中古マンションを買う?[マンションの寿命編]
こんにちは。関西で終の棲家を探しているサハラと申します。
今回は、マンションが寿命を迎えるとどうなるのかを調べました。
【結論】
マンションの物理的寿命は117年、外装仕上げによる延命で150年、住宅建物の平均寿命は68年との研究結果が出ている。
マンションの寿命が近付くと建替えや敷地売却が検討されるが、区分所有者の合意形成が得られ、建替えが実現した大規模分譲マンションの例は数少なく、未知の領域となる。
1.マンションの寿命
国土交通省は、鉄筋コンクリート造(RC造)の寿命についての研究結果を出しました(平成25年9月26日)。
物理的寿命は117年、外装仕上げによる延命で150年、住宅建物の平均寿命は68年とのことです。
(「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」報告書取りまとめ後の取組紹介)
2.耐震性もチェック
また地震で倒壊しないことも重要です。新耐震基準(1981年(昭和56年)6月以降)のマンションを選びたいです。
また、構造上均等にバランスが取れているマンションの方が耐震性に優れているようなので、シンプルな形のマンションを選択するのもありかもしれません。
1階が駐車場など壁のない空間で2階以上が住戸のピロティ形式のマンションや、高層マンションなどで、下層部がSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート構造)、上層部がRC造(鉄筋コンクリート構造)と途中で構造形式が変わるマンションもバランスが均一ではないとされます。旧耐震基準の場合は要チェックです。
(マンションの耐震診断/国土交通省)
3.大規模修繕工事が重要
マンションの長寿命化を図るには、外壁、屋上防水、給水設備など各部位に生じる経年劣化に対する修繕工事が必要になります。
区分所有者の合意形成が得られなかったり滞納額が多かったりすると、修繕工事が進まず、建築計画当初の想定より劣化が進んでしまい、マンションの寿命が短くなってしまいます。
(持続可能社会における既存共同住宅ストックの再生に向けた勉強会)
4.最後は建替え?
震災で大規模滅失してしまった場合や、老朽化が相当に進み、修繕しても維持・回復が難しかったり、建替費用と比較してデメリットを感じた場合に、建替え(または敷地売却)が検討されることになります。
立地が良く、容積率にかなり余裕のあるマンションの場合、建替えで余剰住戸を作って売却し、住人が無料で新しいマンションの部屋を取得できるごく希少ケースもあるようですが、多くの場合は、建替え時に新たにお金が必要となります。
国土交通省の資料によると、2017~2021年に実施したマンション建替事業の区分所有者の平均負担額は1,941万円とのことです。
高齢者はリバースモーゲージ*の利用も考えられますが、年金暮らしで毎月利息分を返済する必要があり、支払えなければ退去しなければなりません。
こういった事情もあり、建替決議に必要な区分所有者と議決権の各4/5以上の賛成が得られず、修復もされず、ただ老朽化が進んでいくマンションもあるようです。
2022年4月時点で築40年以上のマンションは約115.6万戸、建替実績が累計270件(約2.2万戸)とのことです。現段階では築50年超が20%強で、建替えが必要なマンションはこれから増えていきます。
(マンションを取り巻く現状と課題 令和4年10月16日)
5.マンションを長寿化させる
自分の寿命 < マンションの寿命
となるマンションを選び、マンションの寿命が来る前にマンションを処分するのが理想です。
購入する際には、処分時に掛かる費用についても検討しておく必要があります。
購入時は適正に管理や修繕を行っているマンションを選び、マンションの長寿命化が図れることを願うのみです。
次回は、マンションをどう選ぶかについて考えていきます。