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AI×セキュリティで事業の拡大を想像させるストーリーを構築|株式会社セキュア様

株式会社セキュア様は、2021年に新規上場を果たしました。KINOCOSとの業務提携の経緯と上場時のプロジェクトの内容、上場して1年以上経った現在のビジネス状況や今後の展望を、同社CEOの谷口辰成氏に伺いました。


1. KINOCOSと今回のプロジェクトを実施された背景を教えてください。

谷口:元々は、木下さんに営業資料の依頼をしたのがKINOCOSとの取引の始まりでした。営業資料を見直そうと外注できる会社を探していた時に知人の経営者からの紹介でご縁を頂き、こちらの要望に丁寧に応えていただきながら、クオリティの高い資料を作成いただくことができました。


それから数年経ち上場するにあたって、ロードショーマテリアルが必要になったんですね。当時グロース市場に上場する企業は資料のデザインレベルもかなり高いところが多くなっていて、そこに並ぼうと思うと内製ではなかなか難しい状況でした。そこで、以前作って頂いた営業資料のクオリティの高さを思い出し、KINOCOSに依頼させていただきました。木下さんをはじめとする、KINOCOSのメンバーはマテリアル作成のポイントをよく理解していて、デザインの表現力が高く、具体化と抽象度のバランスが良いのが特長だと感じています。

木下:うれしいお言葉をいただき、ありがとうございます。当時はコーポレートサイトのリニューアルも行っていらっしゃったので、デザイン部分はサイトとの親和性も意識していました。

谷口:そうですね、単に見た目を綺麗にするだけではなく、KINOCOSは事業理解とファイナンス視点をもって最適なアウトプットを作ってくださった印象です。ついついあれもこれも、となってしまいがちな中で、第三者視点でポイントをぐっと絞って投資家に伝わるストーリーを作っていただくことができ、非常にありがたかったです。

木下:ヒアリング時にはコンプス(競合企業)をどう定義するのか、エクイティストーリーをどう説明するのか、なども悩まれていましたよね。弊社からは、サービスにAIを使っている背景や、事業領域がハードだけでなくソフトもあることなどを説明してはどうかというご提案をさせていただきました。

事業計画及び成長可能性に関する事項より抜粋

2. プロジェクト完了までの過程で印象に残っていることはなんでしょうか?


谷口:上場準備の終盤は、毎日のように証券会社や東京証券取引所とのやりとりが発生し、かなりタフになりますよね。そんな中でもKINOCOSは密にコミュニケーションを取って柔軟に対応くださったのが印象的でした。特に、投資家に向けてのメッセージングの部分は両社で知恵を出し合いながら一緒に作り上げていったと思っています。

木下:上場準備は終盤になると対応だけでかなり時間を取られるので、幅広なご支援をさせていただくことができて弊社としてもよかったと思います。

谷口:一番ありがたいと思ったのは、抽象度が高い状態で伝えた内容を、図解も含めて具体的にわかりやすく説明していただけたことです。自分自身でもあまり咀嚼できていない、ふわっとしている部分を深掘りしていただいて。

事業計画及び成長可能性に関する事項より抜粋

木下:概念をビジュアルに変換していく部分は、弊社の強みでもあると思っています。価値を感じていただけたようで何よりです。

また、個人的には「プレロードショー(擬似ロードショー)」を提供した初めての企業だったことも印象深く残っています。

プレロードショー(擬似ロードショー)
機関投資家に対して行う、疑似的なロードショーのリハーサルのこと。ロードショーとは、上場承認を受けてから株式公開前に機関投資家に対して行う会社説明会のことで、公開時の募集または売出しに係る価格の需給を判断する重要な場。

谷口:あれは、本当に実施して良かったです。KINOCOSに所属している元バイサイドの機関投資家と90分の場を設定いただき、本番さながらで擬似ロードショーを実施させていただきました。

プレゼンの時間は30分。その後、30分の質疑応答、そしてディスカッションという流れで進行いただきました。あれを実施したおかげで、「投資家がどう考えており、どういった質問をしてくるのか」が事前にわかったおかげで、本番のロードショーは緊張せず話すことができ、ロードショーの成功に大きく寄与したとも考えています。

3. 今回のプロジェクトによってどのような成果が得られましたか?


谷口:定性的ではありますが、一番感じるのはやはり周囲からの言葉ですね。投資家はもちろん、他の上場企業からも「わかりやすいね、いい資料だね」との評価を多くいただきました。今も、あの時に制作いただいた資料をベースにして投資家に説明しています。あらためて、弊社の企業価値への期待度を高められる資料に仕上がったと感じています。

木下:KINOCOSとしては、今回のプロジェクトでお役に立てたことの定量的な説明としては①ロードショーにおけるブックの積み上げへの貢献、②上場後の個人投資家へのコミュニケーションの活性化の二つがあるかなと思っています。特にこの部分は、成長可能性資料のわかりやすさが大きく影響したのではと。

谷口:そうですね。目論見書価格が870円。仮条件の870円-950円の中で上限である950円を獲得できたのは、投資家への理解が進み、ブックの積み上げによる結果だと思います。

また上場後の初値は2,185円と公開価格950円の約2.3倍となりました。弊社が上場したタイミングは2021年の12月は、SaaSバブルが崩壊し始めていていたりとなかなか投資家の注目・理解を得るのが難しかった時期ですが、お陰様で注目されたIPOとなったと考えております。

木下:ちょうど直前の時期に事業領域が近い企業が上場していたため、そことの差別化も意識しながらストーリーやデザインを制作していました。そういったメッセージも投資家に伝わったのかなと思っていますね。

4. 現在のビジネス状況と今後の展望を教えてください。

谷口:上場から1年半が経ち、上場の効果を強く感じています。採用面では応募者の質が明らかに上がりましたし、認知も広がってきました。事業面においても、これまでこなかった層や企業規模の大きな顧客からの引き合いが増えています。

ですが、まだまだ弊社は成長の初期段階で、これからビジネスもどんどん進化していきます。事業のフェーズが変わる中、エクイティストーリーも今後一段とブラッシュアップしていかなければなりません。そういった中で、今後もKINCOSとはぜひ継続的にお取引をさせていただきたいと思っています。

木下:ぜひ引き続きご支援させていただければ幸いです。本日はありがとうございました。

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