法律学概論 法の解釈
法とは何か?
トラブルを抽象化し、どのような論理によって調整するかを突き詰めたのが法律。そのため法学は論理的な思考法を学ぶのに最も適した学問である。
命令としての強制力をもち、制裁が適用される。「秩序を守るためにこうあらねばならない」という当為の法則と、権力による強制制裁に裏づく行為規範に基づく。
法は強制を本質的要素とするものであるから、通常の人が守れるものでなければならない。
法の4原則
法の適用・法の解釈
法には正しい解釈は存在せず、あるのは妥当な解釈。
法の解釈にあたって、法的安定性と具体的妥当性との調和をどう図るかが重要である。
裁判とは
裁判官の仕事:①事実認定②適用すべき法規の明示
どの法律を採用するかは、条文以外から判断する。
問題に対して法的安定性と具体的妥当性を調和させた妥当な解決を図る。法の適用は三段論法でなされる。
「AはBなり」「BはCなり」「ゆえにAはCなり」
法解釈とは
法の解釈には条文の文言を根拠とする形式的理由と
条文の文言以外を根拠とする実質的理由がある。
形式的理由だけだと結論が出ないため、実質的理由が不可欠。ただし条文の文言からかけ離れてはならない。また、法は両方への利益への配慮をバランスよく含む必要がある。
法解釈の技術
●法解釈の前提!条文をそのままに受け取る
文理解釈
課題:法律は外国からの輸入品であり、明治時代の翻訳の際に新しい言葉も作りだした。そのため条文のままに解釈すると解決に至らない場合がある。そこで活用されるのが以下に続く論理解釈 。
拡張解釈…言葉の意味を広げる解釈
縮小解釈…言葉の意味を狭める解釈
⚠️言葉からかけ離れた拡張や縮小はできない
類推解釈…本来なら当てはまらないが、似たようなものなのだから同じ結論になるとする解釈
反対解釈
条文に書いていないのならその条文とは反対の結論に考えるべきという解釈
●趣旨からの解釈が法解釈の基本!
目的論的解釈
制度や法規の目指す目的に従う解釈。
この法律は元はこの目的を達成するためのものであるから、法律を解釈技術の選択にはこの目的達成に沿う内容になるように解釈すべきだとする。
課題:趣旨をどのようにしてとらえるのか?法律が制定された歴史的経緯や現在においてどんな機能を果たしているかなど深い研究が必要
●立法者の意思に従って考えればよい!
立法者意思説
立法者の意思に従った解釈。何らかの実現のためにその法律が作られたのであるから、立法者の意思を解釈の基準として判断する。
課題:背景・歴史・時代・社会状況が異なるときにもそれは当てはまるのか?制定後は立法者の意志とは離れて適用されるのでは?
●客観的に適切な解釈を導く!
法律意思説
法律の解釈としてもっとも客観的に適切な解釈を導き、それを法律の趣旨とする考え方。
課題:客観的な解釈にも人によって差異がある
歴史的解釈
制度や法規の歴史的沿革をふまえた解釈
【プ知識】
☝️立法者意思と 目的論的解釈の違い
過去の時点の立法者意思で考えるのか、現在の時点をその法律の趣旨に当てはめて解釈するのかの違い
☝️日本における立法者とは誰か?
憲法41条により立法権を司っている国会
法解釈の方法
結論の妥当性
・その解釈で導かれる結論が妥当か?
・類似事例と大きな差が生じすぎてないか
解釈の論理性
・条文解釈と整合しているか?
を前提として、
・なぜそのような解釈を採用するか
・条文の趣旨をどのようにとらえたか
・どのような利益に配慮したか
を踏まえ、一貫した論理で結論に至る。
法の課題
☝️どちらの正義を当てはめるか?
平均的正義:同位同士に当てはまる正義。
配分的正義:能力や功績により差別を認める。
☝️概念法学:唯一の正しい解釈が存在し、法の解釈はそれを明らかにするものという考え方
まとめ・持論の展開
上記の学びを踏まえ、東京裁判を題材に法の解釈とその選択の基準について下記に論じる。リポートとして提出したもののため、無断転載を禁じます。
【リポート本文】
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