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蒼山四段チョンボ事件の真相
【ポンはけっこう聞こえない】
年々、麻雀プロの試合中のトラブルが多様化している。それは間違いない。
「麻雀最強戦」の「全日本プロ選手権」を開催すると、のべ56回戦で2回から3回ぐらいトラブルがある。それが年々増えているし、内容が変だ。私が経験したことのないようなトラブルが次から次へと出てくる。失敗やミスの種類も新時代を迎えているようだ。
今回の蒼山秀佑の「ポンの声が1人にだけ聞こえなくてチョンボになった事件」も、昔はなかった類のトラブルだ。
以下はその件について説明した記事で、こちらをご存じであるという前提で今回の原稿は書いた。
ジジイみたいなので「昔はなかった」とか言いたくはないのだが、実際に「発声問題」は最近起こり始めたことなので、今と昔を分けて説明するほかない。
昔の人の方が発声をしなかった。特に「チー」は「しなくてもいい」という文化すら存在していた。3枚目とか4枚目の牌など、誰からもポンされ得ない牌をチーするのに、わざわざ言う必要がないという考え方だった。
断っておくが「競技麻雀」だけの話ではない。巷の、一般の人たちの麻雀も含めてそういう人が結構いたのである。そしてそれが、さほど問題視されることがなかった。トラブルにならなかったからである。
たとえば無発声でチーしたとしよう。その牌を「ポン」という人がいたら問答無用で「ポン」が成立する。無言チーの人は手牌の2枚のターツをさらしただけである。
大した迷惑にはならない。
だが、今回のように、小さ目の声で「ポン」と言い、手を動かさないとトラブルが起きる。
もちろん、ルールを破っているのは無発声チーの方なのだが、トラブルが起きるのは「発声のみで動かない人」なのである。
無発声ポンも同じだ。最悪のマナーではあるが、動きによって強引にポンの意思を示すことによって、他家がチョンボになることはない。
これが現実ではあるのだが、では、かといって「無発声でもいいから動け」というルールにできるわけがない。
だからこれまで競技麻雀の世界では、数十年間「発声」を重視してやってきた。それが正当な麻雀のルールだ。
そして大きなトラブルはなかった。
ところが、昨年の「夕刊フジ杯」で起きたトラブルと同じことが先日の「十段戦」で起きてしまった。
マスク着用義務がなくなって、そのままこの手のトラブルがなくなればいいが、おそらくそうはならないと私は思う。これはマスクだけのせいではないと思われるからだ。
私もこれまで何万回と麻雀をしてきて、正直「ポン」の発声がよく聞こえなかったことが何百回、もしかしたら何千回とある。それは、マスクをしていない時代からあった。
咳をしたのかなーとか「ロン」と言ったのかな? とか「カン」って言わなかった今? とか、色々な経験をしたが、まあプレーに影響なければいいやと思ってスルーしてきた。
蒼山と同じように「ポン」が聞こえずツモ山に手を伸ばしたところで「ポンですよ」と制されたこともある。逆に他人に教えたことも何回もある。
連盟の公式戦だけでも、何回も同じようなケースはあった。雀荘の横を電車が通ったタイミングで普通に「ポン」と言われても、全然聞こえないのである。
それでも成立していたのが、昔の麻雀だ。
【蒼山本人に聞いてみた】
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