ハウスは人生の成長ステージ物語②
前回の記事(4〜10ハウス)はこちら
前回の記事にいただいた質問
・4ハウスから始まるのに部屋の番号はなぜ1にならないのですか?
→基盤、ルーツ、根底や無意識なのでIC(真夜中)が始まりのハウスになる。占星学的には社会や他人に見えるようになるのはASCのライン(1ハウス)からで、ライジングする(太陽が昇る、太陽とともに昇る)ということが重要になる。始まりではあるが他人からは見えない場所、なので4ハウスとなる。
・ハウスに12サインが当てはめられているのはなぜですか?
→伝統占星術ではハウスにサインの意味や関連性はなかった。1960〜70年代になり、心理占星術の拡充法が広まってから、サインの性質とハウスの共通点が語られるようになり、ハウスに対応したサインがあるという概念が生まれた(ナチュラルハウス)。
サイン、ナチュラルルーラー、ハウスから、元々は関連性がなかったキーワードも生産されてしまっていることもあるため、ナチュラルハウスの概念は適応しない占星術師もいる。
(牡牛座=金星=2ハウスという関連性から、牡牛座=お金というキーワードが連想されることが散見されるが、牡牛座にはお金のキーワードは元来持っていなかったという説もある。)
安定=お金という固定概念を形成することを危惧している方もいる。
9ハウスは真実を追求したくなる思想
10ハウスは「無私の場所(MC)」だった。みんなのために、社会のために、他人のためにが強まった場所。社会的な成功を収めるために、他人と協働して使命を達成したが、「真実はどうだったのか?」「真理はなんなのか?」ということを集団から抜けて考え、哲学し始める。
「信じる」のではなく、「考える」ようになる。(信じるは3ハウス)
9ハウスに「宗教」のキーワードが適することもあるが、思考した末に到達できなくなると宗教になる、という意味も含めている。
宇宙の始まり、ビックバンについて思考しても答えに辿り着けないと、
「神が創造した」という信仰的な思想が生まれやすくなる。
現代では9ハウス=海外というキーワードがあるが、「現実から離れたところ」のメタファーや「身近な場所=3ハウス」との対比としての意味合いが多い。
8ハウスは日没に向かう、人生の「終わり」を意識する
日没=人生の終盤。
真理への哲学は人生への哲学に移行する。
「自分とは何か」「生きるとは何か」「死とは何か」
その中で自分が何を残せるのか、何を継承して生きていたか、何を継承できるか、そして誰に残すかを考える段階に入る。
2ハウスは「自分が持って生まれた能力、才能」であった。
8ハウスでは自分以外のものから、「継承しているもの」「継承していくもの」を指すので、「財産」や「血縁」などのキーワードが生まれる。
ただ持っているものやもらったものではなく、前の世代から「死に明け渡されたもの/死に明け渡すもの」である。ここに性的活動というキーワードが入るのは、こういった陰部に人を招き入れるという意味合いからである。
(血縁からの繋がりが重く、断ち切る必要がある場合は「祖先に返す」ということがテーマにもなる。)
7ハウスは対人関係の中でも「1:1の契約」(IC)
8ハウスで検討した誰に継承するか、の相手が7ハウスになる。伝統的には継承するのは主に配偶者であった。現代ではもう少し広い意味に捉えられており、「自分以外の相手」「1:1の契約を結ぶ相手」「ビジネスパートナーやライバルなど」を指す。また、心理学的には他者の中に映し出す自分や、自分の見たくない部分を他者に投影する(シャドー)として現れることもあると言われている。
時計回りのハウスでも整合性が取れている
ここまで、4ハウス〜7ハウスまで時計回りの成長ステージを歩んできたが、現代の解釈と大きくずれることもなく、むしろ解釈をしやすいとすら思っている。
11ハウスの集団から突如の宇宙、未知であった部分は12ハウス→11ハウスの流れの方がしっくりきている。
(私だけだろうか?)
残り2ハウスでどんな執着地点にたどり着くのか?
次回をお楽しみに★