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脳ドック・人間ドックの結果発表【海馬の大きさは?】


【偶然】

 8月14日に「麻雀ライター講座」をやった。10人以上の方が受講してくださってありがたかったが、2時間は長かった。
 事前に用意していた話だけで2時間はオーバーすると思っていたら1時間以内で終わってしまった。
 提出してもらった原稿の添削や質疑応答でちょうど2時間が埋まって良かったのだが、大学の先生は大変だと思った。1つの科目で90分の授業を何回もやるなんて、どうやってネタが尽きないようにしているのか、見当もつかない。
 正直、もう喋ることはなくなっているから、第2回があったとして、どうしようか困っている。
 その会場の受付に早川林香がいた。

 彼女はひそかに私の書くものを楽しみにしてくれていて、ライター講座にも興味があったから受付の仕事をしたいと立候補したらしい。
 講座が終わって片づけをしている時に、彼女が「さくらももこさんのエッセイが好きで、黒木さんの文章も同じようにあたたかみがあって好きなんです」と言ってくれた。
 非常に嬉しかったのと同時に思い出した。
 そうだ。私が読書を楽しむきっかけとなったのもさくらさんだった。高校3年生の時に「もものかんづめ」を読んでから本が好きになったのである。
 自分の文章と似ている部分があるとかいうのはおこがましいし失礼だから否定しておく。ただ、受験勉強をしなければならないのに、読み終わるまで他のことができないぐらいに一気に読んだ。次作の「さるのこしかけ」は浪人中だったが、発売直後に本屋に行って帰宅してすぐ最後まで読んだ。
 「たいのおかしら」は大学1年の時に、大宮のアパートで夜中に読んだことを覚えている。
 でも、早川に言われるまでは忘れていた。そして事実関係を調べるためにWikipediaを見て驚いた。さくらさんは私と誕生日が一緒だった。そして、亡くなられたのは講座の翌日の8月15日だった。
 こういうのはすべて偶然なのだが、知ってしまうと書きたくなる。たまたまかもしれないけれど、偉大な人に対して勝手に縁を感じてしまうのだ。
 私がさくらさんの作品を楽しんだのは30年以上前だ。そのころ生まれた後輩が、私の書いたものを好きだと言ってくれた。そして彼女も、同じ作家を好きだと言った。
 そういうことがあると、私みたいなものでも「誰かの小さな楽しみになっているのか」と思うようになり、また何かを書いてみようと考えてパソコンの前に座るのである。

【私の司令塔】

 私が受けた「脳ドックと人間ドックのセット」のは、CTスキャンとMRIだけの検査で、所要時間は合計30分程度の簡単なものだった。それでも色々なことが分かるのだが、とりあえず何も問題はなかった。
 一応は「肥満」で「頸椎(けいつい)が詰まっている」とのことだった。
 要するに「太っていて首が短い」のであって、これはX線を当てて調べなくても、見たら分かる。鏡の前に立てば本人にも分かることだった。
 やっぱり、金の無駄だったかな。
 4万円以上支払って「あなたは太っていて首が短い」と言われたら、ものすごく損をしたような気になるが、ちゃんと癌などの検査もしてくれているのだから、そういう捉え方をしてはいけない。

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