推し(ブラッドリー)モチーフ疑惑の小説を読んだ。
まほやくが文学作品をキャラモチーフとしているという情報から、それぞれのキャラのモチーフ作品または作家は何か、が考察されている。
その中でも、ブラッドリーのキャラモチーフの候補としてあげられる
『フェッセンデンの宇宙』を読んでみた。
それを選んだのは表紙が激カワだったのと、私が宇宙が好きだからである。
(以下はガッツリ本のネタバレが含むモノになるので注意)
これはアメリカのSF作家エドモンド・ハミルトン著の作品で、1930年代に公開され、50年代に主人公の性格やセリフが一部改変された改稿版が出ている。大まかなストーリーは変わらないが確かに違っていた。
本稿はこの改稿版を参考に考察を説明する。
内容は本作の主人公、天文学者の”ブラッドリー”と、天文学者であり天才科学者のフェッセンデンによる宇宙実験の話。
ある秋の夜、フェッセンデンの屋敷に訪れた”ブラッドリー”は、彼が研究室で小さな宇宙を作り出すことに成功したことを知る。
”ブラッドリー”はそれに驚き、興味を持ち、フェッセンデンの指示のままにその小宇宙を観察した。そこでは、小さな惑星の中でまるで自分たちと同じように文明を築き、生活する生命たちがあった。”ブラッドリー”はその美しさに感動するも、それらはフェッセンデンの残酷な実験によって滅ぼされてしまう。
その実験を巡った一悶着の末、小宇宙はフェッセンデンとその屋敷ごと爆発して無くなる。
無事生き残った”ブラッドリー”だったが、ある疑念がそれ以降の彼につきまとうことになった。
ーーーわれわれ自身の広大な星間宇宙も、はるかに大きなスケールで見れば、ちっぽけな極小宇宙にすぎないのではないだろうか?
そしてそのひとまわり大きな宇宙に、われわれの宇宙を興味深い実験対象としかみなさず、われわれの反応を研究して楽しむためだけに、われわれの世界に破滅をもたらす超実験者がいるのではないだろうか?
あの天上にもフェッセンデンがいるのではないだろうか?ーーー
このような疑問形で、この物語は終わる。
さて、ここから我らがボス、ブラッドリー味を探していくわけだが、
先に伝えておくと、
私はこの物語の主人公である"ブラッドリー"=まほやくのブラッドリーという式ではなく、
この本の全体像=ブラッドリーの要素と思ってこれからを語る。
☆ブラッドリーと天文学者☆
”ブラッドリー”は天文学者であり、フェッセンデンは天才の科学者兼天文学者だ。
まほやくのブラッドリーは天文学との直接な関係はないものの、身近な存在に、ムルがいる。
ムルは、天才哲学者、科学者であり、天文台をスポットに持つ天文学者だ。ムルとフェッセンデンは重なる部分が多い。彼らは周囲からイカれた天才として扱われ、集中すると他のことに手が付かなくなる。
そんな彼とブラッドリーは、頭を使うカードゲームや賭け事、宝石などの趣味が似通っていて、キャラエピやカドストにもその描写があり、とても仲がいいように見える。まほやくキャラで、際立って「退屈」を嫌う二人。
(特にムルは、「ブラッド」呼びをしたり、シャイロックの前でブラッドリーの物真似を披露したことがある)
さらに、<大いなる厄災>に近づき過ぎて魂が砕けたムルと、
小宇宙にぶつかり破裂し、肉片と化したフェッセンデンという衝撃的なオチもよく似ている。
1周年イラストで、この二人だけが逆位置という一致もあり、今後の同行が気になるところだ。
☆ブラッドリーと宇宙☆
ブラッドリーから「宇宙」というキーワードを直接耳にしていないが、まほやく世界が月をテーマにしているところから、彼の周りにも宇宙要素は散らばっている。
例えば彼の好物のフライドチキン。これは宇宙鶏だ。
だからなのか、土星が存在する。
それから「ロリトデポロ」。
(かわいいからいっぱい食ってくれ)
こちらも宇宙鶏を使った彼の好物だ。
(この人、かっこいい姿でロリとかバブとか…)
更に掘り下げていく。
ーー七夕イベ「星降る空のメモワール」ーー
(天井させた罪深き悪い男)
何人ものブ担を殺してきた(または新規を落としてきた)こちらのスト。
時期は7月の2日から10日までの、ちょうど七夕を跨ぐ期間に開催された。
主なストーリーは北の双子の仲直りで、大人スノウのSSRが登場するなどとても沸いた。
年長組で行われたこのイベは、扉絵こそスノウではあるが、ブラッドリーがキーマンだと言っても過言ではない。
オリヴィア・レティシアを得るためには彼の協力が必要不可欠だった。
そして「星降る空」なのでスト中に登場する背景は星空。
カーケンメテオルは名前から作り方まで流星を模している。
(メテオ=流星)
(愛すべき即落ち2コマ)
ーーブラッドリーの育成スポット「時の洞窟」にてーー
ブラッドリーの育成スポットでは、交流に「星屑糖」集めがある。
そして私が意外に思ったのは「瞑想」だ。
(私の気持ちを代弁してくれた賢者)
「魔法使いは大抵やる」そうだが、わざわざ彼のスポ交流とスポストに出したコリー。
「瞑想」とは幅広い意味があるのだが、「宇宙瞑想」という言葉があり、
宇宙と繋がるための行為だ。
人間の身体には大まかに1〜7までのチャクラがあり、それは身体の中心を通っていて地球と宇宙を一本軸で結んでいる。
(0から更に下へ、クラウンチャクラ7から上に8、9、10…で一直線)
目には見えない無数のチャクラが地球の中心から人間の身体を通って宇宙に繋がっていて、普段の生活でそれらを我々が意識することはないが、ヨガの世界や宗教によっては瞑想をすることによってそれを整えてたり活性化させている。
そして瞑想で特にやると良いのは松果体を意識すること。
松果体という松ぼっくりに似た脳の組織があり、それが活性化することによって見えないものを見たり聞いたりすることができ、五感以上の感覚(第六感や七感)を使うことができる。言い換えれば、それは”魔法”だ。
魔法使いが瞑想をするのは、強い魔法を安定した心で操るための精神統一という意味合いだが、瞑想が宇宙を見ることができるツールであることも同時に考えていきたい。
(脳にある松果体が宇宙エネルギー・インスピレーション等の受信機と例えれば分かりやすいが、残念ながら今の人類のほとんどが”石化”していてフルに使えていない)
彼が瞑想中に宇宙を見れる程それを極めている(インド高僧レベル)かは不明だが、宇宙を見る仕事の天文学者”ブラッドリー”との類似性を感じざるを得ない。
(つまりマナエリアでも瞑想をしているブラッドリー)
(マナエリアで頭を冷やすと魔法の調子が良くなるブラッドリー。)
(良い笑顔)
☆「元親友」だった二人☆
30年代版方では、「友人のよしみでないなら〜」という発言がある。
50年代版ではそうではない。
「僕らは親友だったな、ブラッドリー。ああ、むかしの話だとも。」
フェッセンデンと”ブラッドリー”は交友関係は続けているが、今は親友ではないようだ。その経緯については語られていない。
「元相棒」だったブラッドリーとネロ。
メインストでブラッドリーの悪巧みにネロが渋々手を貸すように、フェッセンデンと”ブラッドリー”もまた、人の道を外そうとしていたーー。
☆罪人としての意識☆
ーー「ぼくの思うままに変化させたり、干渉したり、破壊したりできる世界、思いつく限りの条件をそなえた世界、その生命を好きなように繁栄させたり、衰退させたりできる世界が。それが僕の実験なんだ、ブラッドリー!」
自分の所有物だからどうしようと勝手だと、次々に星の生命体で実験を重ねては滅ぼしていくフェッセンデン。(具体例:彗星を惑星にぶつける、惑星間で異種族戦争を起こさせる、天変地異を起こす、他)
その傍らで、”ブラッドリー”には罪の意識が芽生える。
ーー実験の魅惑が、いまのいままでわたしの無意識を支配していた。しかし、いまになって自分たちの罪深さ、こうした小さな世界を苦しめて知識を絞りとるこの邪悪さに思いいたったのだ。
ーーあの夜、あそこでわたしたちがしたことをだれにも話したくなかったのだ。わたしもその罪に荷担したのだから。
そして、”ブラッドリー”は事件の日を皮切りに天文学者から「足を洗った」。
前半はブラッドリーの盗賊や囚人という要素がないのだが、後半はもっぱら罪の意識の心理描写が入って罪人らしくなる。
しかし最期まで、フェッセンデンが悪びれることはなく、止めようとする”ブラッドリー”に激怒して暴力を振るうのだった。
そしてこの、星に生息する生命をまるで虫けらのように扱うことへの憎悪は、ホワイトのスポット「氷の街」でのブラッドリーが表した嫌悪の感情と近いように思う。
2000年以上生きているスノウとホワイトにとって、100年程で代替わりする人間も街も、そのさじ加減1つで、簡単に滅びてしまうものだ。
それを気まぐれで守っているだけにすぎない。
極小宇宙の中であっという間に世代を変えていく惑星の生命達を、手元の装置1つで滅ぼしてしまうフェッセンデンのように。
ーーその星の1年は、われわれの一瞬と変わらないのだ!
☆反転世界のまほやく☆
現実と反転していると噂のまほやくだが、では『フェッセンデンの宇宙』ではどうだろうか。
・容姿
分かりやすく容姿から入ると、”ブラッドリー”についての記載はない。
一方フェッセンデンは、黒髪黒目の高身長で、体躯が良い。
<反転>
ブラッドリーが黒髪(一部)で、高身長。
・性格
フェッセンデンは、実験が罪だという”ブラッドリー”に「センチ野郎」言い放つが、理性を持った普通の人格者に思える。
フェッセンデンは自らの才覚に胡座をかき、セリフは常に偉そうで傲慢で暴力的。
そして実験に熱中するために本人の意思で食事と睡眠を省き、酒を飲まない。(飲まないとやっていけない時は飲む)
<反転>
ブラッドリーが才能を持ち、暴力的でネロに対して傲慢な態度を取っていた。そして毎晩のように晩酌し、大食漢でよく寝ている。
・止める側、止められる側
”ブラッドリー”がフェッセンデンの恐ろしい実験を何度も止めようとする。(止まらない)
<反転>
ブラッドリーが、ネロに死に急ぐ行為を止められる。(止まらない)
・学者だった”ブラッドリー”
(ネロの親愛9話)(かわいい)
<反転>
ブラッドリーは学者ではないが、わざわざ学者と比較した。
・「観察者」から「監視される側」へ
直径が約60cmの円盤の間の極小宇宙を顕微鏡で観察していた”ブラッドリー”達だったが、
まほやくでは、まるでその小宇宙にとってのフェッセンデンのように、
神として人間に崇められていたスノウ、ホワイト、フィガロの3人によって
牢に入れられ、見張られているブラッドリー。
結局のところ、私が言いたいのはこれだった。
円盤の間の小さな宇宙と、それを外から見ていた"ブラッドリー"の
立場が完全に逆になった姿がまほやくのブラッドリーだ。
更に、その逆転した立場ではブラッドリーが襲いくる<大いなる厄災>という危機に立ち向かうことになっているのは、知っている通りだ。
ーー「フェッセンデン、まさかあの世界で実験するつもりじゃないだろうな!」
「もちろん実験するさ。こんどは実に興味深いことになりそうだ。長い平和と豊穣を満喫したあと、あの連中が厄災に直面できないほど腑抜けになっていないかどうかたしかめよう」
以上が、ブラッドリーのキャラモチーフかもしれない
『フェッセンデンの宇宙』を読んだ感想と考察だ。
ほとんどがこじつけである。
この本からは、盗賊や魔道具である銃の要素は見つからない。
しかし、私はこの本で良いのでは、と個人的に思った。
(だってブラッドリー・ベインがブ担の宇宙で全世界でしょ)
今後、まほやく公式が
「ブラッドリーの本はこれでーーす!!!(ドーン!!!)」
と全く違う本を出してきた暁には、このノートをそっ閉じすることにする。
最後に、傍観していた”ブラッドリー”がフェッセンデンの実験を必死で止めようとしたキッカケとは、ある1つの惑星に心を打たれたことだった。
その惑星の住人は姿は人類そのものだが、緑が豊かな大自然の中、白いローブを着て気品溢れる優雅な人類だった。
既にある地球の人類を遥かに凌駕し、死を克服した(何世代に渡っても姿が変わらないことから、つまり不死身とも読める)存在であった彼らに、”ブラッドリー”は遠い未来になら人類も同じ高みに昇れるかもしれない可能性を見たのだった。
そして、その世界だけは壊させまいと、彼はフェッセンデンを止める。
結果的にその世界はフェッセンデンごと消えてなくなってしまうのだが。
タロットの年代順で死神となったブラッドリー。
死の盗賊団として命を奪いもし、自身も何度も死にかけながら再生してきた。しかし彼は不死身ではない。それでも高みへ昇ろうとしている。
そして死を避ける道を探すのも、今後の彼の課題になるだろうと思う。
ブラッドリーが望んでいる世界はその惑星のような争いのない平和な世界ではないだろうが、自分にとって居心地の良い環境(世界)をネロを通して知ることができたので、今もネロとの盗賊団再結成を諦めていない。
盗賊は"宝"に執着するからだ。
今度こそ壊れかけの世界を守り抜いて欲しいと思う。
終わり
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