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3つの、お帳面。

日記や、冠婚葬祭の記録、食べたもの、料理のアイディア、一緒にくらしていた犬の体調など。
わたしの祖母はこまめに、それらを書きつけていた。

大学生の頃、わたしは祖母に、わりと立派な手帳をプレゼントした。いつも、どこかのお店で、
もらったものを使っていたのを知っていたから。

「おばあちゃん。ひらりがあげた手帳つかってる?」と、遊びに行った日に、得意げに聞いてみたら、「あんな綺麗なお帳面もったいなくてずっと箱の中やわ。おばあちゃんもっとお勉強しな使われへんわぁ」と、祖母は答えた。

わたしは、内心ちょっとざんねんで、さみしい気持ちになったけど、でも、大事に取っておいてくれるのには、「じん。」とくるものがあったし、「昔のひとはやっぱりものを大事にするんだな」とも思った。

そしてなにより、その、“お帳面”という響きは、
祖母から発せられたというのもあるけど、
“ノート”と、いう呼び方の何倍も魅力的に感じられた。目の前に、袴姿に大きなりぼんを髪に飾った女学生なわたしが歩いてる光景がうかんだ。
(祖母の若い頃を想像しないところが、どこまでも、わたし過ぎて恥ずかしい)

いま、わたしは、みっつのお帳面をもっている。

そのいち。
スケジュールと短い日記、読んだ本、
観た映画などメモする手帳。

そのに。
毎日の体重、献立、食べたものを記録するノート。

そのさん。
こころの中から湧き上がるものをとにかくそのまま書く。感動した言葉や、わすれたくない出来事、
憤り、などなど、言わば 「人生のネタ帳」みたいなもの。
(もしもわたしが急に消えるようなことがあったら、これがいちばん発見されたくないかも。でもその存在、世界発信してしまった!) 

この、お帳面たちに、白紙のページが続いたら、
暮らしや、きもち、が、乱れはじめてるってわかる。たまに読み返すと、「生きてるんやなあ」と、
感心したりもする。じぶんのことなのに。


あいするミルクティになる
茶葉さんたちの家
これはみっつじゃ足りないよぅ。



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ひらり
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