双子とこども本の森 中之島に行った話
子どもができるまではずっと行くのを我慢してきた場所に先日行ってきた。
中之島にある「こども本の森 中之島」である。
安藤建築が好きな自分としては中之島を通るたびに外観を見たいて、
妻が妊娠中に一緒に出掛けて通った際も青春の青いリンゴを撮影するまでに留めていた。
建物内部は、子どもと一緒に行って子どもの反応も含め新鮮な気持ちで空間を楽しみたいと思い、絵本に興味を持ち始める時期まで我慢して、ついに予約して行くことができた。
建物内部に入ると自分の中で安藤建築のエッセンスを感じることができた。
けど今まで見てきた空間とは違ってシャープな空間というより暖かみのある空間になっている。今までは人が映らないで写真を撮って映えるような空間だけどこども本の森中之島は子どもが写ってこそ映える空間になっている印象を受けた。
①壁一面の本棚
内部空間でなんと言っても特徴的なのが壁一面に広がる本棚だ。けれどエントランスからは見えない(見せない)ようにして期待感を持たせてくる。
手が届く位置は普通の本棚で手が絶対届かない位置は表紙が見えるような
置き方で本棚が連なっている。(落ちないようにワイヤーで固定している)
この壁面の本棚は自分が見に行った中では司馬遼太郎記念館で同じように
壁面の本棚になっている。
ただ、同じ壁面本棚空間でも司馬遼太郎記念館の方がシャープな空間で
こども本の森中之島は子どもに合わした柔らかい空間になっている。
柔らかい空間とだからしょぼさとかなく、きっちりと圧巻な空間だった。
②吹き抜け回廊と大階段
建物のメインとなるの部分が吹き抜けにぬっていて、その部分に大階段が配置されている。階段をドラマティックにみせるのが安藤建築の醍醐味だと自分は思っている。こども本の森中之島は階段を子どもがいろんな場所に座って本を読んで居場所として存在させている。子どもがいて大階段が映えている。
兵庫県立美術館や秋田県立美術館の階段とは全然違う階段の魅せ方がある。
さらに吹き抜けの周りに回廊が設けられており、大人2人だと少し気を使い、子ども2人だとすれ違うのにちょうど良い廊下幅となっている。この不便さと配慮が安藤建築っぽく感じた。
③コンクリート打ちっぱなし
外観は言わずもがなコンクリート打ちっぱなしだけど内部はコンクリート打ちっぱなしの場所はほぼなく、円筒の空間がコンクリート打ちっぱなしになって、天井が高い。これだけでも安藤建築を感じることができるけど、凄いのはプロジェクターの映像をコンクリートに投影させて子どもも退屈しない空間になっている。
総じて安藤建築のエッセンスを感じることができるけどどこまでも子供主体に考えられている建築になっている。
そんなことを感じながら、一方双子の方は女の子の方は1歳児が読むはずのない「日系人の歴史を知ろう」という文字だけの文庫本を本棚から取り回廊を何周も練り歩いていた。なんなら男の子の方は何も本を持たず回廊を何周も練り歩いていた。
練り歩いて満足した後は大階段に座って絵本の読み聞かせをした。これは大人がやりたかったことだけど子どもも座ってまんざらでもない様子だった。
あと男の子の方はコンクリートの円筒の部屋でプロジェクターの映像を見て、初めての経験だったのか後退りをしてビビっていた。しばらくすると好奇心が勝り映像を食い入るように見ていた。
総じて「こども本の森 中之島」は1歳児でも全然楽しめるし大人も一緒に楽しめる場所になっている。
そして、何より良かったのは入り口にいる警備員さんだった。気さくな感じで青いリンゴを撮って頂き、それでいてきちっと誘導とか制限もできていたり、仕事ができて、この場所にぴったりな方だと思った。
また子どもが成長して違うフェーズになったら行きたい場所である。
最後に1番気になったのはこれだけど。