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若手プロに知ってもらいたいこと どんな人について行くべきか

【フリーランスは選ぶことができる】

 若手プロ雀士の皆さんにとって2022年はどのような年だったでしょうか。
 もちろん、麻雀の世界も「勝てば官軍、負ければ賊軍」の分かりやすい勝負の世界ではありますが「あいつと同じように勝ったのに、あっちは俺よりも良いメを見ている」というケースだってあるでしょう。納得がいかないかもしれませんが、何か原因があるはずです。
 もちろん、自分自身の努力不足だったり、運やタイミングが悪いという可能性もありますが、見落としがちなのが「ついて行っている相手、間違えていませんか?」という視点です。

 麻雀プロはフリーランスの集合体ですから、会社のような上司と部下の関係というものは存在しません。先輩後輩の関係性やリーグのランクの上下はあっても、服従に近い関係を強いられることはないのです。
 
 それでも、個々の仕事の事情で発注元と下請けの関係になることはあります。たとえば大会イベントを企画した先輩プロに「手伝ってくれ」と頼まれたら、一時的には主従関係のようになります。
 
 また、日々の生活の中で「なんとなく慕っている先輩」という存在も、皆さんのプロ雀士人生に影響してくる可能性があるでしょう。

 そして、直接的には関係がなさそうに見えるかもしれませんが、皆さんが所属する団体のトップや、その周辺で意思決定をしている幹部の人たちの「方針」が、実はかなり影響すると私は思います。

 サラリーマンの皆さんは上司を選ぶことができません。この人についていってもロクなことにならなさそうだなーと思っていても、配属された部署の上司がその人だったら仕方がありませんよね。
 でも、フリーランスであるプロ雀士の皆さんは自由です。所属団体だって、ちゃんと手続きを踏めば移籍することも可能です。
 義理人情はとても大切なことではありますが、実は「お世話になっていなかった」のであれば、ちゃんとスジだけを通して、自分なりの判断をした方が良いのではないかと私は思います。
 

【分け与えてくれるか否か】

 では、所属するプロ団体のリーダーや、リーダーシップを取っている幹部たちに「ついて行くべきかどうか」を判断する基準は何でしょうか。
 
 それは「何かしらのメリット」「後から付いてくる者たち」に分け与えているかどうか、です。
 
 麻雀企画集団バビロンができたばかりの頃の話なので、20年以上も前のことですが、ある麻雀大会がありました。
 テレビ局、新聞社、出版社、ゲーム会社など、様々な企業に勤める方が参加する大会でした。
 ゲストは某プロ団体のトップであるAさんでした。
 その大会の運営をバビロンが請け、私も現場で働いていました。
 バビロンの総帥である馬場裕一さんに言われて、皆さんに名刺を配り、ご挨拶をすることができました。もちろん運営という立場ですから、主催者にも許可を取りました。人脈を広げることができ、私たちにとっても非常に大きな意味のある大会となりました。

 大会中、当時バビロンにいたBさんという人が私に小声で話しかけてきました。
 
 「お前、おかしいと思わないか。何で俺たちがこの大会の運営をやっているんだ?」

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