『本のエンドロール』(読了編)
こんにちは〜 蘭丸です
前回の投稿から1年以上経っていて驚いています。あの頃は、「コロナ禍で暇だしnoteでもやるか〜」くらいに思っていたけど(しかも、暇なのに続かなかった)、コロナ禍が日常となり、「コロナ禍なので暇」という論理さえも薄れてしまった2021年9月です。
気が付けば2021年、大学5年生になり、就活が終わり、オリンピックが終わり、人生最後の夏休みが残り3週間となった。
ところで、去年の投稿で取り上げた「本のエンドロールができるまで」を覚えておられますでしょうか…(3人しかいないフォロワーに問いかける)
ずっと読みたいと思っていたけど中々手にできないまま、くだんの投稿からちょうど1年が経った今年の6月、たまたま近所の書店で見つけました!
眺めていて(個人的には)うっとりするような表紙です。そして結構分厚い。
今思い返せば、近所の本屋でたまたま手にするよりも前に、この本を読むことはできたと思う。
Amazonでポチれば次の日に届くし、都心の店舗には間違いなく置いてあるだろうし、、それでも、今年の6月、あのタイミングでこの本を手にするタイミングがやってきたことに、やはり運命的ならぬものを感じてしまう。
私はあの頃、内定先選びに悩んでいた。
今でこそ「内定先選びに悩んでいた」と正直に言えるけど、6月頃にはそんな発言が許されるはずもなかった。信頼していた人に「贅沢な悩み」だと言われて涙が零れた夜もあったが、そんな風に言われるのも当たり前のことだった。
想像を絶する不況の中で進むコロナ就活、内定があるだけでも有難いということは分かっていた。だからこそ、どうすれば良いかわからず、最後の最後まで迷い続けた期間が私の就活生活の中では一番苦しかった。こういう風に書いて、理解してもらえなかったり反感を買ったりするかもしれないということは分かっているつもりです。それでも、「本のエンドロール」について話す上では必要だと思ったので、記しておきます。
一言でいえば、私は「本をつくる仕事をする」という決断を下すことに大きな恐怖を感じていた。
そんな時に、『本のエンドロール』を手にした。
厳密には、この作品の舞台である印刷会社は「本を造る仕事」であり、上記の仕事を含め、様々な形で本に関わる人々の姿が描かれている。そして、その登場人物たちは、主人公を除いて、出版業界に対してとても現実的な考えを持っている。言い換えれば、本を造ることに非常にシビアということだ。
正直に言えば、私はこの本を読んでいて、何度も涙が出た。
本をつくることって、なんて難しいことなんだろうと思った。出版業界の仕事って、なんて苦しいことなんだろうと思った。だけどそれ以上に、なんてかっこいい仕事なんだろうと思った。
だから、逃げたいとは思わなかった。きっと何度も悩み苦しむだろうけど、それでも出版業界に入って私も戦うんだと思った。
話は変わるが、私が「雑誌編集者になる」という夢を掲げるようになったのは、小学6年生、12歳の時のことである。文字を書いたりレイアウトしたりするのが好きで、よく自作の”新聞的なもの”(新聞と名付けていたけど、実際にはzineみたいな感じ)を作っていた。
その当時、初めて買った中学生向けのファッション誌(Hanachu)は何度も何度も読み返したし、初めて買ったアイドル誌(Myojo)も何度も何度も読み返した。スマホも持っておらず、SNSも普及していなかったあの頃、田舎の小・中学生だった私にとって、雑誌というメディアの存在はとても大きかった。
現在、雑誌文化は、書籍以上に、衰退の一途を辿っているとされる。私自身も、雑誌を毎月購読しているわけではない。
それでも、書店で「うわーーー!!!」と思うような雑誌を手にすることは少なくない。言葉にできないような興奮で、思わず一人でニヤついてしまうこともある。(マスクしててよかった)それはもちろん、書籍においてもそうである。
そして、それはもちろん、音楽においてもそうなのである。突然流れてきた音楽を聴いて、「うわーーー!!!」と思うことが多々ある。「なんで突然音楽の話に??」と思われてしまうだろうけど、私にとっては、本と同じくらい音楽も大切なものだし、本や雑誌だけがそうと言うわけではないということを伝えたいので敢えて言及する。
いずれにせよ、その「うわーーー!!!」っていうのは、ときめきであり、興奮であり、今を生きることの喜びなんだと思う。生きててよかったと思えるような瞬間。そんな気持ちを届けてくれる本、雑誌、そして音楽を私は発信していきたいと思っている。
それは、簡単なことではない。だけど、だからと言って諦めなくていい。考えて考えて実現することだ。そんなことを『本のエンドロール』は教えてくれた。
2021年、変化と逆風の時代、出版業界を志すことさえも許されないと思っている人、実際にそういう環境にいる人がたくさんいる。もしかすると、私もその一人になっていたかもしれない。
だから、絶対に諦めない。自分の夢はまだ始まったばかりだ。
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