【兵庫県明石市】インクルーシブなまちづくりの条例のある街。遊び場もインクルーシブを学ぶ大切な場所
明石市 17 号池魚住みんな公園
インクルーシブ公園の意義を考えました
「インクルーシブ公園!」「インクルーシブ遊具!」と良く耳にするようになりました。一方で日本人にとって「インクルーシブ」って馴染みのない言葉で、あまりピンと来ない方も多いのかと思います。そもそも遊びとは学びでもあるので、インクルーシブ公園で遊ぶついでに、インクルーシブについて考えてみることも大切な学びかと思います。
兵庫県明石市は、2022年3月に「すべての人が自分らしく生きられるインクルーシブなまちづくり条例」が公布されました。その翌年に生まれた遊び場が、今回ご紹介する17 号池魚住みんな公園です。インクルーシブ公園って何者なのか? この条例も読みつつ考えてみてはいかがでしょう。
遊び場は社会への第一歩
公園の遊び場は、子どもにとって社会に参加する第一歩の場所だと思います。保育園や幼稚園も立派な社会ですが、不特定多数というか日々偶然性の出会いがある場は公園なのかと思います。
その公園で、世代や文化、障がいの有無も含めた様々な個性と出会うことは子どもが多様性を知るまたとない機会だと思います。そしてその子達はいずれ青年になり社会を作ってゆくこととなりますが、その社会はきっと多様さに満ちているのかと予想します。
インクルーシブ公園の本当の役割はここかなと私は思っており、「公園をインクルーシブに使うことは、社会をインクルーシブにすること」の入り口だと思います。その上で、この様な条例の学びがあることは分かりやすくて良いのかと思いました。
遊び場の情報
住所 :兵庫県明石市魚住町清水1番ほか
アクセス :JR西日本山陽本線 魚住駅徒歩15分くらい(ひたすら歩いた場合)
駐車場あり(3時間まで無料)
広さ :およそ2,400㎡
アメニティ:遊び場付近に障がい者優先トイレあり。
その他手洗い&水飲み授乳室、着替え室、おむつ替え室
休憩施設 :パーゴラ1基と屋根付きベンチ2基。その他ベンチなど
地面 :バリアフリー
基本的には芝生で、遊具の周囲がゴムチップ舗装
遊具
・ユニバーサルデザインの複合遊具
・車いすから乗り移りやすい回転遊具
・サポートの付いたブランコ五感を使う遊び
・複合遊具の中の仕掛けその他
・よくある普通の滑り台
・よくある普通のブランコ(バリアフリーと一体型)
・カームダウンを想定したほら穴状の遊具
遊び場について
管理棟がすぐ近くにあり、安心感があります。池の半分を埋め立てて造られた公園なので、その名残なのか周囲を土手で囲まれています。そのため道路添いの公園ですが道路や住宅とは隔絶されています。池は遊び場から離れているので、誤って池に落ちる可能性などは低いです。
遊び場は基本的には芝生で、コンクリートの園路で遊び場内を周遊できます。この遊び場の一番の特徴は、「個室」の充実だと感じました。授乳、着替え、おむつ替えのコンテナハウスの様な建物が遊び場に用意されています。普段は施錠されていて、使うときに掲示されている番号に電話をかけると、管理者の方が鍵を開けてくれるようです。エアコンもついているので夏場も安心して利用できそうです。
記事の目的
この記事は、特にインクルーシブな遊び場を必要とされる方に対し遊び場の情報(特に写真)をお伝えし、遊び場を事前に知り、選択する材料となる事を主な目的としています。
また、特色のあるインクルーシブな遊び場を紹介することで、自治体や設計者の方の業務の参考になれば幸いです。
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