕も意識したと思います。
すぐ解決できなさそうでも一旦承ったっていう話があるだけでも安心するので、承知しましたみたいな。多分何時間後ぐらいに返答できると思いますみたいな話をとりあえず一発返すみたいなことはやってましたね。
でも結構面白かったんですよ。SDK開発チームの中にいる気はずっとしてたんで、モバイルの技術に関するキャッチアップとかっていうのは常にやっていたのと。
あとReproに対する仕様の理解とかっていうのがカスタマーサポートをすることで積み重なって、Reproに詳しい人みたいな感じで、ある程度の地位というんですかね。
もっと奥のほうとか、バックエンドの奥のほうとかは分かんないんですけど、お客さんから見た立場からでいうと一番理解してるんじゃないかぐらいの自負で頑張っていました。
転職活動に至った経緯 (46:21〜)
treby:続いてはそこから転職っていう風に至った経緯をお話しできる範囲でお伺いできますか?
jollyjoester:単純にReproは面白かったんですけどちょっとある案件でけんかをしましてって言うのかな。
banjun:ほう。
jollyjoester:これはコミュニケーションがいろいろ悪いところもあったと思うんですけども、アプリの開発からReproの組み込みから、さらにそこからのコンサルティングみたいな話のところまで一気通貫でやるぞみたいな案件があって。
僕の観点からするとそのお客さまのリテラシーがあんまり高くなかったように思えて、かなり無理難題というか要件が詰まってるんで。
なかなか(要件が)出てこないのに俺が出てからはすぐやってください的な感じの仕事が続いてたりとか。サーバー側と連携するようなアプリだったんですけども、Reproはモバイルを担当していて、サーバサイドはまた別会社が開発してたんですね。
その会社が仕様を全然出してこなかったりとか、APIの質とかがすごい悪かったみたいな。例えば(HTTPステータスコードが)200のエラーみたいなものがあったり、それ何とか頑張ってやってたんですけども。
結局お客さんが怒っちゃって、何でこれまでに出せないんだみたいな話になって、ここの責をかなり負うことになるっていう事件があったんですね。
僕はカスタマーサポートやりながらそのモバイルのほうの開発担当、アプリの開発もやるみたいなことをやっていて。めっちゃくちゃ頑張ってたんだよ。36時間開発して3時間寝てみたいな話とかぐらい頑張ってやったんですけど。
そこに対する評価が非常に納得できないものだったんで「いや、もうReproで居続けることはできません」みたいな感じになっちゃったタイミングで転職になりましたと。
実は、その1年ぐらい前から現職のメルカリとの出会いっていうのはあって。まだまだスタートアップ時代のメルカリにたまたま大学のサークルの先輩が入っていて、僕はReproに入っていて。
その学校って結構保守的な学校なんで、みんな地方公務員目指すのが普通だったんです。それで互いにスタートアップってめずらしいねみたいな感じで久しぶりに飯でも食おうか?みたいな感じでメルカリとの出会いがあって。
(先輩からは)来なよ、みたいな感じで誘われてたんですけど、「いや、僕Reproが成功するまでは離れません」みたいなことを言っていて。
treby:確かにそれ自分でも言うと思う(笑)
jollyjoester:言いますよね。
banjun:言うっていうのはどういうこと?
treby:(所属しているスタートアップには)それぐらいの覚悟で入ってるから、そんなちょっとやそっとじゃ動かんぞっていうのは言うし、むしろお前こそ来ない?みたいなコミュニケーション取りますよね。
jollyjoester:そうそうそう。
treby:スタートアップに初期から入ってるマンだとほぼ100%言いますね。挨拶は、「いつ来んの?」って感じとかね(笑)
jollyjoester:そうそうそう、なんか自然な感じで会うたびに、いつ来てくれるんですか?みたいな感じで言っちゃいますね。
treby:その会社自体がなんか自分事みたいな感じになるんですよね。
jollyjoester:俺が、というか俺も含めて成功させるぞみたいな。
話を戻すと、そうやって断っていたんですが、でも3ヶ月に1度ぐらい連絡来るんですよ。「飯でもどう?」みたいな感じで六本木に呼ばれて、うまい飯食って、「いや、(支払いは)いいよいいよ」みたいな感じで。
「え、マジすかごちそうさまです」みたいな感じでやっていって、で、その事件が起きて。もう辞めるしかない、とりあえず先に辞めるって考えたときに、「次どうしようかな」ってなって。
その時、ずっと声かけてもらってたしまずは相談するか、みたいなところでメルカリ(を検討しました)。ほかにも何社かそのタイミングで声かけてくれた会社はあるんですけど、ずっと一番早くから声をかけてくれたのがメルカリだったんで、ちょっとメルカリの選考を受けさせてくださいっていって受かっちゃった。
今のはタイミング的なきっかけなんですけど、もちろん他にもあって。もともとReproにいたときに(仕事は)カスタマーサポートがメインだったわけですよね。
なので、Reproにいた頃からモバイルの勉強会とかでモバイルの発表したりとかして、外見からするとモバイルエンジニアだったんですけど仕事ではカスタマーサポートをずっとやってましたと。そうすると技術もやりつつお客様とのコミュニケーションをするっていうところの両方やってることが僕の特色になってきていて。
そこから技術とそれ以外の領域の橋渡しというか中間の領域の仕事っていうのが僕の中ではすごく大事なものっていうか。事業にとってこれ絶対に価値があるようなっていうふうな感覚になってきてて。
それがRepro時代の誇りでもあったし、メルカリの誘いが魅力的に感じたのが、当時カスタマーサポートではないんですけども、CTO室みたいな(ポジションでオファーがあった)。
ただ、その当時(CTO室とはいえ)個人でCTO直下で組織のいろんなことやっていて、その役割をチーム化したいっていうようなオファーが来たんですよね。
それってまさに、エンジニアリングとほかのこと、例えば採用であれば人事とエンジニアの橋渡しだし、技術ブランディングであればエンジニアと広報の橋渡しみたいなところで。
まさにReproでエンジニアとそうじゃない領域の中間でやってきたことっていうのがより生かせそうな感じだったんで、惹かれたってのが真っ当なほうのメルカリに入った理由です。
いろんなことが重なって、そのタイミングで転職を決意したみたいな感じですかね。本当にいろんなことが重なってるんでどれがとかっていうのがなかなか言いにくいんですけど。
もう一つすごく惹かれたのが、当時いろんなコミュニティをやっていて。try! Swift Tokyoというカンファレンスを運営にかなり密に関わって成功させたばっかりぐらいだったときに、メルカリでもそういうテックカンファレンスをやりたくてそれのオーガナイズをお願いしたいみたいな感じで、かなり責任があって大きい仕事なのでそれにとても興味が湧いたというか、っていう背景とかも確かあったはず。
treby:確かに言ってた気がする。(jollyjoesterさんの)送別会をしたときに、一番最初の仕事は3ヶ月後ぐらいにあるカンファレンスだと伺ってました。
jollyjoester:そうそうそう。3ヶ月も余裕なくて2ヶ月後だったんですけどね。8月1日に入社してメルカリでカンファレンスが9月30日にある、っていうのをやったみたいな感じで。だから入社してからもう最初の2ヶ月めっちゃ嵐でしたね。でも嵐はReproで慣れてたんで。
メルカリ社でのお仕事 (53:50〜)
treby:メルカリ社ではどういった仕事をされてているんですか?
jollyjoester:そっからは最初の仕事がそのメルカリでカンファレンスをオーガナイズするっていう役割で。
そのあとは結構技術ブランディング色が強いっていう。採用を目標とした技術ブランディングみたいな話っていうのをずっとやってましたと。
例えばどんなことをやったというと、メルカリのエンジニアリングブログ、テックブログを盛り上げるか、あと技術コミュニティへのスポンサーとかですかね。
例えばDroidKaigiとかっていうカンファレンスにスポンサーとして。そこでDroidKaigiを盛り上げつつ、メルカリのアピールをするとかいうところでブースの企画をして、こういうことしたらメルカリに興味を持ってもらえる人が多くなりそうだからこういうノベルティを用意して、こういうコミュニケーション設計でブース出そうみたいなことを決めたりとかっていうようなところとか、とかですね。
treby:jollyjoesterさんが入った当時のメルカリはまさに採用を強化してた時期ですよね。六本木のブラックホールといえば、みたいな、時期が多分かぶってると思いますけど。
jollyjoester:そうですね。そんな感じで、技術ブランディングとかを増強していくぞみたいな話。そこもエンジニアの背景を生かしてやってたって感じですかね。
あれこれやってしばらくメルカリに慣れた頃に2回目のメルカリテックカンファレンスをやるぞみたいなことがあって。1年目に比べても圧倒的に成功させなきゃいけないので、2年目のほうがかなりプレッシャーでしたね。
なんかいろいろチャレンジしましたね。例えばカンファレンスアプリ。Mercari Tech Conf用のカンファレンスアプリっていうのを社内の有志チームに集まってもらって、当時Flutterが盛り上がってたんで今年はFlutterでカンファレンスアプリ作るぞみたいな話にして。
しかも勢いでそれをオープンソースとして公開するぞみたいな話とかで、えいや!で公開したりとか。
カンファレンスはコンテンツが大事なので、今どういうコンテンツを出していこうかみたいな話とかは結構悩んで。かっちりテーマとかを決めて、今年のメルカリは何で推していくぞみたいな感じで。
そのテーマに従ってコンテンツを選んでノベルティとかも作ってみたいな感じのをブワーっとやってましたって感じですね。
treby:チームはエンジニアリングオペレーションチームでしたっけ?
jollyjoester:それが去年の秋までいたチームですね。最初入ったとこがエンジニアリングオペレーションズチーム、通称EOTっていうふうに呼んでたところで。そのチームが去年の12月ぐらいに解散をして。
なんかややこしいんですけど当時車内に役割ごとに社内のエンジニア背景だけどエンジニアの組織をやるみたいなチームがいくつかできていて。それが統廃合されてエンジニアリングオフィスっていうチームにがっちゃんこされた感じですかね。
treby:立ち位置としては横串の組織がエンジニアリングオフィスという感じになるんですかね。
jollyjoester:そうですね。名前は変わったけど目指してることはあんまり変わんないかなっていう感じではあります。
でもちょっとショックだったのが去年の12月に第三子が産まれて、12月、1月と2ヶ月まるまる育休を取ってたんですよ。
なので、その育休の期間に元いたエンジニアリングオペレーションズチームが解散して新しくなったみたいな話があったんで、もう嫌!みたいな。
treby:ちょっと置いてけぼりみたいな。
jollyjoester:そうそう。「え!?」って、びっくりはしてっていう感じですけど。ミッションは近いんでそのまま似たようなことやってますかね。
それまでは技術ブランディングを中心にやってたのが、結構採用中心の話になって。今年の2月から6月まではエンジニアの中途採用を頑張る役割をして、そのあと7月から現在まで新卒採用担当をやっています。人事のチームですね。
メルカリでいうとTalent Acquisitionという名前なんですけども、そのメンバーに僕がエンジニア視点とかでアイデアとかを付け加えて、一緒に新卒採用を頑張ってくみたいな役割を今やってます。
treby:じゃあ今は採用をやられてるってことになるんですか?
jollyjoester:そうですね今年入ってからもうひたすら採用とか人事っぽいことやってます。
treby:以前お話を聞いたときに、エンジニアの組織は好きだけど人と絡むマネジメントみたいなのは好きじゃないみたいな話をしてたような気がしたんですけど、今のポジションは問題ないですか?
jollyjoester:そうですね。僕自身はマネージャーっていうのはできなくはないかもなんですけども向いてないと思っていて。
ピンのスペシャリストっていうんですかね、そうやって動いていたいなとかは思っています。プロジェクトマネジメントみたいな、期間とかのマネジメントはできるんですけど、メンバーの評価を決めて給料決めるみたいなのが多分結構苦手というか、あんまりやりたくねえなっていうイメージを持っているので。
例えばそういう採用系をやるにしても、例えば企画をゴリゴリ作るとか、制度設計、ワークフローの設計とかはゴリゴリするスペシャリストの役割はするけれど、メンバーを何人か自分のチームの中に入れてオペレーションを回すみたいなことはあんまり興味がないかなっていう。
treby:新卒採用とかは別に気にはならないって感じなんですか?ある意味でその人の報酬とか握らないですか?
jollyjoester:そうですね。そういうのは見えてしまうときもありますけど。権限的にはTalent Acquisitionの方ほうが責務を持ってる話なので、僕はどっちかっていうと例えば学生のアクトラクトとか、学生に技術的なことをもっとちゃんと伝えるとか、そういうほうの役割が強いですね。
treby:その点では、jollyjoesterさんはやりたくないことはやってないのですね。
jollyjoester:そうですね。苦手なことはやってない。
ちょっと前の私に伝えたい「良い環境、チームはいつかなくなるかもしれないが、維持しつつ大切にしよう」(1:00:01〜)
treby:では、いつものコーナーいきます。
jollyjoester:はい、それではカンパーイ!
一同:カンパーイ!(笑)
treby:はい、最初は「ちょっと前の私に伝えたいのコーナー」です。
これ何かっていうと、「ちょっと前」の時間軸はそれぞれの方にお任せしてるんですけども、ちょっと前の自分に対してこういうことをしておけばさらに良くなった。
あるいはこういうつらいことがあったから前もってこういう知見を持っとくと良かったな、みたいな。自分自身の振り返りの意味で語っていただきたいなという風に思っております。jollyjoesterさんにおかれてはちょっと前に伝えたいことって何かあったりするんでしょうか?
jollyjoester:はい。ちょっと前というか、ずっと前の自分にも伝えたいし、多分今後も伝えたいって思うタイミングあると思うんですけど。
良いチームだったりとか良いコミュニティって言うんですかね、その場の人間の集まりっていうのがある環境っていうのはいつまでもあるもんじゃないし、頑張っても維持できるもんじゃないなみたいなところっていうのがすごく最近は思うところです、と。
とはいえそれが運よく今、いい環境とかいいチームでいるときは、それを全力で楽しみながらできるだけそれが長く維持する努力をしようね、っていうのをいつの時代の自分にも言いたいなっていうふうに思ってますと。
treby:それは何か実感があったりするんですか?
jollyjoester:ここのところ、フリーランス以降の時の流れが早くなって以降はもう常にそれを思っていて。
フリーランス時代はフリーランス時代のいい仲間がいたんですよね。Reproに入ったときもReproの仲間がいて。あとコミュニティとかですね。Swift愛好会とかそういうところのコミュニティだとか、try! Swift Tokyoのオーガナイザーのスタッフだったりとか。
もちろんさっきのEOTとかもそうなんですけど、その時々で「これ最高のメンバーだな」と思うタイミングがあるんですけども、やっぱりいろんな変化だとかきっかけでなくなってしまったりとか、別離をするみたいなこともいっぱいあるんですね。
今言った全部の流れが6年とかにバババって起きてるんで、とにかく今一緒にいて「これ最高だな」みたいなところっていうのは、本当に大事にしたい一方で維持しよう、と固執するんではなくて。
それがなくなっちゃったときは残念だけど、また次の最高の環境を目指そうな、というのを伝えたいなみたいな。
treby:自分自身の座右の銘にも近いのかもしれないですね。
jollyjoester:ほうほうほう。座右の銘にも近いんですね(笑)
banjun:まあエモいなって感じがすごいあっていいなって思いますけど(笑)
jollyjoester:そうですね。いや、いろいろありましたからね。
banjun:いろいろと。その中でも例えばSwift愛好会とかっていうのは結構長い間やってるんですか?
jollyjoester:Swift愛好会はもう4年ですね。
banjun:4年間コミュニティを維持するって相当長いと思うんですけど。下手すれば一社の在職期間より長いですよね。
jollyjoester:まあReproより長いですね。
banjun:その中でそこに集う人たちも変わってきたというか、そういうところからちょっと前の私に伝えたいみたいなところはやっぱり来てるんですかね。
jollyjoester:そうですね。Swift愛好会は本当に継続はずっとしていて、コアなところっていうのはあんまり変わってないっちゃ変わってないかな。
スタイルとかは変わってないんですけど、参加してくれてる人とか、あとは常連みたいな参加者いるじゃないですか。そういうのとかがどんどんどんどん移り変わっていって、確かにそういうところから来ますね。
Swift愛好会の初期の頃っていうのは本当にモバイルアプリに興味があるけどとりあえずやってみたばっかりですとか。そういう人たち、僕もそのぐらいのレベルだったし、そういう人たちが始めたんですけども。
何回目かにiOSの界隈でレジェンド級の人たちが立て続けに登壇したことがあって。そっから1年間はすごくベテランの人とあとiOSの若手のホープみたいなエンジニアたちが毎回のように登壇するっていう、なんかイケてる勉強会みたいな感じになってたんですね。
そこからだんだんSwift熱が落ち着いてくるぐらいのタイミングから若手のホープたちはもっと大きいカンファレンスとか、ガチ系の勉強会にシフトしていって、初心者がどんどんどんどん増えてったみたいな時期を経て。
今はそれがよく混ざってるというか、ベテランも発表するし、初めてですみたいな人も発表するみたいなコミュニティに落ち着いてるんです。だから、それぞれのタイミングで雰囲気とかレベル感が全然違いますね。
banjun:なるほど。そういう人の入れ替わりも緩やかにあるみたいな状態を維持するように何か心がけてるんですか?何となくうまく回っているのか。
jollyjoester:これは一つはラッキーっていうか。良い参加者の人に恵まれているので。その参加者の人が変わってもいいコミュニティが保たれてるっていうところはすごい恵まれてるなと思います。
ただ緩くて誰でもウェルカムっていう空気は最初からずっと維持してきた、できてきたのかなみたいな感じはするので、その辺がポイントだったのかなっていうのと。
あと最初から変わってないのがあって、それが乾杯なんですね(笑)
乾杯だけはもう第一回からずっと変わってないので。一番、一貫性があるのが乾杯ぐらいなもんかっていう。
banjun:なるほど。乾杯から始まるっていうのと誰でもウェルカムっていうのを掲げていた結果、いろいろな移り変わりがありながら4年以上今維持されているっていう感じですかね。
jollyjoester:そうですね。
あ、そうだ。あと一つ最初から工夫してたところがあって。
Swift愛好会って最初の設計をしたときに、いつでも安心して来れる勉強会にしたいっていうふうに思ったんですね。迷ったらあの勉強会に行こうみたいな。もしくはいつでも帰ってこれるような勉強会にしたいっていうふうに思っていて。
そのときに重要だなと思ったのがいざ行こうっていったときにその勉強会がもう開催されなくなっちゃってた、みたいな話っていうのはとても悲しいじゃないですか。
なので、ずっと継続できる勉強会にしようっていうふうなのを最初の3人で設計したんですけど、その3人でやったときに継続する勉強会にしよう。そのためには運営がつらくなっては続かないから、できるだけオペレーションを減らす。
だから、参加者に対しての「おもてなし」はしないみたいな。運営がつらくないっていうのを基礎にやろうみたいなところがあって。多分それのおかげで続いているんだと思います。毎月って結構つらいんですよね。
最初のほうの熱量があるときは毎月続くんですけど、1年とか2年経ってくるとだんだんダレてきて。それでも続けられたのは、最初の運営がつらくないようにはする、オペレーションとかもコストを削ってつらいことはやんないみたいな方針でやろうっていったのが正解だったのかなとか思いますね。
treby:コミュニティ運営というかイベントをやっていくって本当に大変なことというか、あるので今の話とか聞いて今後の参考にしたいなっていうのは思いましたね。
banjun:いいですね。
jollyjoester:本当に勉強会は楽しくてやるんですけど楽しくてやってもやっぱり結構大変なので。いい勉強会だなと思ったら主催の人にちょっとでもありがとうって言ったりとか、何かヘルプできることがあると、きっとそのコミュニティはより長く続くのでいいかなと思いますね。
treby:世代交代まで見据えてられるとだいぶいいですよね。
jollyjoester:そうですね。僕そこ結構難しいなと思ってて。
例えばSwift愛好会をじゃあ次の別の人に譲るみたいな話っていうのはどうなのかなみたいなところは結構悩ましいところですね。乾杯がある以上僕のキャラが(笑)
treby:キャラと密接に紐付いてるからってことなんですね。
jollyjoester:あとなんとですね、重大なミスをしてしまったんですけども。Swift愛好会のロゴにはですね、なんと僕の横顔が入っています(笑)っていうのがあるので。
もちろん代替わりできるコミュニティっていうのを目指すのもいいんですけども、さっき言ったように中心となってる人とかが変わるとそもそも性格が変わってしまうものだとは思うので、無理に代替わりさせなくてそのキャラで続けていく限り続けていくみたいなコミュニティでもいいのかなっていう気はしますね。
シニアな悩み「パラメータの振り方に悩む」(1:09:09〜)
treby:jollyjoesterさんは6年、エンジニアやられてるわけですけども、シニアなソフトウェアエンジニアとしての悩み、何かありますでしょうか?
jollyjoester:はい。というかまずシニアな悩みって言われてもですね、ただでさえ技術力弱めなのであんまりシニアエンジニアみたいな感じではないんですけども。いろいろ器用貧乏やってるのでパラメーターの振り方っていうのは常に悩みますね。
treby:パラメーターですか?
jollyjoester:はい。一応エンジニアですって名乗っているので、技術力はちゃんと積まなきゃいけないじゃないですか。でもやってることって、例えばカスタマーサポートだったりとか技術ブランディングだったとか、最近だと採用とかなんですよね。
そうすると、最近とかメインで勉強とかしてるのってひたすら人事の本なんですよね。組織開発とは?みたいな話とか、新卒採用はどういうふうにすべきかみたいな本とかをひたすらあさるわけですよ。
っていうのも人事側からすると僕は素人なので、インプットをめちゃくちゃしなきゃ人事側についていけないんですよね。そうすると価値もないし、かといって技術のほうもおろそかにするとそれこそ役割の意味が全くなくなるので。
そこのバランスをどう取るかみたいな話っていうのは常に悩ましくて。常に技術の勉強をしたいなとか思いつつ、そうじゃない勉強をしてるみたいな感じですね。
treby:コード書いてると、ほかのことしたほうがレバレッジ利くんじゃないかというような気になってくるんですよ。ほかのことしだすと別にコード書くのがメインのミッションじゃなくなることが多いので、今度はコード書くっていう肌感みたいなのから離れていくっていう怖さがあると思ってて。
今自分がやってるソリューションアーキテクトみたいなのも近いし、悩みはあって。SaaSのことは詳しくなるんだけどコード、手を動かしてやるとこっていうのは割と遠いんですよね。
banjun:やっぱりコード書かずに学習した知識ってのがどうしても浮いた知識になるんじゃないかっていう不安感みたいなのもあるんですよね。
treby:それが一番大きいです。
banjun:実践的な知識であるのかどうか。座学的に手に入れた知識だけで知っていますというのはなんか怖いみたいな、やっぱそういう感覚があるんですよね。そこを救うにはやっぱりコードを書くしかなくてみたいなところがありますね。
treby:意外と貯金で何とかできるんですよ。前に書いてたっていうので自分がやってる仕事のエンジニアとしての役割は果たせるんですけども、じゃあそれってどこかでインクがなくなるかのように使えなくなるんじゃないかっていう怖さと隣り合わせなんですよね。
例えば、フレームワークの話でいうとバージョンがどんどん上がっていったりするし、(プロダクトの)アーキテクチャの話も書いていたときの知識を今使ってるんですけども、アーキテクチャが変わった後に追従できるのかっていうのは結構読まないと分かんないと思うし、読んでもでも実際のところ分からんかったりするような気がするんですね。運用上のつらさとか。
banjun:そうそう。貯金って言ってましたけど、そのワードたまに出てくるなみたいな話があって。その人の本質的にコードを書いて技術を極めてみたいな欲求がある場合で、そのコードを書くとことからちょっと離れてしまうと、貯金をしたいって言って転職活動したりするんですね。
だから再び貯金がしたくなったみたいなパターンを何人か見ましたね、私もみたいな。だからそうなっていくっていうのは、エンジニアとして技術を積むっていうところには割と重点を置いたほうがいいという考えをする人がいて。
それがやっぱり仕事によってはできなくなっていくことに不安を感じているっていうのはあるのかなとかって思って、最近自分はどうなんだって見つめ直すみたいなことはありますね。
treby:結局、エンジニアっていうと軸足は少なくとも技術ってところにあるよねっていういろんなパターンを見た上での共通点なんだろうなっていう感じはあります。
banjun:軸足はあるし、技術ってやっぱ貯金っていうか、ためてて崩していけばいいものじゃないから、ため続けなきゃいけないっていうところがあると思いますよね。
jollyjoester:そうですね。そういう意味でいうと僕はついこの間、先週か。先週末に新潟で開催されたモバイルカンファレンスで発表してきたんですけど。
もうすでにそこの自己紹介で、元iOSエンジニアっていう自己紹介でモバイルと機械学習に関しての発表をしてきたんですね。それってある意味開き直りだと思うんですけども、僕自身は自分の立場を補強するためにも主張するんですけども。
今ってエンジニアと非エンジニアっていうのがある意味非連続というか。エンジニアはスーパープロフェッショナルみたいな感じでそこから中間があんまりいなくて、それ以外は全部ビジネスサイドみたいな分布をイメージするのが多いと思うんですけども。
ここまでプログラミングっていうのが一般的になってくると、なんかそれがどんどんどんどん混ざってくると思うんですよね。超絶技術のことは分かんないけど、別にちょっとしたアプリだったら簡単に作れるし、ちょっとしたスクリプトで分析できるよみたいな話の人っていうのもどんどんどんどん増えていくし。
逆に、例えばデザインにめちゃくちゃ詳しいとかっていう人がちょっとプログラミングやるみたいな、中間の人が増えてくると思うんですよね。今はまだレアだと思うんですけども、僕みたいにエンジニアリングの背景をある程度やりつつ、積極的に採用とか広報とかやるとか。
個人的にはこれは価値が出ていると思うので、こういう人がもっともっときっと増えていくとエンジニアとそうじゃないところみたいなところが滑らかに混ざっていくようになって。
そうなると、もっと事業だとかが進むようになるんじゃないかなみたいなことを思ってるし、そうなってほしいと思ってますと。そうなったら多分僕の価値も上がるんで(笑)
treby:分かる。その仕事は今は名前はないけれど、いつか何か名前で呼ばれるようになって。やってることに名前が付くって大事なことですよね。
jollyjoester:そうですね。なので、エンジニアなのかカスタマーサポートなのかでは悩むんではなくて、テクニカルサポートなのかカスタマーサクセスなのか分かんないですけど。
そういう中間の人っていうのがいるととてもスムースだよねっていう話で。そこに名前が付いて価値が上がるとそれをやる人が増えるみたいなことっていうのはもっともっとこれからいろんなところで細分化されてって起こるのかなと思っていて。そこを進めていきたいというか。
banjun:そうですね。そのエンジニアとカスタマーサポートの両方ができるから、そういうレアキャラだから価値が出るよね、ていうのがもしかすると現状かもしれないけど。レアキャラとかじゃなくてそういうポジションあるからっていう世界が来るかもしれないと?
jollyjoester:そうですね。
treby:最近でいうと、EMはまさにそうじゃないですか?エンジニアリングマネージャーっていうのは絶対似たようなことやってる人はいたはずで、だけども、名前が付くことによって、「それ自分も悩んでいる」「わかる」とすごい盛り上がってる感じを自分は受けてて。
jollyjoester:そうですね。エンジニアって人の中でマネジメント的な役割をやった人っていうのが、それが明確な役割が与えられてむしろそういう人を組織にはすごく必要だっていう感じで。
EM自体がジョブディスクリプションとして応募されるみたいなのが当たり前になってきているので。それに近しい気はしますっていう感じですね。
treby:HR×Techだとなんか名前付いてんのあるのかしら。
jollyjoester:僕はあんまり好きじゃないんですけど、「人事ニア」みたいな言葉がありますね。
banjun:初めて聞きましたけど、あるんですね。
jollyjoester:そう。なんか「人事×エンジニア」っていうので。エンジニアがエンジニア採用をガチでやるために、例えば人事部に異動するとかっていう動きとか、そういうのもとても大事だと思います。
っていうのもすごくエンジニア採用をしていく上で、エンジニアって独特のカルチャーがあるので、それに特化した採用とかをしなきゃいけないときにはやっぱそこの(人事とエンジニア)両方の観点が必要というような。
精度の高い採用しなきゃいけないので、そういう役割がある、役割を置ける会社は強いし、今後どんどん多分そういう役割っていうのはどの会社でも増えてくるんじゃないかなと思いますね。
treby:リモートで録った回で話したような気がするけど。エンジニアが活躍するフィールドってやっぱ広がっていくんだよね。
それがエンジニアっていう職種の人が行くのか、そうじゃない人がスクリプト書くとかで寄って来るのかっていうのは分かんないんですけども。
だんだんなだらかになっていくだろうなっていうのは割と、jollyjoesterさんと近しい考えは持ってるし、そうなってもらわないと自分が今やってる仕事は報われないよなっていう感じもあります。
jollyjoester:そうですね。多分両面からくると思うんですよ。エンジニアを目指してない人でもプログラミングは学ばなきゃみたいな意識がだんだんできているし。
あとそもそも学校とかで必須教科になるんだっけ?もうなってるのかな、とかなので、今後必ず出てくるとは思うんですけど。広がってくのは確実だとして。
ただ直近では、プログラムをやったことがない人がプログラムをやるよりかは、エンジニアがほかの領域に出たほうが早いというか、他の領域の業務をスクリプトとかで効率化するみたいな話とかみたいな、分かりやすい成果が出しやすいので。
エンジニアの領域が広がっていくっていうのが結構早めに起こるんじゃないかなって。てかもう起きてる。もう起きてて、どんどん広がってくんじゃないかなって思います。
treby:ちなみにjollyjoesterさんはそのパラメーターの振り方悩んでいるということなんですけども、今のところはエンジニアとそうじゃないっていう分け方をしたときにどれぐらいの濃さでやろうっていうのは思ってます?
jollyjoester:タイミングによるんですけど。実はこの1年ちょいぐらいは人事側に倒し過ぎていて全然技術とか追ってなくて。実はSwift愛好会とかでも、やべえ全然ついていけねえみたいな話とかが結構あって。
その反省として先週末のカンファレンスでの登壇みたいなところで、ちゃんと一応ちゃんとしたカンファレンスで発表する機会っていうのを逃げずに受けて、そこで頑張ってキャッチアップするみたいな。登壇駆動勉強みたいな、そんな感じで結構無理やりバランスは取ろうとはしています。
ただやっぱりちょっと行きすぎて技術が足りないので、年末ぐらいまでは結構技術寄りのキャッチアップを寄りにしようかなとは思っていてみたいな感じですかね。でもどのくらいまでとかっていう感覚はなくて、多分自分がこのくらいでいっかと感じるところまでだと思います。
treby:なるほど。その時々でエンジニアやってるなってときとそうじゃないなってときがあるから、バランスを取ってるっていう感じですかね。
jollyjoester:そうですね。でもちょっとプロダクト開発を本当にガチでやってるエンジニアと並べてエンジニアですっていうレベルには多分しばらく戻れない気がするというか、少なくともメルカリにいる間は組織のことをやっているので多分そうはならないと思います。
またエンジニアって名乗るときは転職とかするか、何かして本当に開発の本職になったりとかするときに改めてなるみたいな感じなイメージですかね。
パーソナリティーへの質問 (1:20:54〜)
treby:続きまして「メインパーソナリティーへの質問」ということで。banjunさんと私といるわけですけども何か聞きたいこととかありますか?
jollyjoester:はいはいはーい!はい!
treby:はい。jollyjoesterさん。
jollyjoester:昔からtrebyさん面白いなと思うんですけど、trebyさんは何を目指してるんですか?
treby:オープンクエスチョンすぎて難しいんですけど(笑)
一応質問の経緯というか面白いっていうふうに思ってるとことか補足からお願いできますか?
jollyjoester:面白い自体、面白いんですよ。どうですか?banjunさん。
banjun:お、来ましたね。
jollyjoester:なんか見てて面白いじゃないですか?
banjun:まあ面白いですよね。
treby:何目指してるんですか?って(笑)
私は自分自身のテーマは、情熱をテクノロジーの観点で味付けしていくっていうことをしたいっていうのはもう新卒のときからずっと思ってますけどね。
テクノロジーっていうのは軸なんですけども。それともう一つパッションっていうのがやっぱ必要だと思うんですよ。
banjun:パッションね。
jollyjoester:そう。情熱。
treby:技術で何か物事にパッションを込めるっていうような、自分ミッションバリューみたいな置いてますけど、それに従って今まで動いてきてるかなっていうのはありますね。
jollyjoester:ほぉー。
treby:jollyjoesterさんと近しいな、と思っているのは、やっぱり自分もプロダクト開発するってとこから今離れてるんですね。
なんですけども、それもやっぱり今の会社のフェーズ、Reproのフェーズには必要なところだからやり始めましたし。その中で、それまでビジネスのことも分かっているよとか言ってたけど全然分かってない自分に気付くし、中間地点のポジションとしてちゃんとこれは確立させないといけないなっていうような危機感も覚えてるようなところですね。
jollyjoester:でも確かにそうですね。そういえばそう。技術がすごい好きなんですよね、僕。
なんですけど、最初のやっぱりコンサル時代の影響なのか、何かしらの問題解決ができれば基本的にはまずいいと思っていて。その問題解決の手法として技術がすごくいろんなとこで使えるので技術が好きなんだと思いますと。
ただ逆にいえば技術使わなくても解決できる問題であれば別の方法で解決すればよくて、そこをうまくバランスよく選択して事業に貢献するみたいなところっていうのは、まさにtrebyさんが言ったようなことで僕もそこに喜びを感じるっていうところは一致してますね。
treby:そう。なので、個人的にはjollyjoesterさんもうすごいリスペクトなんで。
jollyjoester:ありがとうございます。だから多分こういうタイプなんですよね。一方でエンジニアはゴリゴリ職人みたいな感じで技術を極めるっていうところに喜びを見出す人もいて。
そういう人たちとむしろ一緒のチームでやれば彼らの技術の成果を、例えば僕らが最大限に生かしてお客様に伝えられるみたいな話とかみたいなコンビネーションができれば結構楽しいですよね。
treby:楽しいですね。いや、本当にただそう言うとなんか難しいのが、自分自身も技術に対して真摯であり続けないと簡単に見抜かれるなっていう怖さみたいなのは常にあって。
役割の分担とはいえある側面だけを切り取ってみると調子のいいこと言ってるだけやんみたいな感じで見えるところもあると思うんですね。やっぱり本当のエンジニアのエンジニアとしてのスペシャリティってのは、口じゃなくて行動じゃないですか。
jollyjoester:コードと行動をかけてるんですか?(笑)
treby:コードと行動、両方ですけど。アウトプットなわけですよね。
ってときに、技術の判断軸しか持たないスペシャリストな方とやるっていうふうになると仲間として認めてもらえないときもあるのかなっていう感覚はありますね。
もちろんそれだけが事業上の価値じゃないと思ってるし、自分がやってることに嘘偽りを持ってやってるつもりはないんですけども。一方で自分としては技術が好きですから、事実として自分が技術を深堀りしてアウトプットとできていないことも分かっていて。
技術とそれ以外の橋渡しをやりたい一方で、でも現実には上手くできていないこと、というのはあるんですね。それはエンジニアの評価のされ方とかもそうですよね。ハードスキル、いわゆる技術力を評価されるのは、それはそれで絶対尊いんだけども、一方で橋渡しするみたいなところに価値がないかっていうと別の価値の出し方を絶対しているはずで。
そこについては、ちゃんと自分自身で役割を立てていく必要があるんだろうなっていう感じはあります。何をもって価値ってなるのかっていう話はあるんですけどね。
jollyjoester:まあそうですね。両方必要かと思いますね。エンジニアっていうことを主軸に置くならばエンジニアっていう価値観で抜きん出たものを得るっていう考え方。
多分そういうのがないとスキルの成長とかがないと思う一方で、そこにとらわれずに別の視点から見て、それってどうやって生かせるんだっけ?とかっていうところを見れるみたいな。
両方の視点があると結構楽しいというか、いいのかないみたいな気はするので。ただ結構相反するので難しいですね。
treby:なんかさっきのシニアな悩みみたいな話につながってきた気がしますけどね(笑)パーソナリティーへの質問のはずが。
banjun:うん(笑)
jollyjoester:trebyさんも多分その辺を目指してるので、結局同じとこに行き着いたって話ですよね。
banjun:そうやって分析して、他人がどう見てるかみたいなのを分析している、その様をしゃべるっていうのは結構trebyの面白いところではある。
いろいろ分析してるんだけど、結局「これ言うと問題かもしれない」っていうところに突っ込んでいっちゃうところもいいと思いますけどね(笑)
treby:人を選ぶとはよく言われるね(笑)
banjun:そうそうそう(笑)そこまで分かってるけど、結局言っちゃうみたいな。でもそれで物事が進むわけだから、そこはいいことかなっていうふうには思ってますね。
treby:裏表はないほうなので(笑)
jollyjoester:大丈夫ですか?ソリューションアーキテクトだとちょっとは裏表を出し分けたほうがうまくいくみたいな。
banjun:うん。相手によって。
treby:裏表がないのは、こういう場ぐらいで仕事の上ではそんなないと思いたいですけどね。
jollyjoester:まあ、お客様と接するときでもやっぱ率直というか誠実に、誠意を持って対応するっていうのがベースだと思うので。
それをベースにしてちょっとした見せ方の変え方ができるとより個別のお客様に適した対応ができるかもしれないですね。
treby:何か失敗をしたわけではないんですが、そこは本当に伸ばさなければいけないと思ってるスキルの一つですね。
jollyjoester:伸び代があるとこってことですね。
treby:そうですね、伝え方を気をつけるだけで、いい進め方とかあるとかね。
エンジニアリングが入ってない領域を今はビジネスとざっくり言いますけども、ビジネスの世界でエンジニアの価値を出していく。
かつ、それが頼まれてやるんじゃなくてプロアクティブに何か影響を及ぼしていって、フローなり世界なりを良くしていきたいなっていうのは思っております。
エンディング (1:28:21〜)
treby:さて、そんなところで今回もお別れの時間が近づいてきましたと。jollyjoesterさんいかがでしたか?もう結構話しましたけど。
jollyjoester:そうですね。なんかいろいろだらだら自分のことを話してしまって、これ大丈夫か?ってすごい心配になるんですけど。
treby:まあゲストなので、話してもらってナンボみたいな。
jollyjoester:そうですね。なんかでも久しぶりに思い出したというか。
最近、直近と短期の未来のことしか集中してずっとやってた気がするんで、改めてあれ?昔どうだっけ?とかReproに参加したときどうだっけ?みたいな話は思い出してて結構楽しかったですね。
ちょっとあれなのが、話しててあれ?これもしかして嘘の記憶じゃね?みたいな。ほんとそうだっけみたいなのがあって。
banjun:作られた記憶?
jollyjoester:そう。作られた記憶がある程度入ってるかもしんないんで。
そこはね、昔の僕を知ってる人が厳しく突っ込んでいただければと思いますと。
banjun:なるほど。
treby:免責事項ですね(笑)
jollyjoester:免責事項ですね。
treby:今日はちょっと時間の関係とか話の持っていき方の関係で聞けなかったんですけども、コミュニティをやる側としてのjollyjoesterさんの話もまた聞ける機会があったらいいなっていうのは思ってます。
jollyjoester:そっか。そうですね。確かに。今回結構お仕事寄りなところが多かった。
treby:キャリアな方向だったんで。きのこるとしては正しいんですけど。
banjun:うん。
treby:そんな感じのjollyjoesterさん回ですけども。きのこるエフエムでは番組へのおたよりをお待ちしております。
おたよりはきのこるエフエム公式Twitterアカウントへのリプライか、「(ハッシュタグ)#きのこる」をつけてツイートしてください。またGoogleフォームも最近あるんですかね。そちらのほうにもご記入ください。お待ちしております。
jollyjoester:エンジニアとほかの領域のこんなことをしてるよとかっていう例とかあったらほかにも教えてほしいんで、ぜひツイートで教えていただければと思います。
treby:それではこの番組はマネジメントに攻めるtrebyと、
banjun:スペシャリストになりたいbanjunとゲストの、
jollyjoester:ジョリージョースターでお送りしました。
treby:それではまた次回の配信をご期待ください。
一同:バイバーイ。