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東大出身の友人に聞く、記憶を長続きさせる方法

東大生は、
なぜスラスラと言葉が出るのか


私の上司は、「たしか、どこかにあったはず」と1日1000回くらい言っています。病気ではありません、ただの物忘れです。重要なことは覚えているのに、些細なことが脳の奥底に消えている、または既に記憶から抹消されています。

一方、私も上司のことをバカにできません。打合せで話した内容や、久しぶりに会うお客さんの名前を思い出せないなど、記憶が薄れていると感じる場面に多く出くわします。

先日、65歳の母が脳のために意識している習慣について書きました。「人間のの脳細胞の数は、生まれたときがピークだから成長しない」と言われてきましたが、最新の脳科学上では「脳の黄金世代(完成された脳)は45~55歳」で、新しい刺激を与え続けると120歳まで脳が成長し続けるとわかりました。

たしかに、記憶を司る海馬は年齢とともに萎縮し、脳細胞も減少していくため、20代の頃に比べて物覚えが悪くなるのは事実です。しかし、それは単に加齢のせいではなく、脳の使い方に問題がある可能性もあります。

なぜなら、私たちは自分の脳の「説明書」を持っていません。感覚的にコントロールし、自分の脳を理解しているつもりで、「覚えられないのは加齢のせいだ」と決めつけてしまっています。

東京大学出身の友人は、会話しているとスラスラと単語が出てきます。年齢は変わらないはずなのに、記憶力に差が出ることに疑問を持ちました。しかし、彼によれば、私たちは覚えることを頑張ろうとしますが、覚えるより「引き出しやすくする」考え方が良いということです。

今日のテーマは「記憶の仕組みで成長する」です。受験に向けて勉強を頑張っている学生、資格試験の勉強中の方、物忘れをしがちな奥様、旦那様。記憶は自分でコントロールできます。

最後まで、是非ご覧ください。

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記憶を引き出す練習

私は、高校時代に勉強方法で「一夜漬け(Cramming all night)」を取り入れていました。次の日、学校では「ねぇ、昨日勉強した?」と聞かれても「いや、全然」と相手を油断させる心理的駆け引きを行っていました。当然相手も「やっぱりね、俺も」と言いますが、あきらかな嘘です。

たしかに、一夜漬けの効果は絶大でした。ただし、「覚えやすい単語」だけに効果がありました。例えば、「18世紀後半、蒸気機関を原動力としたことで工業生産力が格段に増大し始めたことをなんと言うか」という問題であれば「産業革命」と出てきます。しかし、逆(筆記問題)に関しては効果が薄いことがわかりました。


覚えやすい〇 :「説明」→「単語」
覚えにくい×  :「単語」→「説明」

当時は、テストでいい点数を取ることが目的だったので、一時的に覚えていれば問題ありませんでした。しかし、大人になって資格試験の追い込みで一夜漬けをしても、以前より記憶力が低下していることを実感しました。また、高校時代に学習した内容も記憶に残っていませんでした。

一方、東大出身の友だちは、高校時代に勉強した古文の内容を未だに覚えていると言っています。語彙力の差が生まれるのも当然です。同じ人間、脳を持っているはずなのに。

私にとって記憶とは、覚えたいことを脳に詰め込む感覚でしたが、友人は引き出すヒントを脳に与えて覚えていくそうです。

関連付けて引き出す

ストックした記憶を、脳内から引き出す効率的な方法について調べました。全米記憶力選手権で5度の優勝を果たしたネルソン・デリスさん。彼は、記憶術の前提としてこのように語っています。

記憶術の前提は極めてシンプルだ。わたしたちの脳には、覚えるのが得意な情報というものがある。例えば、なんらかの感覚を伴うもの、特に視覚と方向感覚に関する記憶は、数や概念といった抽象的な記憶よりも残りやすい。

記憶には、「覚えやすい記憶」「定着しにくい記憶」があります。例えば、フランス革命が起こった年号(1789年)よりも、ナポレオンが馬に乗っている絵の方が印象的に記憶に残っているはずです。絵を見たときに、「あ、この人ナポレオンだよね」と思い出すのは関連付けをしているからです。

つまり、「定着しにくい記憶」は関連付けをして引き出すと思い出しやすいということです。英単語のappleであれば、リンゴの香りや味を想像するなど、自分が覚えやすい方法に翻訳してあげストックします。すると、引き出しやすくなるという原理です。

昔、「学校へ行こう」という番組で、B-RAPハイスクールという人気コーナーがありました。そこで日本史の出来事や年号を覚えるためにラップを披露していたCo.慶応(コーケイオウ)さんが非常に人気でした。私も彼のおかげで元号を未だに忘れていません。まさに、歌に乗せて覚えたからこそ記憶を引き出しやすくなっている例です。

アクティブ・リコール


エビングハウスの忘却曲線は、「時間が経つにつれて、どれくらい記憶が薄れていくのか」 をグラフにしており、下図の通りとなっています。

▪️20分後: 約42%忘れる
▪️1時間後: 約56%忘れる
▪️1日後: 約66%忘れる
▪️1週間後: 約75%忘れる
▪️1ヶ月後: 約80%忘れる

人は、忘れます。


記憶のプロセスは、

①情報を「ワーキングメモリ」に一時的に保存・処理
②重要と判断された情報は短期記憶へ移行
③繰り返し思い出して長期記憶へと定着。

長期記憶から記憶を取り出すことが「思い出す」行為となり、私たちが一番求めていることです。記憶を定着させるために、繰り返し読む・繰り返し書くが有効と言われてきましたが、友だちからオススメされたのが「Active Recall(アクティブ・リコール)」でした。

Active Recall(アクティブ・リコール)とは、単に学習内容を繰り返し書いたり読んだりするよりも、記憶から積極的に情報を引き出し、思い出す行為が記憶を著しく強化することが明らかになっています。

アクティブ・リコールは、学んだ情報を「思い出す」ことに重点を置いた学習法です。問題形式で解いたり、人に説明したり、白紙に書き出したりする方法があります。

TBSドラマ番組の御上先生でも、取り上げられた学習法です。日本の教育は「教える」ことに重点を置きすぎて、「思い出す」ための時間があまり与えられていません。たしかに、数学の解き方について教わっても、自分で思い出しながら白紙に書いていくといったことは、あまりやっていませんでした。

著者の西岡 壱誠さんも、Active Recallを活用して偏差値35の状況から東大に合格したそうです。思い出すことは、脳内のネットワークを強化し整理する大事な作業です。インターネットやAIの進歩によって、私たちは思い出す行為を避けようとしています。

例えば、今日会った出来事をnoteにまとめたり、本を読んだら要約した内容を一度まとめてみたりなど、自分の記憶を呼び覚ますトレーニングをすることが大事だなと感じました。


覚えるよりも引き出すこと。Active Recall

是非、試してみてください。私もActive Recallを使って、TOEICの勉強を頑張ってみようと思います。本日もありがとうございました。それじゃぁ!

The man who doesn’t make up his mind to cultivate the habit of thinking misses the greatest pleasure in life.
自分が考える習慣を磨こうと心がけない者は、人生における最大の喜びを逃してしまっている                 トーマス・エジソン

*参考note

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