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上場を3ヶ月後に控えた局面からのIPO支援|株式会社ジンジブ

株式会社ジンジブは、2024年3月22日に東京証券取引所グロース市場に新規上場を果たしました。KINOCOSと進めた上場時のプロジェクトの経緯や内容、現在のビジネス状況や今後の展望を、同社常務取締役の新田圭氏に伺いました。


1. 改めて、貴社の会社概要をお話ください

新田:当社は一言でいうと、高校生・高卒社会人向けのサポートカンパニーです。事業領域としては高校生に特化した新卒の採用支援事業及び高卒社会人の教育研修事業を中心として、事業展開を行っており、高校生に特化した新卒採用支援というのは上場企業唯一となっております。高校生向けの求人ナビである「ジョブドラフトNavi」、高校生向けの合同説明会である「ジョブドラフトFes」を大きな2本のサービスの軸としております。2015年に設立し、約9年経った現在では、全国に10拠点を展開しております。

事業計画及び成長可能性に関する説明資料より抜粋

長谷川:高卒領域で唯一の上場会社とのことですが、高卒領域だからこその参入障壁や貴社独自の優位性はどのような点にあるのでしょうか。

新田:高校生の就職環境は大学生の就職環境とは違って、過去から長く続くルールに厳格に守られているという非常に独特な環境があります。数多くの会社の中から自分で選び、意思決定をする大学生の就職活動とは全く異なり、簡単にいうと、学校の斡旋でひとり1社のみエントリーし、内定をもらったらそこに就職をする、というのが高卒の就職ルールになります。この学校の斡旋というのが肝になっており、企業と高校生という就職当事者以外に、学校もしくは学校の先生が絡んできます。企業が直接高校生に連携を取ることはなく、学校の先生を介して面接の日程決めや、面接の合否などの情報の伝達を行います。したがって、学校の先生が企業に対して生徒を紹介しても良いと思ってもらえるかが高卒の就活における独特かつ極めて重要な観点であり、この独特なルールを競争優位性へと昇華していくために、学校網の拡大に創業以来取り組んできました。日本全国には5,000校強の高校がある中で、当社は約3分の1に当たる1,776校に訪問しており、社会人経験の少ない先生に代わって高校生に対して社会や仕事に関するキャリア教育コンテンツを提供する「ジョブドラフトCareer」と、紙ベースの求人票をデジタルデータ化し、生徒に対する共有を可能にする「ジョブドラフトTeacher」といったサービスを無償で提供しております。

事業計画及び成長可能性に関する説明資料より抜粋

2. IPO支援をご依頼頂いた当時、どのような課題意識を持って、弊社にご依頼いただきましたか?

長谷川:独特な商慣習が存在し、課題も多い高卒領域において初の上場企業となったわけですが、IPO支援をご依頼いただいた2023年12月当時、どのような課題感を持って当社(KINOCOS)にご連絡をいただいたのか、お聞かせください。

新田:KINOCOSに連絡したきっかけは知人の経営者からの紹介だったのですが、当時我々が抱えていた課題感として、株価に対して大きな影響を与える公開価格やその決定プロセスの妥当性に疑問を持っていた、ということがあります。当社に対する市場の期待値の現れである株価は経営における重要な指標の1つであると考えており、特に、我々の事業領域である高卒就職支援というのは上場企業の前例がない領域のため類似企業等の選定も難しく、証券会社から提示される公開価格や算定ロジックに対して、第三者の立場からフラットな意見を求め、KINOCOSにコンタクトしました。

3.IPO支援時、特に印象的なエピソードがあれば、お話し下さい

長谷川:上場日のおよそ3ヵ月前のコンタクトということで、非常に切羽詰まったプロジェクトだったかと思いますが、IPO支援において印象に残っているエピソードなどがあれば教えてください。

新田:常にギリギリのプロジェクトだったので、一緒に乗り越えてくれたKINOCOSには感謝しております。最も印象に残っていることは、初回の打ち合わせで提示された資料です。短い準備期間の中で、当社の競争優位性や市場の特異性を理解した上で、緻密な数値をもとにロジックを積み重ねたプライシング資料を提示してもらい、短期間でここまで当社を理解してくれているんだと驚きました。当初は第三者意見の提示のみをスコープにプロジェクトをご依頼させて頂いたのですが、深い理解と伝わりやすいアウトプットへの期待感から、時間が無い中ではありましたが、急遽ロードショーマテリアルの作成に関しても追加でご支援頂きました。

4.IPO後も継続的にご支援させて頂いております。どのような点に価値を感じていた頂けているでしょうか?

長谷川:タイトなプロジェクトを終えて、無事にオンスケジュールで上場しました。IPO後も引き続き支援をさせていただいてるわけですが、どのような点で価値を感じていただけているでしょうか。

新田:「上場企業になる」ということは、IPOを終えたどの企業体にとっても初めての経験であり、IPOをゴールではなくスタートとして、さらに事業展開をしていく、市場の期待を集めていくという強い気持ちはある一方で、IR施策などは手探りの状況が続くと思います。そんな中で、IPO前から支援してもらっており、今後の成長戦略や成し遂げていきたい事業アクションも含めて当社の理解があるKINOCOSに、企業価値に密接に関係するIR領域を継続的に伴走支援してもらうことで、投資家の皆様に対する当社情報や見せ方の連続性を担保することができていると感じております。

5.貴社の将来的な事業展望や意気込みをお話下さい

長谷川:最後に、貴社の事業展望やこれからの意気込みについてお聞かせ頂けますか。

新田:当社がIPOした目的は、市場から信頼・信用を得ることにありました。誰もやったことのない高校生の就職支援を取り扱う事業だからこそ、先生方からの信頼、親御さまからの信頼、高校生からの信頼、企業さまからの信頼を得ることで、事業の水準を引き上げていくと考えており、実際にIPOをして、まさにこの信頼・信用が事業のスピードアップに繋がることを体感しています。引き続き、関わる皆様からの信頼・信用を積み重ねていきながら、企業価値をあげていくことができれば、高校生に対して新たな道を作っていけると信じており、現在、我々が高校生の新卒採用領域で展開している求人ナビやイベントだけではなく、もともと当社が解決すべき社会課題として対峙している高卒社会人の早期離職の解決や、転職活動の支援事業を加速することができると考えています。また、新卒、転職といった人材関連領域にとどまらず、その先に続いていくライフサイクルに寄り添うことができるパートナー企業となることを目指していきますので、引き続きご期待いただければと思います。

事業計画及び成長可能性に関する説明資料より抜粋

長谷川:ありがとうございました。ジンジブ様のより大きな目指す姿に対して、我々も引き続き、マーケットに対して適切な企業価値を訴え、また引き上げていけるようご支援させていただければと思います。


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