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ハウスオブグッチ感想〜金と権力と愛〜
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アカデミー賞までには間に合った!ということでハウスオブグッチの感想です。
私は88年生まれですので、この事件('94)時生まれてはいたのですが、全く記憶になく悔しいです。バブルを生き抜いた母に聞いたところ、「ああ、なんかそんなスキャンダルあったような気がする」とのこと。(余談ですが、母はイブサンローランのダブルブリッジサングラスをかつて愛用してました。時代ですね)
3時間と映画の中でも長尺ですが、軽快な80〜90s音楽に乗せてどんどん場面が切り替わり話が進んでいくので、全く気にならず一瞬で終わったような気がしました。家族経営だったグッチの栄光と衰退を描いたストーリーですが、ジャレッドレト演じるパオロ(パンフレット見るまで気がつきませんでした!すごい!)中心に終始コメディタッチで進んでいくので、そこまで重くならず見れましたよ。
欲しいものはなんでも手にする強い女パトリツィア(レディガガ)だけでなく、どちらかといえば質素な暮らしを好み一度はグッチ家から離れてしまったマウリツィオも、一度グッチの権力を手にしたら別人のようになってしまうのは、人の性ではあるけれども怖いなとしみじみ思いました。
レディガガはパンフレットの中で、「3つの動物をイメージして演じた。初めは子猫、そして狐、さいごはヒョウ」と語っていましたが、見事にパトリツィアの心境を捉え、体現していたなと感じました。なので彼女がアカデミー主演女優賞のエントリーに入っていないのは悔しい!
パトリツィアが繰り返し言っていた「模倣品が出ないよう商標は厳しく扱う」「ライセンス事業は慎重に(ブランド力低下を招きかねない)」というのは、今でこそアパレル経営/ブランディングのセオリーですが、「女性だから」「血を受け継いでない部外者だから」「出身が中流だから」とヘイトに近い分断で却下されるのは見ていて辛かったです。
=ネタバレ注意=
マウリツィオを殺害した理由として、再婚したことへの嫉妬や、養育費の金額など色々考えられますが、私は結局「ブランドの経営権を他に売ったこと」が引き金かなあ、と思いました。たとえ今は別れていたとしても、あの苦労してブランドを築き上げたその日々そのものは宝物のようにパトリツィア自体は胸に抱いていたのに、軽々と元夫が捨てたように感じたのでは。
結局は、愛だね…。と思っていたところ、下記のブログでこのような記述が。
ウリツィオ・グッチが再婚すると決定した事が、直接の殺害への動機となった。実際のところ、直接の原因は嫉妬からではなく、1993年9月末、マウリツィオがグッチの持ち株50%をバーレーンの会社に売却するという決定であった。
おお!わたしの解釈に近いものがあって嬉しい!
いかなる欲望に振り回されたとしても、中心にある「愛」だけは大事にしていたいものですね。
アカデミー賞主要ノミネートならずは悔しいですが、せめてメイクアップ&ヘアスタイリング賞はオスカーをとって欲しいものです。
きん
twitter→ @kinn6565