広報部長を辞めて何をするのか
【優しすぎる森川ジョージ先生】
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「次は黒木さんが広報部長やめて何をやるのかを書いてください」
「いや、普通に仕事しますよ」
「そこをほら、何となく面白いんじゃないかっていう風に書くのがライターの仕事じゃないですか。書いてくださいよ」
カネポンこと金本晃「近代麻雀」編集長は、柳の下でドジョウを捕まえたら、そこに毎日座り込んで次のドジョウを待つタイプだ。
私が広報部長を辞めることを記事にした時「そんな個人的なことに金を払って読みたい人がいるんですか」というありがたいご意見をTwitterで頂戴した。確かに、私もそう思ったが定期購読者の皆さんへのご説明もかねて、恥を忍んで書かせていただいた。
思いのほか長くなってしまい、2つに分けることとなったが、いずれも160を超える「スキ」をいただいた。
普段は50前後なので、かなりの人数が読んでくださったのだと思われる。正直、驚いた。
この「スキ」というボタンだが「つまんなかったなー」という時以外は押していただけたらありがたい。書き手としてはモチベーションの高さにつながり、更新頻度にも影響すると思うので、お手数ではあるが、是非ともお願いしたい。それと、文末の「オススメ」も押していただけたら本当にありがたい。
さて、160スキの評価を受け、カネポンは3匹目のドジョウをすくおうとして私にLINEをよこしたわけだが、こちらとしてはどうも気がのらなかった。
何をするのかは、前の記事である程度は書いたし、そろそろ読者も「もうお前の話はいいから違うこと書け」と思っている頃合いではないか。そんなことを考え、別の仕事をこなしているうちに数日が経ってしまった。
だが、会う人会う人が「大丈夫ですか」と心配してくださる。
驚くべきことに「はじめの一歩」の作者である森川ジョージさんが最初にご連絡をくださった。
森川さんは以前、私なんかより百倍、いや千倍近い「意味不明なバッシング」を受けられた。理由は、森川さんが、同じ漫画家で後輩にあたる赤松健さんの参院選出馬を応援したから、である。
私にもまったく意味は分からなかったが、叩いている人の主張を見てみると、要するに赤松さんが属する政党が気に入らない。そしてその赤松さんを応援する森川さんもけしからん、という意見が多かった。
後輩を応援しているだけなのに、そんな理不尽な理由で叩かれていた。
森川さんは、Twitterでややこしい人たちに絡まれていたが、ある程度まともそうな意見に対しては真摯にリプを返されていた。
そういう姿を見て私も腹が立ったが、何もできなかった。助太刀しようとしても、何の力にもならないし、ヘタしたら、さらに状況を悪化させる可能性もある。森川さんにLINEを送って「大変そうですね」と慰めたところで「それどころじゃないよ」と思われそうだ。
私は自分の無力さを感じるだけだったが、森川さんは逆の立場になった時に、いの一番にご連絡をくださった。
言うまでもなく「はじめの一歩」は素晴らしい作品だ。第1話から連載中の現在までずっと「人の優しさ」が描かれている。「強さとは何か」「勝つというのはどういうことか」「プロとは何か」。様々なテーマが描かれているが、登場人物たちは皆、一様に「優しさ」を持っている。
私は幾度となく「一歩」の登場人物たちに泣かされてきたが、今回はその生みの親である森川さんの優しさに直接触れ、心を震わせた。改めて森川さんに尊敬の念を抱いた。LINEをいただいた時はある番組の収録中だったが、スタッフの前で一人ではしゃぎ、冷たい目で見られた。それぐらい、嬉しかった。
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