お別れの時

手術の時間が近づくにつれ、もうすぐお腹の中から赤ちゃんがいなくなるんだと思ったら寂しさで泣けてきた。

時間になり、荷物をまとめて手術室に向かった。

移動の際に新生児室の前を通り、生まれたばかりの赤ちゃんを見て癒されつつ、次は赤ちゃんを産むときにここに来ようと強く思った。

手術室に着き、手術台の上で横になりながら先生が来るまで、看護師さんと雑談していた。

初めての手術が不安過ぎて、『麻酔ってちゃんと効きますか?効きにくい人っているんですか?』とかアホみたいな質問ばかりしていた。

そんな私にも看護師さんは優しくて、『精神科でもらうような強い薬を常用している人は稀に麻酔が効きにくいこともあるけど、大丈夫!ここに何年も勤めてるけど今まで途中で目が覚めた人もいないし、みんなあっという間だったっていう人ばっかりだよ。』と言ってくれて安心した。

麻酔をする前に、麻酔を効きやすくする筋肉注射を打ってもらった。結構痛いと言われたのでビビっていたが、昨日の前処置や倒れる程の腹痛と比べたら全然平気だった。

しばらくしたら先生が来て、点滴から静脈麻酔を入れられた。看護師さんに『血管がピリピリする感じがするよ~。』と言われ、確かに右手の血管が全部ピリピリして痛みを感じたので『痛いです...痛いです...』と言いながら強い睡魔に襲われだんだん意識が遠のいていく感じがした。

看護師さんから名前を呼ばれ、目を覚ますと全ての処置が終わっており、ちゃんと麻酔が効いていた事と無事に手術が終わった事にホッとした。

病室のベッドでしばらく休んでいると、食事が運ばれてきた。

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もっと軽食な感じだと思っていたので、ボリュームに驚いた。前日の夕食を最後に絶飲食だったのでお腹も空いており、美味しかったので残さず間食した。

ちょっと休んでいたら帰っていいと言われたので、着替えて帰り支度をして夫にタクシーで迎えに来てもらい帰宅した。


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Kinoko
生きる糧にします。