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流れの正体 白川道さんの「運と鍵」理論

【人生も流れ論のバカ者?】

リーグ戦開幕戦の前日、私は調整の意味もあって雀荘へ向かったのだが、歌舞伎町に着いたところで何となくイヤな気がしてタクシーを拾い、四谷の道場へと行先を変更した。
 わざわざ本郷三丁目から地下鉄で東新宿まで行き、歌舞伎町のホテル街を一人で10分ほど歩いてから気が変わってタクシーに乗るのだからバカげている。
 だが、アンケートの結果が正しければ、約半数の人が「まぁその気持ちも分かる」と言ってくれるかもしれない。そして残った半数は「知能低いんじゃないのコイツ?」と思うだろう。
 実は私にとって今年は厄年、しかも本厄で正月から小さな不幸が多発しているのである。つい先日などは事務所に税務調査が入り、面倒くさい目にあった。
 とはいってもこれまですべて大参事には至っていないので、いつかものすごく悪いことが起きるのではないかと思ってビビっている。そういう背景もあってタクシー代をケチらず移動した次第なのだが、この話を聞いてもやっぱり私を「バカ」と思う方が半分以上はいるだろう。
 道場では例のごとく藤原隆弘プロから「お前が練習するなんてどうしたんだいったい」と怪しまれたが、2回だけ打ちますと言って卓に入った。結果は連続で一人浮きのトップだった。
 時間的にはもう1回打てたのだが、次にトップをとってもヘコんでも翌日の試合が悪くなる気がしたのでやめて帰った。
 翌日の私の成績は4連勝で百ポイント以上の浮きとなった。
 前の日がツイていたからではなく、開幕戦なので最初はできるだけ真っ直ぐ打とうと思ってやったら良い結果になった。
 ただ、道場で同じようなスタンスで打って調子が良かったから自信を持って行けたのは間違いない。だから私にとって、開幕戦の好調は前の日からの流れなのである。
 たぶんデジタル派雀士たちも、私の前日調整が精神的支柱になったことは認めてくれるだろう。だが、私はそれよりも歌舞伎町をやめて道場に行ったことが幸いしたと思っている。
 デジタル派の方は「関係ねーだろ」と言うに違いない。まぁ、ルールが違うとかそういう話になるんだと想像できる。

 対局が終わって携帯を見ると、担当編集者のカネポンからこの原稿の催促メッセージが入っていた。原稿どころか取材もまだだったので、白川道さんに電話してみた。前号の最後で予告した通り、白川さんに「運」についてうかがうためである。

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