見出し画像

オオスミさんのクリエイティブとわたし

21年2月7日、ラッパーでデザイナーのオオスミタケシさんが亡くなられたとの知らせを聞きました。

ショックで言葉がありません。ご冥福をお祈りいたします。どうか安らかにお眠りください。

自分が思春期にカルチャーを好きになった頃から、ずっと第一線を走り続けていたオオスミさん。オオスミさんのクリエイティブと共に育ってきたといっても過言ではありません。楽曲からアパレルまで、いつまでも私の中でキラキラ輝く憧れのたくさんのクリエイティブを残してくれて、ほんとうにありがとうございます。少しだけ私の思い出をば。

私は静岡生まれ静岡育ち(豆知識ですがオオスミさんも静岡出身です)なのですが、静岡ってもともと土地柄サーフィンが盛んだったのに加え、横ノリ文化がかなり強いんです。地方にしてはAPEの大きい路面店があったり、STUSSYの日本代理店本社があったりと裏原カルチャーが盛んでした。

静岡のメインストリートの一本外した通りにオオスミさんのセレクトショップ「SWAGGER」がありました。レンガ+暖色ライトのインテリアがめっちゃくちゃかっこよくて、当時外から見ては痺れ散らかしていたものです。今は両替町に移ってしまいましたが、静岡のカルチャー発信地のクラブ:FREAKY SHOWもSWAGGERの隣にあり、まさにかっこいい人たちが集まるエリア&カルチャー!って感じでした。当時私は勇気が出ず、指をくわえて遠くから見ることしかできませんでしたが、この時の「かっこいいエリアに足を踏み入れたいな!」というのは、思い返せば自分のカルチャー憧れの原点だったりします。

それから数年後、一緒にDJイベントをやっていた友達から「シャカゾンビのオオスミさんが新しいブランド(MR.GENTLEMAN)始めるらしいから見にいこうぜ」と誘われ、とあるセレクトショップに初めて向かいました。千鳥格子の上品なキャップを買いました。クラブで「あ!オースミさんの新しいブランドだ!いいよねー!」よく話しかけられた思い出のキャップです。もう10年近く前の話ですが、昨日のことのように思い出せます。

オオスミさんはシャカゾンビはもちろん、当時はおしゃれ番長街道を突っ走っていたG-DRAGONがよく私服で着ていた奇抜なアパレルショップ「PHENOMENON(フェノメノン)」のデザイナーとして私のようなキッズたちにめちゃくちゃ支持されてました。ミスタージェントルマンはフェノメノンのような派手さはないものの、手頃な価格で女性でも取り入れやすいフォーマル・シティ感のある小綺麗なヒントxストリートのエッセンスが最高で、キャップやTシャツをいくつも持っていました。

どっぷりカルチャーの人にも関わらず、いろんなところに間口を広げてようこそと入り口を作ってくれたのが、オオスミさんのクリエイティブのような気がします。

WWDの記者の方の言葉が印象的だったので引用します。まさに!という感じ。

 オオスミさんは「フェノメノン」で新たなスタイルに挑戦する勇気をくれ、「ミスター・ジェントルマン」で生活の新たな価値に気づかせてくれた。

引用元:https://www.wwdjapan.com/articles/1174959

そのあと色々とご縁あって、初めてミスタージェントルマンを買ったそのお店で働くことになり、あれよあれよと今に繋がります。まさかアパレルで働くことになるなんて夢にも思わなかった。点と点が繋がって今の暮らしになるそのつなぎ目がオオスミさんなの、なんかちょっと誇らしいです。

3月には、病室でも創作していたオオスミさんのMr.Gentlemanのラストコレクションが楽天ファッションウィークにて発表されるそう。一体どんなメッセージを私たちに残してくれるでしょうか。しっかり受け止め咀嚼して、自分の血や肉にしていきたい。

きん
twitter→@heaco65

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?