森で拾った木の枝が教えてくれたこと
森を歩いていると、何気なく目に入った木の枝。形が少し曲がっていて、表面には苔が付いている。そのまま見過ごしてしまいそうなそれを拾い上げた瞬間、ふと「これで何か作れるかもしれない」と思った。それはゴミのようでもあり、同時に宝物のようにも見えた。
家に帰り、その枝を机に置いて眺めてみる。角度を変えたり、光を当てたりしながら観察していると、ただの枝が何か特別なものに見えてくる。削ったり、色を塗ったりすれば、一輪挿しの土台になりそうだし、小さく切ればモビールのパーツにもなりそうだ。自然の素材はそれだけで形の美しさがあり、加工の余地がたくさんある。
実際に手を動かして作業を始めてみると、アイデアが次々と湧いてくる。最初はただの枝だったものが、絵の具を塗ることでカラフルなアートピースに変わり、小さな穴を開けることでアクセサリーのパーツになった。手を動かすことで、素材の可能性がどんどん広がっていくのだ。
森で拾ったこの枝は、ただのゴミではなかった。それは「見方を変えれば、どんなものにも価値がある」ということを教えてくれた。そして、その価値を見出すのは自分次第なのだ。次に森を歩くとき、足元に落ちているものにもっと目を向けてみたいと思った。自然がくれる素材と、それが生む創造の楽しさに改めて気づいたからだ。