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ブックレビュー「人新世の資本論」

偶然youtubeで斎藤幸平さんを見て、なんかこの人いいこと言っている!と思い、図書館で借りました。

元々保守的な考えの持ち主の私ですが、特に自分が弱い立場になってから(ひとり親家庭)、この国は立場の弱い人に対するあたりの強い国だなと思うようになり、頑張ればお金を沢山稼げて豊かな生活ができるんだから今弱者になっている人は怠けているからだ、とか、離婚するような相手を選んだあなたが悪いよね、自己責任だよね、みたいな考えが、根本的に間違っているということに気づきました。(自分の身に降りかからないとわかりませんでした)
かといって、政治的に両極にある考えも自分にはフィットしないよな、と思うなかで、斎藤さんのこの書籍は、政治的な思想がそもそも嫌いな多くの人にも読み進められるものでした。

この本では、資本主義を前提にして持続可能な世界を築くことはできないと言い切っています。SGDsがぬるいということも言っています(本の中ではもうちょっと過激な言い方でした)。

ここからは私の感想です。
資本主義の限界が来つつあるのは、みんな薄々感じていることなのかなと思います。
個人レベルで考えると:生きるためにお金が必要→お金を稼ぐために適性の仕事かもわからず働き続ける→いやなことがあってもお金を稼ぐために会社や仕事を辞められない→ストレスたまる→病気になるとか、人間関係が壊れるとか、良くないことが起きる
地球レベルで考えると:お金を得るために、品質が悪かったり土に還らなかったり環境を破壊するけど安い材料をたくさん使って利益率の高い商品を作る→環境破壊が起きる
これらは、資本主義がなくなれば丸っと解決しそうです。かといって、資本主義以外の経済って、歴史をたどると何だか陰鬱とした感じがあるし、自由がはく奪されるようなイメージがあります。そこのイメージや、過去の歴史の経緯があるから、私たちの多くはスイッチできないと思います。それに、今のところ私たちは、働いてお金をもらって生きている以上、そこのゲームチェンジをすることができません。
ただ、「働いてお金をもらわなくても生きていける人」が日本の10%くらいに達すれば、ゲームチェンジできるのではないか、と思います。
「働いてお金をもらわなくても生きていける人」とは、物々交換と自給自足で生きている人なんじゃないか、と思っています。
そんな人いる?!と思いますが、最近そういった暮らしをしている人をちらほらSNS等で見かけるようになりました。

世の中が変わるきっかけって、やはり数の力が必要です。資本主義の中で毎日頑張って生きているのだから、別に子どもたちの世代のことを考えていないんじゃなくて、仕組みを変えるきっかけを個人が声を挙げても無理、と思ってしまっているのです。
政治の力で、とも思いますが、環境問題を前面に押し出した政党も見かけないし、外交や安全保障といった分野も当然重要なので、環境問題に関しては大共感できても、それ以外の分野で「これは違うでしょ」と思ってしまう政党には投票できず、一言でいうと、投票したい政党がありません。
となると、私に何ができるんだろうと考えると、やはり私が上記の「働いてお金をもらわなくても生きていける人」になって%を上げるのがいいんじゃないか、と思うのです。



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