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聖(ひじり)の地
兵庫県は神戸市、垂水区の舞子へ行ってまいりました。
目的はいわゆる聖地巡礼、阿部共実さんの『潮が舞い子が舞い』の舞台を見に行くため。
といっても別の用の合間に行ったので全部回り切ったとか舞子を堪能し尽くしたとかではないし、新しくモデルっぽい場所を発見したりもしてない。
パラノマサイトの聖地巡礼をしたことがあるので聖地巡礼自体は初めてじゃないけど、やっぱり漫画作品の聖地になるとその地で起こった物語の絶対量が違うせいか比してもより感激する。
特に『潮が舞い子が舞い』は高校生活を中心とした学生たちの群像劇で、コメディではあるものの基本的にはかなり現実を描写している。そのせいか自分の中では風景や場所とシチュエーションがかなり強く結びついていて、登場する風景にたどり着くたびに彼らがほんとうにここで生活をしていたという感覚も強くなる。以降舞子の街を歩くだけでもなんとなく彼らの生活の片鱗に触れている気持ちになった。
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特に7巻67話を追っている時間はすごかった。
苔谷公園の北側の道で一万田&五十嵐と百々瀬が合流、例の30km制限標識前から苔谷公園を通って舞子駅高広線を南下、そのままアジュール舞子まで行き砂浜手前の階段で句を詠む回。
場面場面の風景を見るだけならいざ知らず、一話の流れ丸々追えるとなると感動の強度も変わってくる。コマ間の風景も楽しめるし数字組が通ったであろう歩道橋を自分も歩いている。的確に文字で表せないが、あの高揚感は聖地巡礼特有のもので醍醐味なんだと思う。
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構図の再現写真を撮ってみようともしてみたが、どうにもうまく重ならない。
これはまあ、わかっていたことで、背景資料撮影に望遠のレンズを使っているのだと思う。これは作者のXを見ても望遠で撮った舞子の写真が上がっていたりするのでそれなりに信じていいはず。
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5時間くらい歩き回ってみて、そもそも舞子がいいところだなあと思った。坂がありえないぐらい多くて急なので徒歩チャリ信仰勢には厳しいところもあるけど、坂が多い故の街の景色とか、どこにいても大体大橋が見えるところとか、駅前にやけに公園が多いところとか、散歩地としてすごく良い。
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あと水木の団地とあの公園がやっぱり見つからなかったのが少し心残り。
団地の方は具体的なモデルがあるとあんまよくない気もするしわかるんだけど、公園の方はいけたらよかったなあ。どうも先駆者を色々調べても無いみたいなので舞子坂を上がった先のあたりは実際には存在しないらしい。
自分は水木と犀賀の登山にまつわる話がすごくすきなので、登山発祥の地であるあの公園はかなりこの作品の中でも意味のある場所になっている。もうさんざん言われ尽くしてるけど、水木が言った何気ない一言を犀賀が気に入って、のちにあったときに犀賀が使ったら当の水木は覚えてないっていうのがもう。しかもそのあと背中にアホって書くし、水木は二回目の邂逅の前に百々瀬といろいろあるし、ああ。
とにかくすごくよかったです。舞子。
阿部共実先生の別の作品も読まないとな。
ちなみに自分は潮舞いでは柿境が一番好きです。よろしくお願いします。
今日のいい曲