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「リピーターを増やす仕掛け!ファン化施策の具体例」【マーケティング基礎コミュニティ編③】全5回
「一度きりの購入で終わらせない、リピーターを育てる仕組みとは?」
顧客をファンに変えるためには、“特別感”と“継続性”がポイント。ロイヤリティプログラムや特典の作り方、そして顧客を巻き込むマーケティング施策を具体例を交えて紹介します。あなたのビジネスがリピーターに支えられる未来を描きましょう!
◯マーケティング基礎編シリーズ
1週目:WEBマーケティング編
2週目:顧客心理編
3週目:SNS拡散編
コミュニティ編
①「ファンを作るマーケティング!コミュニティの力とは?」
②「エンゲージメントを高める!ファンとの信頼構築術」
③「リピーターを増やす仕掛け!ファン化施策の具体例」
④「ブランド価値を高める!SNS発信の最適化」
⑤「コミュニティを活かして拡散!ブランドの未来戦略」
全5話でお届けします!
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小さな変化を起こす、やまない違和感
陽が高くなってきた昼下がりの会社オフィス。ユキはいつものように自席のパソコンに向かい、SNSアカウントの状況をチェックしていた。ここ最近、ユキが中心になって進めてきたコミュニティづくりやバズを狙うコンテンツ戦略により、会社公式SNSのフォロワー数は着実に伸びている。投稿へのリプライやコメント数も以前より増え、会社のイメージを「親しみやすい」と評価する声も届き始めた。
しかしユキは、なぜか心に小さな違和感を覚えていた。
「数字も悪くないし、コミュニティらしい温かい交流も見え始めてる……。でも、何というか、ユーザーが一度買って、そこで終わってる人が多い気がするんだよな。みんな商品や企画には興味を持ってくれても、リピート購入や継続利用にはなっていないというか……」
会社の内部データを少し見てみると、確かに新規顧客は増えているが、リピーター率はそこまで改善していない。「一度は買ってくれたけど、そのまま離れてしまうのか……結局ブランドを好きになってくれる人が少ないのかな」とユキは肩を落とす。かといって、SNS上では“盛り上がっている”空気があるから、周囲に不満を口にしづらい。周りは「いい感じにコミュニティできてるじゃん!」と褒めてくれるのだが、本人は腑に落ちないのだ。
悶々とした思いを抱えたまま、ユキは昼休みに社内カフェへ向かう。サンドイッチをかじりながらスマホを眺めると、公式アカウントのTLには「今回のキャンペーン面白そう。買うか悩む」「一度買ったけど、次はいいかな〜」といったユーザーの呟きが散見される。“一度買ったら満足して離れる”という空気をどう変えればいいのか、ユキはわからない。もっとコアなファンを増やすには、どんな方法があるのか……。
上司からは「SNSで盛り上がるのはいいけど、もっとリピートさせる施策を強化してよ」と軽くプレッシャーをかけられ、同僚からも「最近新規顧客は増えたね。でも再購入率が上がらないと、長期的には数字が伸びないかも」と言われる。ユキは「確かに……」と頷きつつ、「もう一段踏み込んで、リピーターを増やす“ファン化”の仕掛けが必要かな」と直感する。
その日の夕方、残業を少しだけこなし、ユキはいつもより早めに退社してアパートへ帰宅する。ドアを開けると、おなじみの“うさぎ先生”がソファに横たわり、羊羹の包みを広げている。「あれ、今日は早かったね、ユキくん」と先生は耳を動かしながら声をかける。ユキは靴を脱ぎつつ軽く息をついて、「先生、また相談なんです……どうしても“リピーターを増やす”施策が思いつかなくて。せっかく一度買ってもらった商品やサービスを、どうすれば継続して使ってもらえるのか……」と話し始める。
先生は寝転がったままの姿勢で、「なるほど、いま“ファン化”に悩んでいるんだね」と穏やかに笑う。「SNSでの盛り上がりが一過性に終わらず、長く愛されるブランドになるためには、ファネル(段階的マーケティング)の下部――つまりユーザーが継続利用・リピート購入するところをどう作り上げるかが大事になる。ユキくん、この前“共感”や“一体感”の話をしたけど、今回はそこから“リピーター化”に焦点を当ててみようか」
そう言われたユキは、ソファの前にちょこんと座り込み、「お願いします、先生……!」と深く頭を下げる。会社の施策でも「どうファン化させるか?」が課題だし、自分自身の日常でも「趣味の仲間を継続的に盛り上げるにはどうしたらいいか」と考えていたから、これ以上ないタイミングだと感じた。
ファン化を促す真髄――うさぎ先生が示す“リピーター”の導線
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